ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

【本】村上春樹の新作長編小説が4月13日に刊行されます!!祭りじゃ!!祭りじゃ!!絶対に当たらない内容とタイトルの予想がもはや妄想!!

☆てぇへんだ、てぇへんだ!!村上春樹の新作長編小説が発売するわ!!☆

 

今日から2月。

なんか2月って、寒いし短いし、あんま好きじゃないんすよね~。

気持ちが落ちるっていうか。

寒いし、短いし・・・。

 

ってな感じで目覚めたヒロ氏。

お布団の中でスマホイジイジからのツィッターオープン。

するとBIGニュースが!!

な、な、なんと・・・。

 

 

 

村上春樹の新作長編小説が4月13日に発売決定しました!!

 

 

 

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いやー、こいつぁ春(冬だけど)から縁起がいいや!!

そろそろかなとは思ってましたが、嬉しいっすね!!

春がめちゃくちゃ待ち遠しいですね!!

春よ来い!!

 

しかも原稿用紙1200枚で、めっちゃ長い感じっすね!!

『世界の終わりとハードボイルドワーンダーランド』が原稿用紙1300枚で、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が700枚らしいので、600ページ超えの長めの長編になると思います。

税込2970円とのことで、だいぶ分厚い1冊の小説になりそうですね~。

 

この長編に関してわかっていることをまとめます。

 

村上春樹の書き下ろし長編

○発売日は4月13日

○出版社は新潮社

○分量は原稿用紙1200枚

○1冊の長編小説

○値段は税込2970円

電子書籍も同時に配信

○アマゾンなどではすでに予約開始

○ヒロ氏は発売日に本屋にダッシュして購入する旨を表明

 

と、以上になります。

現時点では、内容も、タイトルすらも非公開です。

これは妄想がムラムラしすぎる、ムラムラ村上春樹状態と言っても過言ではないのではないでしょうか?

 

 

 

☆絶対に当たらない新作長編の内容予想☆

 

タイトルすらわからずに、ヒントは0の状態で、小説の内容を予想することは不可能なのですが、それでも語ってみたくなるのがファン心というもの。

これはもう予想ではなくて妄想なのですが、そんな時間すら楽しめてしまうのが村上春樹という作家なのですよ。

逆に予想の範囲内だったらガッカリするかもですし、予想を飛び越えて欲しいぐらいの勢いですね。

まぁ、そんなこんなで考察してみますよ?やれやれ。

 

ここでちょっと村上春樹敵温故知新してみます。

やっぱり、新しきを知ろうとするならば、古きを温めねばなりませぬ。

最近の長編小説でいうと・・・。

 

海辺のカフカ(初めて父親がガッツリ登場、少年と老人が主人公)

アフターダーク(3人称を使った初めての長編、女の子が主人公)

1Q84オウム真理教連合赤軍を彷彿とさせるような宗教団体、完全な異世界

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(タイトルが長い)

騎士団長殺し(夢を通じた受胎、序盤以外は閉じた環境、ある種の呪い)

 

まぁ、こんな感じで毎回そこそこ色んな新要素が盛り込まれたりしています。

近作2作では『色彩を持たない多崎つくる~』が三人称で実名ありで、『騎士団長殺し』が一人称で名前なしの「私」が主人公でしたので、まず主人公がどんな人物なのか?

一人称なのか、三人称なのか?

というところに注目が集まると思います。

 

ここは三人称で、主人公は60歳ぐらいの男性と予想します。

理由はやっぱまた三人称で書いてみるんちゃうんかいっていうのと、老境に差し掛かった川端康成的な「魔界」っぽい懺悔的な感じの物語をそろそろ書くんじゃないかなって予想するからです。

んー、でもまた女性の主人公とかの可能性もある気はしますが・・・。

hiro0706chang.hatenablog.com

hiro0706chang.hatenablog.com

 

『一人称単数』の『一人称単数』に出てくるなんかおどろおどろしいエピソード。

『女のいない男たち』の『木野』の蛇やら呪いっぽいアレ。

『騎士団殺し』のスバルフォレスターの男。

何か主人公を責め立てるような存在が近作では描かれているように思いますし、贖罪がひとつのテーマになって、人生の中で抱えてしまった罪と罰や、魔界が描かれるんじゃないかって気もしてます。

 

それと村上龍が、『MISSING 失われているもの』でとてもパーソナルかつ幻想的な作品を書いていて、村上春樹も最近のエッセイ『猫を棄てる』『職業としての小説家』などで、以前からしたら考えられないような自己開示を行っているので、作品にも何らかそういった老境に達した上での心境が語られるのではないかと思ったのも理由の一つですね。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

 

あと、時事ネタがどれぐらい盛り込まれるか。

作家きっての村上春樹好きの川上未映子は、『春はこわいもの』でコロナ前夜を描きましたが、村上春樹の新作では新型コロナウイルスは描かれるのでしょうか?

