ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

小川洋子

【本】小川洋子『海』~自分だけの小さな世界を守り続けている人々の物語~

1、作品の概要 『海』は2006年に刊行された、小川洋子の短編集。 7編の短編と、自身の著作へのインタビューが掲載されている。 2、あらすじ ①海 結婚の承諾を得るために泉さんの実家を訪れた、僕。 彼女の弟の彼の部屋に泊まることになった僕は、そこで彼の…

【映画】『ホテルアイリス』~合わせ鏡の中で幾重にも広がっていく虚構~

1、作品の概要 2022年2月に公開された日本・台湾合作の映画。 監督・脚本は奥原浩志。 主演は永瀬正敏、陸夏(ルシア)。 原作は小川洋子の『ホテルアイリス』 少女と初老の男との倒錯した愛を描いた。 2、あらすじ 海沿いのリゾートホテル『ホテルアイリス…

【本】小川洋子『ホテル・アイリス』~少女と初老の男が味わう倒錯的な性と支配~

1、作品の概要 1996年に刊行された小川洋子の長編小説。 少女と初老の男との間のエロスと支配について描かれた。 2022年2月に監督・奥原浩志、主演・永瀬正敏で映画化された。 2、あらすじ 母親が経営する古ぼけたホテル・アイリスで働く美しい17歳の少女マ…

【本】小川洋子『最果てアーケード』~不吉な影のように光を侵蝕していく「死と喪失」~

1、作品の概要 2012年に刊行された10編からなる連作短編集。 「BE・LOVE」連載コミック『最果てアーケード』の原作として書き下ろされた。 世界で小さなアーケードで大家兼配達係りとして働く女性と、風変わりな店主達の物語。 表紙の装画を酒井駒子が担当し…

【本】小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』~言葉で通じ合えなくてもいい、魂で響き合えれば~

1、作品の概要 2009年に刊行された小川洋子の長編小説。 『文學界』2008年7月号~9月号に連載された。 2010年本屋大賞5位に入賞した作品。 人形を操ってチェスを指す少年の一生を描いた。 2、あらすじ のちにリトル・アリョーヒンと呼ばれる少年は、生まれつ…

【小説】小川洋子『博士の愛した数式』~日だまりのような優しい物語~

1、作品の概要 2003年に刊行された。 小川洋子の長編小説。 第55回読売文学賞、第1回本屋大賞受賞。 2006年に深津絵里主演で映画化。 映画【博士の愛した数式】 CM 2006年 2、あらすじ 家政婦の「私」は、記憶が80分しか持たない数学の天才である「博…

【本】小川洋子『小箱』~死に彩られ囚われた生、傷んで壊れていく愛情~

1、作品の概要 2019年に刊行された小川洋子の最新の長編小説。 書き下ろし。 2、あらすじ 「私」は元幼稚園だった建物に1人で住んでいる。 幼稚園の講堂には、子どもを亡くした親たちが想い出を納めた『小箱』が置いてあり親たちは子供達と触れ合うために幼…

【本】小川洋子『薬指の標本』~静謐な狂気の檻~

1、作品の概要 小川洋子、8作目の中編。 1994年10月に刊行された。 表題の『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2編の中編が収録されている。 『薬指の標本』は2005年にフランスで映画化された。 2、あらすじ 『薬指の標本』 工場でサイダーを作る仕事をして…