☆大好きな作家・中村文則について☆
以前、書いた記事のリライトですが、僕の大好きな作家・中村文則についての紹介と、感想のまとめを書いてみたいと思います!!
中村文則は1977年9月2日生まれで現在46歳。
ちなみに僕と同い年です。
愛知県東海市出身で、2002年に『銃』でデビューし第34回新潮新人賞を受賞しています。
2004年、2作目の『遮光』で野間文芸新人賞を受賞。
2005年には、4作目の『土の中の子供』で第133回芥川賞を受賞しています。
こうしてみると若いころから活躍している天才作家という感じがしますが、作風が暗いものが多いのでどことなく地味な印象が。
でも、そこがまた好きだったりもします(笑)
初期は純文学テイストが濃く陰鬱な作品が多く、内省的で悲劇的な展開から初期作品を至上とするファンも多いです。
高校生の時に読書をし始め、ドストエフスキー、カミュ、カフカなどの影響を受けたようです。
2009年に刊行されて第4回大江健三郎賞を受賞した『掏摸』、2010年に刊行された『悪と仮面のルール』は、ウォールストリート・ジャーナル紙で2012年のベスト10にも選ばれ話題になりました。
この頃から、ストーリーのスケールが大きくなり、ミステリー手法を取り入れたりして作風が変化していきます。
個人的には『銃』から世界の果てまでが第1期で、『掏摸』以降『カード師』までが第2期にあたるのではないかと思います。
そして、2023年10月に刊行された新作『列』から第3期が始まると、自らインタビューで語っています。
原点回帰と言っていましたが、『教団X』『逃亡者』『カード師』で人生を俯瞰で描くような総合小説のような、スケールの大きな物語を描いたあとに、初期作品のような主人公とその周囲だけでおさまるような物語を描くという意味なのかなと感じました。
ただ、原点回帰といっても単純に初期作品に戻るという意味ではなく、物語の範囲を狭めて人間の本質や、エゴイズムに焦点を当てた作品を描くのが第3期のテーマなのではないかと感じました。
☆中村文則の著作の感想をザックリ紹介!!☆
①銃
2002年に刊行された記念すべきデビュー作!!
この作品に衝撃を受けて僕も「ナカムラー」になりました!!
今作った造語です!!みんなで流行らせましょう!!
とにかく純文学しまくり、ロシア文学っぽい衝撃のアレでした!!
②遮光
一部で「遮光ダンス」なるダンスが流行って、SHALL WE ダンス・ダンス・ダンスだった我が青春時代なんてことは全然なくて全部デタラメです。
何かを持ち歩くという『銃』からのテーマを継承しつつ、ソーニャをなくしたラスコリーニコフを描いたこの作品。
そんでとにかく暗い。
救いがない。
そこがまたいい。
③悪意の手記
「悪意のしゅき♥」ってタイトルだとちょっとエッチな少女マンガみたいなタイトルですが、もちろん内容はぶっちぎりの暗黒マター。
罪が描かれている作品であり、それでも生きようとすることの是非が問われている作品だと思います。
④土の中の子供
土の中に生き埋めにされるという強烈な被虐体験が印象的なこの作品。
僕が一番最初に読んだ中村文則の作品で、その当時はピンときませんでしたが、後で読み返して「やっぱ好きやねん!!」って世界の中心で中村文則愛を叫んでしまいました。
⑤最後の命
初めて「悪」の概念がテーマになった作品であり、その後の作品への転換点になった物語だと思います。
2人の絆と友情。
⑥何もかも憂鬱な夜に
危うかった自分がメンターに救われて。
やがて自分も誰かのメンターになって想いを継承していく。
なぜこの世の中に芸術作品が必要なのか?
そんな問いに答えうる物語だと思います。
⑦世界の果て
初めての短編小説。
もう独特の寂寥とした世界観。
単行本の表紙の暗さがヤバす。
⑧掏摸
「ルパンはあなたの心を盗みました」っていう感じの愉快な作品なら良かったのですが・・・。
圧倒的な悪としての木崎が印象的な作品。
世界が突きつける不条理に従うのか?
