ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

その他の本

【本】中上健次『枯木灘』

1、作品の概要 『枯木灘』は、中上健次の長編小説。 芥川賞を受賞した『岬』の続編として刊行され、『地の果て 至上の時』を含めて3部作として構成された。 第31回毎日出版文化賞、第28回藝術選奨新人賞を受賞。 『文藝』に1976年10月号~1977年3月号に掲載…

【本】古井由吉『われもまた天に』

1、作品の概要 『われもまた天に』は、2020年9月25日に刊行された古井由吉の短編小説集。 2020年2月18日に他界した古井由吉の遺作となった。 『雛の春』『われもまた天に』『雨上がりの出立』『遺稿』(未完)の4編の短編小説からなる。 単行本で139ページ。…

【本】2024年に読みたい本について!!

☆2024年に読みたい本!!☆ 2023年は村上春樹の新刊発売がビッグニュースで、『街とその不確かな壁』は発売前後で盛り上がりました。 中村文則『列』、川上未映子『黄色い家』など好きな作家の新刊をたくさん楽しめて幸せでしたよ。 好きな作家の新刊はワクワ…

【本】ポール・オースター『幻影の書』~人は追いつめられて初めて本当に生きはじめる~

1、作品の概要 『幻影の書』はアメリカの作家ポール・オースターの長編小説。 訳者は、柴田元幸。 2002年にアメリカで刊行され、2008年に日本語訳版が新潮社より単行本が刊行された。 単行本で329ページ。 2011年に新潮文庫より文庫化されている。 飛行機事…

【本】2023年読んだ本ベスト10冊

☆年末恒例!!2023年読んだ本ベスト10冊☆ さてさて、年末といえばこの企画。 「2023年読んだ本ベスト10冊」です。 この時期になるとXの読書垢の皆さんがこのハッシュタグで投稿されていて、ニヤニヤしながら読んでいます。 「ふーん、こういうの好きなんだね…

【本】年森瑛『N/A』~ただありのままの自分で生きることの難しさと、悲しいまでに圧倒的なディスコミュニケーション~

1、作品の概要 『N/A』は年森瑛の中編小説。 2022年6月22日に刊行された。 『文學会』2022年5月号に掲載された。 第127回文學界新人賞受賞作品。 第167回芥川賞候補、第37回三島由紀夫賞候補。 単行本で120ページ。 他者との関係性、周囲からの安易なカテゴ…

【本】ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』

1、作品の概要 『停電の夜に』はジュンパ・ラヒリの9編からなる短編小説集。 1999年に刊行され、彼女のデビュー作となった。 海外でのタイトルは『病気の通訳』(Interpreter of Maladies)だった。 日本語訳は2000年に刊行。 2000年にピューリッツァー賞の…

【本】ヒロの本棚を大公開!!他人の本棚って気になるよね~。

☆本棚を整理しました☆ 整理整頓とかめっちゃ苦手なタイプです。 ブログのカテゴリーとかなんやらみても性格が出ていて、ごちゃごちゃしてます。 めんどくさがりなんですよ、大雑把なんですよ、O型だし。 そんなわけで本棚もぐちゃぐちゃになっていて、収納し…

【本】李龍徳『報われない人間は永遠に報われない』~共依存の果てに辿り着いた荒野~

1、作品の概要 『報われない人間は永遠に報われない』は、李龍徳の中編小説。 2016年6月に刊行された。 単行本で146ページ。 『文藝』2016年春季号に掲載された。 第38回野間文芸新人賞候補作。 シニカルで自意識過剰の若い男と、自分に自信が持てず悲観的な…

【本・サッカー】内田篤人『僕は自分が見たことしか信じない』~等身大のウッチーが見えてくる~

1、作品の概要 『僕は自分が見たことしか信じない』は元サッカー選手・内田篤人が現役時代に書いたエッセイ。 文庫版は2013年に単行本より大幅に加筆修正して出版された。 439ページ。 高校生時代からプロ入り、シャルケでの日常などを交えながら内田篤人が…

