ヒロの本棚

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【本】町田康『屈辱ポンチ』~独特のリズムと文体から繰り出されるシュールな物語~

1、作品の概要

 

『けものがれ俺らの猿と』『屈辱ポンチ』の2編中編からなる作品。

町田康2作目の作品。

永瀬正敏主演で映画化された。

 

 

 

2、あらすじ

 

けものがれ、俺らの猿と

脚本家の佐志は、妻が留学して以来、仕事もなく、義父との関係もこじれ住処も追われそうになる始末。

一念発起して楮山から受けた仕事がうさんくさい仕事で、あちこちヘンテコな場所に連れて回られる。

 

屈辱ポンチ

金持ちの友人・浜崎からの依頼で跋丸への復讐を手伝うことになった岡倉。

どこかぼんやりしている帆一と協力して無言電話や、白紙ファックスなどの嫌がらせをするが・・・。

 

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3、この作品に対する思い入れ、キッカケ

 

以前から町田康の作品は気になっていましたが、すすめて頂き初めて読んでみました。

とにかく文章がリズミカルで独特で面白かったですね!!

また別の作品も読んでみたいです♪

 

映画もブッ飛んでて面白そうですね(๑≧౪≦)


www.youtube.com

 

 

 

4、感想・書評

 

もう独特のリズム。

唯一無二の文体。

なんかバッサバッサと斬りつける侍みたいな文章でした。

いや、変な喩えですみません(笑)

 

狂言回しみたいな語り口で物語を語るも、その口上は至極独特。

クセになる文章でした。

けものがれ、俺らの猿と』『屈辱ポンチ』2編ともとてもシュールな物語で、特にオチもなくそれぞれ結末にたどり着くことなくなく途中でブッツリと終わります。

説明なく次から次へとおかしな登場人物と珍妙な事件が起きて、何一つ収拾がつかないまままた次の展開へ。

一度、幕間から退場した人間の安否や、言動の意味もわからずにそのまま放置されて、ずんずんと物語が進んでいきます。

いやぁ、とってもシュール(笑)

 

この奇天烈な世界観はどことなく、つげ義春の漫画を思い起こさせました。

「あちゃー、変な夢見ちゃったなぁ」とか言って目を覚ます時に見ていたような夢は大体こんな感じですね(笑)

町田康版の『夢十夜』といったところでしょうか?

 

読みながら、終始展開についていけずに翻弄され続けるこの感じ(笑)

唐突にプツリと物語が終わって、野原に放り出されたような心持ちになりました。

初めての読後感でした。

また他の作品も読んでみたいですね!!

 

 

 

5、終わりに

 

町田康の小説はインパクト大でした。

強烈なアッパーカットを喰らったような衝撃がありました。

けものがれ、俺らの猿と』の映画も観てみたいですね~♪

 

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