僕の予想ではコロナは触れられずに、東日本大震災のことに触れられるのではないかと思っています。

騎士団長殺し』のラストでも少し触れられてはいましたが、新作でガッツリ地震津波原発などの3.11のメタファーが盛り込まれた物語が描かれるのではないかと予想。

 

なぜ今、東日本大震災なのかについては、そもそもそういった事柄を物語に織り込むのに少し時間がかかる作家であるということであることが理由として挙げられます。

阪神淡路大震災を物語にした『神の子どもたちはみな踊る』は1995年に起こった地震を2000年に刊行した短編集に盛り込み、オウムの事件を盛り込んだ『1Q84』は2009年に刊行されたりと、その時代に起こった事件を盛り込むのにそれなりの消化時間を要する作家が村上春樹なのではないかと思うのです。

 

まぁ、全く当たる気はしませんが、妄想するのは自由なので発売までアレコレ妄想して楽しみます(笑)

待ちきれない。

 

 

 

☆絶対に当たらないタイトル予想☆

 

内容も皆目見当がつきませんが、タイトルとなるとさらに難解になります。

特に最近は変なタイトルばっかりですね。

騎士団長殺し』とか、「はぁぁ?」って思いましたね。

こうなればタイトルを当てるのなんて不可能に近いと思うのですが、まぁネタ的にちょっと妄想を膨らませてみます。

 

・世界の終わりと、海辺の森でつかまえて

 

・吾輩はイリオモテヤマネコである

 

・何もかもU2な夜に、僕とボノと時々オトン

 

 

村上春樹が僕のブログを読んで、「おいキズキ、ここはひどい世界だよ」って言っているかもしれません。

ちょ、ちょっとマジメに考えてみましょう。

 

こんにゃく畑でチェケラッチョ

 

・山羊をめぐる冒険

 

・カエルくん地球を救う

 

いや、無理無理無理!!

無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァッァァ!!!!!!

タイトルはマジで予測不能ですね。

まぁ、追加情報を楽しみにしましょう!!

 

hiro0706chang.hatenablog.com

 

 

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【映画】『夜のあぐら~姉と弟と私~』

1、作品の概要

 

2022年4月9日に放送されたスペシャルドラマ。

BS松竹東急開局記念に制作された。

主演が井上真央、姉役を尾野真千子、弟役を村上虹郎が演じた。

放送時間は120分。

2022年1月31日現在、アマゾンプライムビデオ、Huluなどで視聴可能。

原作は長嶋有の短編小説集『タンノイのエジンバラ』に収録されている『夜のあぐら』に『30歳』の話も盛り込んだ。

両親の離婚により離れ離れになった兄妹たちが父の死を機に遺産を取り戻すべく戦いを開始する。

 

 

 

2、あらすじ

 

両親の離婚によって仲良しだった3人兄妹の次女・秋子(井上真央)は、姉・春子(尾野真千子)と弟・雪雄(村上虹郎)と離れて母親と2人で遠く離れた土地で暮らすようになった。

大人になった秋子はピアノ講師をしていたが辞めてパチンコ屋で働き、春子は結婚して娘と夫と3人で暮らしていて、雪雄は実家で引きこもっていた。

再び集まった3人は、春子の提案で死を目前にした父の遺産を取り戻すべく戦うことになる。

そして、それぞれの状況で抱えている問題や、子供の頃から抱えていた想いが溢れ出しすが・・・。


www.youtube.com

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ

 

好きな俳優の村上虹郎が出演しているということで観てみました。

弟役ハマってんな~(笑)

アマゾンプライムビデオで観られたので映画だと思ってみてましたが、実はBS松竹東急の開局記念スペシャルドラマだったみたいですね。

 

 

 

4、感想(ネタバレあり)

 

3人の兄妹の関係が中心になっているドラマだったかと思いますが、秋子だけほかの兄弟と離れて暮らさざるを得なかったことで、彼女の中にわだかまりができていたのだと思います。

こんなふうに家族がバラバラになるって悲しいですね。

まぁ、父親が不倫しまくるのが悪いんだと思いますが(^_^;)

 

秋子の中でお気に入りだったピアノも手放さなければならなかったことも大きくて、父親に対して「欲しいものはないか」と言われた時にピアノのことを言いそうになりますが、言葉を飲み込んでしまいます。

切なすぎる・・・。

 

愛人から遺産を取り戻すべく、『キャッツ・アイ』のごとく実家に侵入する春子と秋子。

懐かしすぎる(笑)

ノリノリの2人ですが、最近の子にはわかんないネタでしょうね~。

って、アマゾンプライムビデオで『ルパン三世VSキャッツ・アイ』がやってるみたいですね~。


www.youtube.com

 

金庫を運び出そうと強引に事を進める春子に対して思いを爆発させて泣き出してしまう秋子。

そこに雪雄も現れて3人の想いが交錯します。

そして父親の死を経て食卓を囲む場面、ジャムにまつわるエピソードはほっこりでしたし、元妻と愛人が同じテーブルを囲んで和やかにパンを食べてるってなかなか不思議な感じのシーンでした。

 

