1、作品の概要
『僕は自分が見たことしか信じない』は元サッカー選手・内田篤人が現役時代に書いたエッセイ。
文庫版は2013年に単行本より大幅に加筆修正して出版された。
439ページ。
高校生時代からプロ入り、シャルケでの日常などを交えながら内田篤人が自らの内面を語った。
2、内容
中学時代、高校時代の出来事、プロ入りを経て鹿島アントラーズで感じたこと。
順風満帆に思えるキャリアの陰には人知れず苦悩していた内田篤人の姿があった。
鹿島での栄光、南アフリカW杯での失望、シャルケでの苦闘とCLでの成功・・・。
光と影が交錯する選手生活の中で、内田が大事にしていた考え方、人との繋がりとは?
3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ
まぁ、今更感ありますが(笑)
ブックオフで100円で見かけて、最近サッカーよく観てるし、ウッチーの本読んでみたかったからちょっと読んでみよかぐらいのノリで読みましたが、なかなか内容が濃かったです。
ウッチーはもう引退してしまっていますが、自身のサッカー番組を持っていたり、解説でよく出てたりしてわりと身近に感じる存在です。
4、感想
内田篤人選手と言えば、飄々としたキャラクターであまり内面を見せない印象でしたが、わりと古風だったり、悔しくて泣いたりと意外な一面もみられて面白かったです。
それと、ウッチーは人との繋がりを大事にする人間なんだなーっていうのがとても感じられましたね。
同じサッカー選手だけじゃなくて、昔からの幼馴染との絆なんかも印象的でした。
サッカーの面でも、高校生時代にサイドハーフだったのが一列下がってサイドバックにコンバートされたこと。
そのことで後ろから仕掛けられるようになって、選手としてのストロングポイントをより大きく出せるようになったことなども、なるほど~って感じでした。
鹿島での小笠原、岩政の存在の大きさ、クラブとしてのフィロソフィーなど感じられてとても興味深かったですね。
そして、シャルケ移籍の経緯、ノイアー(めっちゃいいヤツ!!)との友情や、ラウールの人としての懐の深さなど、世界的な名選手の素顔が窺い知れて面白かったですね~。
そして、チャンピオンズリーグベスト4への道程。
今後、このステージへと辿り着ける日本人選手は出てくるのでしょうか?
有名人の本とか出ると、「どーせゴーストライターが書いてるんでしょ?」とか思っちゃいますが、この本は間違いなくウッチーが書いてると思います。
文章とかは本当に普通に話してる感じで、その稚拙さが逆に真実味があるし、めちゃくちゃ本音で自然体で語っている気がして元々好きな選手でしたが、さらに好感度アップでした。
キャリアの後半は怪我との戦いで、完全燃焼とは言えなかったかもしれませんが、日本サッカー界のレジェンドの1人。
日本代表戦の試合後のインタビューでは、親友の吉田麻也にツッコミまくってたりとか、実績がある分ご意見番としても存在を確立して欲しいですね。
ワールドカップとCLに出場経験があって、長友と共にCLベスト4という他者の追随を許さない圧倒的な実績があるのですから。
アンダー世代のコーチとしての仕事もしたりと幅広くサッカーと関わる仕事をしている内田篤人。
今後も日本サッカーのキーパーソンとして、盛り立てていってほしいです!!
5、終わりに
全盛期の内田の、シャルケの右サイドのファルファンとのコンビは強烈でした。
セビージャのヘスス・ナバスとダニエウ・アウベスのコンビぐらい凄かった。
そして、2014年ブラジルワールドカップ。
精彩を欠く日本代表でただ一人気を吐いていたのが内田篤人でした。
本田、香川、長友らを擁し期待値の高かった日本代表でしたが、初戦でコートジボワールに敗れてなすすべもなくグループステージ敗退・・・。
あの試合、朝からサッカー友達とワクワクしながらスポーツバーで観て、衝撃的な逆転負けに、朝から痛飲した苦い思い出があります( ;∀;)
そんな中、怪我を抱えていてコンディションに不安があった内田が鬼神のようなプレイをみせていたのが印象的でした。
まるで、魂を絞り出すように、何もかもすべて出し尽くすように・・・。
闇夜の光明のような、この大会で唯一の希望を感じるような彼のプレイは圧巻でしたが、同時にまるで蠟燭が消える前に一瞬大きく燃え上がるような、どこか危うさを感じさせるような何かがありました。
果たしてこの時の強行出場と圧倒的なパフォーマンスは、その後のキャリアを難しいものとしてしまいました。
でも、きっと内田篤人はブラジルワールドカップで怪我を抱えながら無理にでも出場したことをきっと後悔していないようにも思います。
ともあれ、これからも日本サッカーにとって彼の力は必要だと思いますし、後進のSBの選手が内田篤人を超えていくことを期待したいですね!!
↓ブログランキング参加中!!良かったらクリックよろしくお願いします!!