【本】中上健次『十九歳のジェイコブ』~逃れようもなく定められていた血と呪縛によるカタストロフィー~

1、作品の概要 『十九歳のジェイコブ』は1986年に刊行された中上健次の長編小説。 文庫本で245ページ。 2014年に舞台化された。 ジャズを愛し、セックスとドラッグにまみれていく19歳の青年の懊悩と狂気を描いた。 2、あらすじ 十九歳のジェイコブは、故郷を…

【本】李龍徳『死にたくなったら電話して』~2人は破滅へと突き進む~

1、作品の概要 『死にたくなったら電話して』は、李龍徳(イ・ヨンドク)のデビュー作の長編小説。 『文藝』2014年冬号に掲載されて、2014年11月に単行本化された。 第51回文藝賞を受賞。 単行本で256ページ。 大学受験を2度失敗している徳山は、圧倒的な美…

【本】2023年上半期の本ベスト約10冊!!村上春樹、川上未映子のあの1冊もランクイン!!

☆2023年上半期の本ベスト約10冊☆ ツィッターの読書垢で話題になっている、2023年上半期の本ベスト約10冊のハッシュタグ。 みんなやっていたんで、僕もやってみました。 小学生の頃に「クラスのみんな持ってるんだよ!!持ってないのは僕だけだよ!!」って言…

【本】ガブリエル・ガルシア=マルケス『コレラ時代の愛』~村上春樹はなぜ『街とその不確かな壁』の参考文献としてこの作品を引用したのか?~

1、作品の概要 『コレラ時代の愛』はコロンビアの作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの長編小説。 同書は1985年に刊行された。 ガブリエル・ガルシア=マルケスは、1967年に刊行された『百年の孤独』が世界的な大ヒットになり、1982年にノーベル文学賞を受…

【本】古書のにほひ♪古本屋さんの話。

☆本の香り☆ 本屋さんの匂いが好きです。 新しい紙の香り。 明るい店内に積まれた真新しい本から匂い立つ蠱惑的な香り。 手が切れちゃうんじゃないかってなぐらいに真新しい紙。 店員さんのPOPの文章を見るのも楽しいです。 そして、好きな作家の本が並んでい…

【本】再読のススメ!!好きな本を繰り返すし読むことの意味について。

☆皆さんは好きな本を繰り返し読んだことがありますか?☆ 読書家にも色んなタイプの人がいて、めっちゃ速読する人、ゆっくりマイペースに読む人、幅広いジャンルの本を読む人、気に入った作家や作品を繰り返した読む人。 など、いろんな読書の仕方があると思…

【本】凪良ゆう『汝、星のごとく』~暮れゆく空に輝く夕星のような忘れられない存在~

1、作品の概要 『汝、星のごとく』は、凪良ゆうの長編小説。 2022年8月4日に講談社より刊行された。 『小説現代』2022年5.6月号~7月号に掲載された。 2023年本屋大賞受賞、第168回直木賞候補作。 瀬戸内の島で出会い、お互いに惹かれ合いながら成長し、すれ…

【本】朝倉かすみ『平場の月』~50代のリアリティを追求した大人のラブストーリー~

1、作品の概要 『平場の月』は朝倉かすみの長編小説。 2021年に光文社より刊行された。 第32回山本周五郎賞受賞作。 公開日、キャストは未定だが、映画化することが決定している。 2、あらすじ 青砥健将は、地元の病院の売店で、中学時代の同級生・須藤葉子…

【本】2023年本屋大賞は凪良ゆう『汝、星のごとく』に決定!!本屋大賞について語ってみる♪

☆本日、2023年本屋大賞が発表になりました!!☆ 読書好きの皆さんの間で話題になっていた2023年本屋大賞。 1月にはノミネートの10作品が発表されて、今日大賞と順位が発表になりました。 映えある2023年本屋大賞を獲得した作品はぁ~~~。 凪良ゆう『汝、星…

【本】町田康『夫婦茶碗』

1、作品の概要 『夫婦茶碗』は町田康の全2編からなる中編小説。 1998年に新潮社から刊行された。 『夫婦茶碗』『人間の屑』が収録されている。 町田康の第2作目の小説。 『人間の屑』が2000年に村上淳主演で映画化された。 2、あらすじ ①夫婦茶碗 働かずに家…

