ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

その他の本

【本】永井みみ『ミシンと金魚』~花はきれいで、今日は、死ぬ日だ。消えていく記憶と、忘れられない痛み~

1、作品の概要 2022年2月に刊行された、永井みみのデビュー作。 第45回すばる文学賞受賞作。 第35回三島由紀夫賞にもノミネートされた。 認知症を患う女性の目線で、彼女の壮絶な人生を振り返る。 2、あらすじ 安田カケイは、認知症の独居高齢者でヘルパーと…

【本】町田康『屈辱ポンチ』~独特のリズムと文体から繰り出されるシュールな物語~

1、作品の概要 『けものがれ俺らの猿と』『屈辱ポンチ』の2編中編からなる作品。 町田康2作目の作品。 永瀬正敏主演で映画化された。 屈辱ポンチ (文春文庫) 作者:町田 康 文藝春秋 Amazon 2、あらすじ 『けものがれ、俺らの猿と』 脚本家の佐志は、妻が留学…

【本】白石一文『火口のふたり』~絡み合う蔦のように離れがたく愛欲に溺れていくふたり~

1、作品の概要 2012年に刊行された白石一文の長編小説。 東日本大震災後の未来が不確かになったこの国で、いとこ同士の男女が淫欲に堕ちていくさまを描く。 2019年に柄本祐、瀧内公美主演で映画化される。 2、あらすじ 兄弟同然に育った従兄弟の直子の結婚式…

【本】山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』~受け入れるのか?それとも立ち向かうのか?~

1、作品の概要 2012年に刊行された山内マリコのデビュー作。 8編の短編からなる。 R-18文学賞読者賞受賞作『16歳はセックスの齢』も収録されている。 2018年に、橋本愛主演で映画化した。 2、あらすじ ①私たちがすごかった栄光の話 主人公の「私」は東京から…

【本】間埜 心響『ザ・レイン・ストーリーズ』~雨にまつわる13の魔法~

1、作品の概要 2021年2月に刊行された間埜心響の短編小説。 雨をテーマに13編からなり、それぞれの物語が繋がりあっている。 2、あらすじ ①通り雨 本屋の店先で雨に降こめられ蓉子と、声優の男性。 彼は、FMの深夜放送で推理小説作家・北ノ森ノマドの作品を…

【本】カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』~消えゆく古い世界を抱き締めて~

1、作品の概要 2005年発表のカズオ・イシグロ6作目の長編小説。 原題『Never Let Me Go』 2010年イギリスで映画化され、日本では2016年にTVドラマ化された。 2017年に日本にルーツを持つカズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したことで、日本でも注目を浴…

【本】僕の読書歴~あなたが初めて読んだ本はどんな本ですか?~

☆読書との出会い☆ そのうち書こうと思っていたテーマなのですが、僕が読書するようになったキッカケや、これまでに読んでいた本なんかをユルく紹介しながら僕の読書歴を振り返ってみます。 いや、おもしろいかどうかはわかりませんが(笑) まぁ、仮にもブロ…

【本】唯川恵『啼かない鳥は空に溺れる』~籠を飛び出した鳥はどこに向かって飛ぶのか?~

1、作品の概要 2015年に刊行された唯川恵の小説。 歪んだ2組の母娘関係の物語。 2、あらすじ 千遥は、地方の裕福な家に生まれながらも母親から精神的な虐待を受けて育った。 東京で就職して一人暮らしを初めても、異常な物欲を感じるなど母親の影響から逃れ…

【本】夏目漱石 『夢十夜』~「こんな夢を見た」で始まる10編の不思議な物語~

1、作品の概要 1908年に東京朝日新聞に連載された。 夢にまつわる10編のショートショートで、夏目漱石には珍しく、ファンタジーな作品。 『三四郎』と同時期に執筆された。 2、あらすじ 第一夜 死ぬ間際の女性に「百年待っていて下さい」と言われる。女の墓…