ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

小川洋子

【本】小川洋子『耳に棲むもの』~深い孤独の淵で鳴り響く、耳の中の音楽~

1、作品の概要 『耳に棲むもの』は、小川洋子の連作短編小説集。 2024年10月10日に、講談社より刊行された。 VRアニメ『耳に棲むもの』の原作として描かれた。 『群像』2023年10月号、12月号、2024年2月号、4月号、6月号に連載された。 136ページ。 補聴器の…

【本】小川洋子『いつも彼らはどこかに』~世界の片隅で生きるささやかな動物、虫たち~

1、作品の概要 『いつも彼らはどこかに』は小川洋子の短編小説集。 8編の物語からなる。 2013年5月31日に新潮社より単行本が刊行され、2015年12月23日に新潮文庫より文庫版が刊行された。 文庫版は256ページ。 文庫版の解説が江國香織。 世界の片隅で生きる…

【本】小川洋子『琥珀のまたたき』~琥珀色の瞳が起こす一瞬の魔法~

1、作品の概要 『琥珀のまたたき』は、小川洋子の長編小説。 2015年9月10日に講談社より単行本が刊行され、2018年12月14日に文庫版が刊行された。 『群像』2015年1月号~4月号に連載された。 文庫版で336ページ。 外界と断然された環境で育った3人姉弟の物語…

【本】小川洋子×河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』

1、作品の概要 『生きるとは、自分の物語をつくること』は、小川洋子と河合隼雄の対談集。 2008年8月1日に単行本が刊行された。 Ⅰ 魂のあるところ 「週刊新潮」2006年1月26日掲載 Ⅱ 生きるとは、自分の物語をつくること 「考える人」2008年冬号 単行本で156…

【本】小川洋子『サイレントシンガー』~魂を慰める静謐な歌声~

1、作品の概要 『サイレントシンガー』は小川洋子の長編小説。 2025年6月20日に文藝春秋より刊行された。 『文學界』2025年2月号に掲載された。 296ページ。 内気な人が集まってひっそりと暮らす「アカシアの野辺」で、彼らに寄り添いながら歌い続けるリリカ…

【本】小川洋子『余白の愛』~現実と記憶の狭間で揺蕩う~

1、作品の概要 『余白の愛』は小川洋子の長編小説。 1991年に福武書店より単行本が刊行された。 2004年に中公文庫より新装文庫版が刊行された。 234ページ。 耳を病んだ「わたし」と速記者Yの、現実と記憶の狭間で語られる物語。 2、あらすじ 「わたし」は夫…

【本】小川洋子『偶然の祝福』~また今晩も、遠い森のどこかで、病んだ鳥が一羽枝から落ちる~

1、作品の概要 『偶然の祝福』は、小川洋子の短編小説集。 2000年に角川書店より単行本が刊行されて、2004年に文庫化された。 全7編の連作短編小説。 文庫版で199ページ。 文庫版に川上弘美の解説が掲載されている。 やがて作家になる「私」が、その半生で触…

【本】小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』~死と官能に彩られた11の物語たちが響きあい、繋がっていく~

1、作品の概要 『寡黙な死骸 みだらな弔い』は小川洋子の連作短編小説集。 11編からなる。 1998年に単行本が刊行された。 2003年に中公文庫より文庫版が刊行された。 文庫版で241ページ。 時計塔のある海辺の街で、死に彩られた物語たちが響きあい、繋がりあ…

【本】好きな作家10人を紹介!!村上春樹、中村文則、西加奈子、平野啓一郎、小川洋子、江國香織・・・。

☆名刺代わりの作家10選!!って、タイトルでめっちゃネタバレしとるやんけ!!☆ ひさびさに本ネタ行きます。 ってか、最近はサッカーEURO2024に首ったけであまり読書できてなかったりします。 タイトルが本棚なのにどういうこっちゃ(笑) ちなみに今読んで…