【アート】Casa BRUTUSで草間彌生の特集号が!!世界的に有名な水玉のカボチャのおばちゃん。

☆Casa BRUTUSが草間彌生の特集をしていて、本屋で「ブルータスお前もか」とほざいた件について☆ はい、と言うわけで今回は草間彌生さんの話です。 いや、話つってもそんな詳しいわけでもないので、「草間彌生さんの特集をしていたCasa BRUTUSを買いました。…

【本】中上健次『十九歳の地図』~鮮烈な感性が描き出す放熱の軌跡~

1、作品の概要 『十九歳の地図』は、中上健次の短編小説集。 『一番はじめの出来事』『十九歳の地図』『蝸牛』『補陀落』の4編からなる。 1974年に刊行された、中上健次のデビュー作。 文庫本で241ページ。 『十九歳の地図』が芥川賞の候補作にノミネートさ…

【本】夏目漱石『こころ』~罪と死の影を抱えながら~

1、作品の概要 『こころ』は、夏目漱石の長編小説。 初出時は『心 先生の遺書』であったが、後に改められた。 1914年4月20日~8月11日まで、朝日新聞に連載。 1914年、岩波書店から刊行された。 『彼岸過迄』『行人』に続く、過去三部作の最後の作品となる。…

【本】2022年に読んで印象的だった本について!!

☆2022年の読書はどんなかんじ?☆ 2022年に読んだ本の振り返りをしてみま~っす。 読んだ本の数は、たぶん40冊ぐらいかな? これだけでシリアスな読書家の皆様には「ケッ、カスがっ!!」とか言われてしまいそうですが、まぁそんなお気楽な感じです。 ぶっち…

【本】高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』~まったくゴハンが美味しく感じられない物語。閉鎖された職場でのざらついた人間関係。~

1、作品の概要 『おいしいごはんが食べられますように』は、高瀬隼子の中編小説。 第167回芥川賞受賞作品。 『群像』1月号に掲載され、2022年3月に刊行された。 職場内の閉鎖的な人間関係と、その摩擦を描いた。 2、あらすじ 二谷は、埼玉営業所に異動になっ…

【本】500記事達成記念!!愛媛の中心で読書愛を叫んだケモノ!!好きな作家さんと読書への愛を語りまくる!!

☆500記事達成!!読書ブログのはずなのに読書記事少ないよねぇ・・・☆ 500!! 500!! 500!! 500ぅぅぅっぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 500記事達成やでぇぇっせぇぇ…

【本】野沢尚『龍時』~高校生の超絶ドリブラーがスペインリーグに挑戦!!唯一無二の傑作サッカー小説!!~

1、作品の概要 『龍時』は野沢尚の小説。 2002年に01-02シーズンが刊行されて、02-03シーズン、03-04シーズンの3冊が刊行される。 作者急逝のため未完。 漫画版が作画・戸田邦和でワールドサッカーキングで連載されて、全16巻で完結した。 スペインのサッカ…

【本】オンライン読書会に参加してみた!!「食欲の秋!料理・食事の描写が印象的な小説」について♪

☆読書会に初参加!!そしてZOOMの利用も初だった件☆ ツィッターでフォローさせて頂いている方がオンライン読書会を企画されるということで参加させて頂きました。 テーマは、「食欲の秋!料理・食事の描写が印象的な小説」で、天高くヒロ肥える秋にピッタリ…

【本】永井みみ『ミシンと金魚』~花はきれいで、今日は、死ぬ日だ。消えていく記憶と、忘れられない痛み~

1、作品の概要 2022年2月に刊行された、永井みみのデビュー作。 第45回すばる文学賞受賞作。 第35回三島由紀夫賞にもノミネートされた。 認知症を患う女性の目線で、彼女の壮絶な人生を振り返る。 2、あらすじ 安田カケイは、認知症の独居高齢者でヘルパーと…

【本】町田康『屈辱ポンチ』~独特のリズムと文体から繰り出されるシュールな物語~

1、作品の概要 『けものがれ俺らの猿と』『屈辱ポンチ』の2編中編からなる作品。 町田康2作目の作品。 永瀬正敏主演で映画化された。 屈辱ポンチ (文春文庫) 作者:町田 康 文藝春秋 Amazon 2、あらすじ 『けものがれ、俺らの猿と』 脚本家の佐志は、妻が留学…