ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

江國香織

【本】江國香織『ひとりでカラカサさしてゆく』~凛としてこの道を歩いていく~

1、作品の概要 『ひとりでカラカサさしてゆく』は、江國香織の長編小説。 『小説新潮』2020年4月号~2021年7月号に連載された。 単行本で232ページ。 “Friendship”(C)Marie Gudme Leth, Designmuseum Denmarkの装画。 自死した3人の老人と、その遺族やかか…

【本】江國香織の書評まとめ。作家性とその魅力を語る。

☆江國香織の略歴☆ 江國香織は、1987年『草之丞の話』で童話作家としてデビュー。 1991年『きらきらひかる』で小説家としてデビューし、紫式部文学賞を受賞。 以来、小説、エッセイ、童話、詩集、翻訳など幅広く活躍している。 父親はエッセイストの江國滋。 …

【本】江國香織『赤い長靴』~夫婦にまつわる14の甘やかな孤絶の断片~

1、作品の概要 『赤い長靴』は、江國香織の連作短編小説集。 2005年に刊行された。 14編。 文庫本で253ページ。 結婚して10年になる夫婦の日常を描いた。 2、あらすじ 結婚して10年。 子供のいない日和子と逍三の夫婦は、傍目には平穏な日々を送っていた。 …

【本】江國香織『なつのひかり』

1、作品の概要 『なつのひかり』は江國香織の書下ろし長編小説。 1995年に刊行された。 文庫で336ページ。 わたしと兄をめぐる、ひと夏の冒険ファンタジー。 2、あらすじ ある夏の朝、逃げたやどかりを探しに、マンションの隣に住む男の子・薫平が訪ねてきた…

【本】江國香織『すいかの匂い』~11人の少女たちによる夏への鎮魂歌~

1、作品の概要 『すいかの匂い』は江國香織の連作短編集。 1998年に新潮社より刊行された。 11編からなる。 書き下ろし。 夏にまつわる11人の少女の思い出を描いた。 2、あらすじ ①すいかの匂い 9歳の夏、叔母の家に預けられた私。 ホームシックにかかって家…

【本】江國香織『流しのしたの骨』~複雑怪奇な森のような、家族のできごと~

1、作品の概要 『流しのしたの骨』は、1996年に刊行された江國香織の4作目の長編小説。 文庫本で298ページ。 風変わりの6人家族の日常を描いた。 2、あらすじ 19歳のこと子は、高校を卒業したあと就職も進学もせずに悠々自適の毎日を過ごしていた。 クリー…

【本】江國香織『金平糖の降るところ』~愛ではないその何かが、愛より劣るものだと誰に言えるだろう~

1、作品の概要 『金平糖の降るところ』は、江國香織の長編小説。 きらら2009年5月号~2011年5月号に連載され、2011年に刊行された。 アルゼンチンで生まれた日本人の姉妹の奔放な恋愛と人生を描いた。 2、あらすじ 佐和子は、都内でステーキ屋やバーなどの飲…

【本】江國香織『彼女たちの場合は』~放浪者たちの物語~

1、作品の概要 『彼女たちの場合は』は、2019年に5月に刊行された江國香織の長編小説。 2022年4月に文庫化。 『小説すばる』2015年3月号~2018年7月号に連載された。 14歳と17歳の2人の日本人の少女が、両親に内緒で家を出てアメリカを旅する。 2、あらすじ …

【本】江國香織『落下する夕方』~すれ違う魂の、その一瞬の物語~

1、作品の概要 1996年に刊行された江國香織5作目の長編小説。 1998年に原田知世主演で映画化された。 8年同棲していた彼から別れを切り出された梨果が、彼が恋している女性・華子と一緒に住み始めて次第に彼女に惹かれていく奇妙な三角関係を描いた小説。 2…

【本】江國香織『神様のボート』~静謐な狂気と、箱庭のような物語と支配~

1、作品の概要 1999年に刊行された江國香織の長編小説。 離れ離れになった恋人を待ち続ける母親と、娘の物語。 母親の葉子と娘の草子の一人称の視点から交互に語られる。 第13回山本周五郎賞候補作に選ばれた。 2013年にNHK-BSプレミアムでTVドラマ化された…

【本】江國香織『きらきらひかる』~この世界に間違った愛がありますか?ゲイの夫とアル中でメンヘラな妻。どこまでも透明な感情~

1、作品の概要 1991年に刊行された江國香織の長編デビュー作。 紫式部文学賞受賞。 1992年に映画化。 文庫版で201ページ。 12章からなる恋愛小説で、笑子と睦月がそれぞれ一人称で語る。 2、あらすじ 新婚の睦月と笑子はお互いに脛に傷を持つもの同士。 睦月…

江國香織『犬とハモニカ』

1、作品の概要 2012年に刊行された、6篇からなる短編集です。川端康成文学賞を受賞しています。 「おそ夏のゆうぐれ」は元々チョコレートを買って応募したらもらえる小冊子用の短編。 「夕顔」は6人の作家が源氏物語の現代語訳を「新潮」の企画でかいたもの…