【本】小川洋子『妊娠カレンダー』

1、作品の概要 『妊娠カレンダー』は小川洋子の中編小説。 1991年に文藝春秋より刊行された。 『妊娠カレンダー』『ドミトリィ』『夕暮れの給食室と雨のプール』の3編が収録された。 単行本で189ページ。 1990年に『妊娠カレンダー』で第104回芥川賞を受賞し…

【本】小川洋子『不時着する流星たち』~物語の世界で明滅する10の綺羅星たち~

1、作品の概要 『不時着する流星たち』は、小川洋子の短編小説集。 10編からなる。 2017年1月28日に刊行された。 単行本で252ページ。 『本の旅人』2016年2月号~11月号に掲載された。 実在の人物や起こったことなどがら着想を得た10編の物語。 2、あらすじ …

【本】小川洋子『約束された移動』

1、作品の概要 『約束された移動』は小川洋子の短編小説集。 2019年に刊行された。 全6編で、211ページ。 2、あらすじ ①約束された移動(文藝2019年秋季号掲載) 客室係の「私」は、美しい顔を持つ男性俳優Bがロイヤルスイートに宿泊後の部屋の清掃を担当す…

【本】小川洋子『シュガータイム』~普通とは何か、惹かれ合う二つの魂、モラトリアムと最後の残光~

1、作品の概要 『シュガータイム』は小川洋子の初の長編小説。 『妊娠カレンダー』で芥川賞受賞後、1991年に刊行された。 文庫版で215ページ。 砂糖菓子みたいにもろく甘い、青春の最後の日々を描いた。 2、あらすじ 大学生のかおるは、唐突に訪れた異常な食…

【本】小川洋子『完璧な病室』~小川洋子のデビュー作~

1、作品の概要 『完璧な病室』は小川洋子の短編集。 海燕新人文学賞受賞のデビュー作『揚羽蝶が壊れる時』ほか、全4編を収録。 ページ数296ページ。 『完璧な病室』『冷めない紅茶』として刊行されていた短編集をリニューアルして1冊にまとめて、2004年に新…

【本】小川洋子『人質の朗読会』~殺害された人質たちが語った人生の一瞬のきらめきの物語~

1、作品の概要 https://hatenablog.com/ 『人質の朗読会』は小川洋子の短編小説。 2011年に刊行された。 『中央公論』2008年9月号~2010年9月号にかけて1年に4回掲載された。 本屋大賞にノミネートされ5位にランクイン。 表紙は彫刻家の土屋仁応の「小鹿」が…

【本】小川洋子の書評まとめ。作家性とその魅力を語る。

☆小川洋子の略歴☆ 1962年生まれで現在60歳の小川洋子。 1988年に『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞を受賞し、1989年に『完璧な病室』で初の単行本を刊行してデビュー。 以来、芥川賞、本屋大賞、谷崎潤一賞など著名な賞を多数受賞しています。 短編、中…

【本】小川洋子『密やかな結晶』~たとえ失われていく運命だとしても~

1、作品の概要 1994年に刊行された小川洋子の長編小説。 2019年に英訳版が出版され、全米図書賞翻訳部門と、2020年ブッカー国際賞の最終候補に選出される。 文庫版で402ページ。 何かが少しずつ消滅していく島で怯えながら暮らす人々と、消滅を補完すべく権…

【本】小川洋子『ミーナの行進』~過ぎ去った愛おしい日々たち~

1、作品の概要 『ミーナの行進』は、小川洋子の長編小説。 2006年4月に中央公論新社より刊行された。 文庫版で352ページ。 『読売新聞』で、2005年2月12日から同年12月24日にかけて毎週土曜日に連載された。 第42回谷崎潤一郎文学賞受賞、第4回本屋大賞第7位…

【本】小川洋子・堀江敏幸『あとは切手を、一枚貼るだけ』~往復書簡で紡ぎだされる幻想的な物語~

1、作品の概要 『あとは切手を、一枚貼るだけ』は小川洋子・堀江敏幸共著の全14通からからなる往復書簡の小説。 2019年に単行本が刊行され、2022年6月に文庫本が刊行された。 『アンデル ちいさな文芸誌』2017年7月号~2018年8月号に掲載された。 奇数回は小…