それとも、抗うのか?
悪や呪いについて徹底的に掘り下げた作品でありながら純愛もからませてくる超大作。
この辺からミステリーと純文学の融合が加速していく。
⑩王国
掏摸の姉妹編。
狂気の象徴としての月の描写が興味深い。
⑪迷宮
だいぶミステリー色が濃くなったこの作品から、しばらくミステリーしまくりなのが続く。
それでも主人公や周辺の人物の生きにくさや狂気が描かれていて良いっす。
⑫惑いの森~50ストーリーズ~
全50編のショートショート。
ミステリー路線の大傑作。
登場人物たちの心の闇と、トリックが秀逸。
⑭A
笑えるSFっぽい作品や、ちょっと難しいテイストのもある短編集。
どちゃくそ暗い『糸杉』が好きやねん。
⑮教団X
集大成的なすんごい作品で僕はめっちゃ好きです。
ぶっ飛ばされました。
⑯あなたが消えた夜に
これもミステリー路線全開の作品。
刑事もの。
⑰私の消滅
脳科学についての考察と驚きのどんでん返しがアレです。
⑱R帝国
はじめてのでぃすとぴあ作品。
れいわ帝国?ロシア帝国?
⑲その先の道に消える
SMの話。
あとミステリー。
想像を絶する展開。
⑳自由思考
初めてのエッセイ集。
㉑逃亡者
初めて土地とルーツの関わりについて描いた作品。
アインと山峯の恋物語にほっこりしつつ。
たくさんの要素が絡み合った集大成的な作品。
㉒カード師
スリリングな賭博を描いた作品。
そこに悪魔とかからめちゃったり、宗教を絡めちゃったりしていい感じです。
㉓自由対談
作家20周年を記念して刊行された対談集。
めっちゃ分厚い!!
㉔『列』
第3期の幕開けとなる中編小説。
人間の本質を問うような作品。
中村文則的幸福論。
だいぶ雑な紹介ですが、以上が中村文則の全著作でした!!
もちろん僕は全部持ってます!!
まだ感想を書けていないものもあるので、早く全作品のを書かねば~(^_^;)
☆おまけ・意外に映画化している中村文則の作品☆
なんかこのブログでいつも騒いでるけど、誰だよ中村文則って?
って言っているそこのアナタ!!
って、今回俺は何回中村文則って言っているんだ!?
別にSEO対策ではないんですがねぇ・・・。
①銃
推しの村上虹郎がヤバい。
白黒がヤバい。
広瀬アリスがエロい。
②火
観てないけど、桃井かおりが出てるやつらしい。
③銃2020
『掏摸』と『王国』のカップリングみたいな感じで、女性が主役版の『銃』
トースト女が主役。
エロい。
ちょっと微妙でした。
④最後の命
いや、良かった。
やっぱ柳樂優弥はいい役者だなって思います。
原作とはまた違った何かが表現されていたように思います。
「サエキ・・・」ってあの囁くような声が・・・。
玉木宏主演で、玉木がヒロ氏している映画でした。
コレは原作知らない方でも観たらめっちゃおもろいでぇ~~~~。
岩田剛典と斎藤工が共演とかいうイケメンパラダイスな映画ですが、めっちゃ良かったとですよ!!
中村文則作品の映画化、なかなか多いですね。
ツィッターのお友達とも盛り上がりましたが、次は『掏摸』かなって思います。
僕的にはガンガン映画化して、世間に中村文則の名が轟いてほしいものですね。
これからも僕と、このブログは中村文則を推し続けます!!
戦争や疫病で人々が分断されて、貧困が人身を荒れさせて、愛や希望とこの世界が程遠くても、共に生きましょう・・・。
全てを何もかも失って、絶望のその果てにいたとしてもただ生き続ける。
そのかけがえのなさを説いていることが、彼の作品の核だと僕は思っていますので。
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