【本】小川洋子『ブラフマンの埋葬』~ブラフマンと「僕」の心温まる交流を描いた話、だったら良かったのにね~

1、作品の概要 『ブラフマンの埋葬』は、2004年4月に刊行された小川洋子の中編小説。 群像2004年1月号、2月号に掲載された。 単行本で154ページ。 第32回泉鏡花文学賞を受賞。 架空の小動物ブラフマンと「僕」の交流を描いた。 2、あらすじ 芸術家が集まる「…

【本】小川洋子『海』~自分だけの小さな世界を守り続けている人々の物語~

1、作品の概要 『海』は2006年に刊行された、小川洋子の短編集。 7編の短編と、自身の著作へのインタビューが掲載されている。 2、あらすじ ①海 結婚の承諾を得るために泉さんの実家を訪れた、僕。 彼女の弟の彼の部屋に泊まることになった僕は、そこで彼の…

【映画】『ホテルアイリス』~合わせ鏡の中で幾重にも広がっていく虚構~

1、作品の概要 2022年2月に公開された日本・台湾合作の映画。 監督・脚本は奥原浩志。 主演は永瀬正敏、陸夏(ルシア)。 原作は小川洋子の『ホテルアイリス』 少女と初老の男との倒錯した愛を描いた。 2、あらすじ 海沿いのリゾートホテル『ホテルアイリス…

【本】小川洋子『ホテル・アイリス』~少女と初老の男が味わう倒錯的な性と支配~

1、作品の概要 1996年に刊行された小川洋子の長編小説。 少女と初老の男との間のエロスと支配について描かれた。 2022年2月に監督・奥原浩志、主演・永瀬正敏で映画化された。 2、あらすじ 母親が経営する古ぼけたホテル・アイリスで働く美しい17歳の少女マ…

【本】小川洋子『最果てアーケード』~不吉な影のように光を侵蝕していく「死と喪失」~

1、作品の概要 2012年に刊行された10編からなる連作短編集。 「BE・LOVE」連載コミック『最果てアーケード』の原作として書き下ろされた。 世界で小さなアーケードで大家兼配達係りとして働く女性と、風変わりな店主達の物語。 表紙の装画を酒井駒子が担当し…

【本】小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』~言葉で通じ合えなくてもいい、魂で響き合えれば~

1、作品の概要 2009年に刊行された小川洋子の長編小説。 『文學界』2008年7月号~9月号に連載された。 2010年本屋大賞5位に入賞した作品。 人形を操ってチェスを指す少年の一生を描いた。 2、あらすじ のちにリトル・アリョーヒンと呼ばれる少年は、生まれつ…

【小説】小川洋子『博士の愛した数式』~日だまりのような優しい物語~

1、作品の概要 2003年に刊行された。 小川洋子の長編小説。 第55回読売文学賞、第1回本屋大賞受賞。 2006年に深津絵里主演で映画化。 映画【博士の愛した数式】 CM 2006年 2、あらすじ 家政婦の「私」は、記憶が80分しか持たない数学の天才である「博…

【本】小川洋子『小箱』~死に彩られ囚われた生、傷んで壊れていく愛情~

1、作品の概要 2019年に刊行された小川洋子の最新の長編小説。 書き下ろし。 2、あらすじ 「私」は元幼稚園だった建物に1人で住んでいる。 幼稚園の講堂には、子どもを亡くした親たちが想い出を納めた『小箱』が置いてあり親たちは子供達と触れ合うために幼…

【本】小川洋子『薬指の標本』~静謐な狂気の檻~

1、作品の概要 小川洋子、8作目の中編。 1994年10月に刊行された。 表題の『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2編の中編が収録されている。 『薬指の標本』は2005年にフランスで映画化された。 2、あらすじ 『薬指の標本』 工場でサイダーを作る仕事をして…