家族の繋がりの形ってたくさんの形があって、離れていても、時間が流れても伝わるものってあるんだなって感じました。

 

 

 

5、終わりに

 

まぁ、結局秋子の父の勝手で家族がバラバラになってしまっているんですけど、最後は雨降って地固まるというか、父親の秘められた想いに気づかされるようなそんな結末だったかと思います。

秋子の母役の手塚理美、父の愛人・ミドリ役の南果歩もいい味出してましたね。

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【音楽】坂本龍一の新作『12』がリリース!!オススメのアルバムと曲について♪

坂本龍一のニューアルバム『12』について☆

 

2023年1月17日に、坂本龍一21枚目のアルバム『12』が発売されました。

前作『async』から6年ぶりのアルバムリリース。

ガンを患って闘病中の坂本龍一が手術後に長い入院を経ての退院後、自宅でシンセサイザーやピアノを触りながら、まるでスケッチをするように作り上げた12の音のスケッチ。

それが今作『12』であります。

 

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ジャケットデザインは、李 禹煥(Lee Ufan)っていう韓国のアーティストが描いた『遥かなるサウンド』という絵が使われています。

李 禹煥は直島で安藤忠雄とコラボで美術館も作っているみたいですね。

 

さて、今作の曲のタイトルは全て日付を表した数字で、「20210310」みたいに、2021年の3月から2022年3月までの12の音のスケッチをアルバムとして纏めています。

なにかとてもパーソナルでささやかな印象の音で、音の感じとしては『async』と通ずるものがあってアンビエントっぽいピアノ音楽って感じがするのですが、どこか荘厳でかつスケールの大きさを感じさせた『async』と比べて、とても慎ましくささやかな印象があります。

『async』が油絵で描いた宗教画だとしたら、『12』は近所の土手などの身近な風景を描いた水彩画みたいな感じでしょうか?

 

病気のこともあり、あとどれだけ彼が作り出す新しい音楽を聴くことができるのだろうと思うと、新作にこめた思いが伝わってくるようです。

YMO高橋幸宏さんも先日お亡くなりになりましたが、日本の音楽シーンを牽引したレジェンドの逝去は寂しいかぎりです。

 

 

 

☆好きな坂本龍一のアルバムとか☆

 

改めて調べてみるととんでもない数の名曲を生み出している教授こと坂本龍一

映画の音楽も『戦場のメリークリスマス』『ラスト・エンペラー』を始め数多くの作品に携わっていますね。

そんな中から僕がよく聴いている坂本龍一のアルバムを紹介します~。

 

まずは『1996』ですね。

コレは初期の代表曲をピアノ、ヴァイオリン、チェロで再編集したベスト盤的な内容です。

1996

1996

Amazon

 

『Music For Yohji Yamamoto Collection1995』もめっちゃ好きなアルバム、っていうか1曲で30分ぐらい弾いてるやつ。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

MORENBAUM2/SAKAMOTO『CASA』もめちゃくちゃ好きやねん。

教授のボサノバ。

 

何げに一番好きかもなのが『OUT OF NOISE』ですね。

ピアノとアンビエントの配分が絶妙です。

夜に1人で聴く感じの音楽。

 

教会でパイプオルガンを聴いてる感じの荘厳さがいいかんじの『async』も好きっす。

async

async

Amazon

 

 

 

☆最近公開されたこの動画に魂が震えました☆

 

教授の代表曲ですが、最近アップされたこの動画の演奏が、魂を絞り出して演奏している感じでもう涙が出そうになりました。

圧巻です。

それでは聴いてください。

坂本龍一で、『Merry Christamas Mr. Lawrence』


www.youtube.com

 

先日、NHKでも坂本龍一の特集がやっていましたが、見逃してしまいました(^_^;)

NHK+に登録するか検討中です。

 

 

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【写真】1月のスマホ写真部のお題!!&リアルにスマホを落としただけなのに・・・&スマホを買い替えて2倍になった、の3本です!!

スマホを買い替えたら2倍になった話☆

 

あれっすよ。

僕のスマホってiPhoneなんですけど、ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと、iPhone7を使っててもうボロボロでした。

なんか突然充電が0になったりとか、電源が落ちたりとか、だいぶこき使っている感じでしたね。

たぶん6年ぐらい使っていたのかな?

 

いや、でも別に使えてるからいいんじゃねとか思って限界まで使い倒す気でしたが、ついにiOSのアップデートに対応しなくなったりとかして、アップル社からも「いい加減買い替えろや!!この乞食がっ!!」っていう無言の圧力を感じるようになりました・・・。

おのれスティージョブズめっ!!

とか言いつつ、まともに使えなくなりそうだったのでついに買い替えを決意したのが1年前の出来事でした。

それ以来、岸田総理バリに検討に検討を重ねて異次元のスマホ機種変更を検討した遣唐使だったのですが、なんかスマホの値段も高騰したりとかなんやかんやして、余計に買い替えのタイミングを逃してしまっていました。

いや、さっさと買い替えておけば・・・(^_^;)

 

そんなこんなでめんどくさいってのもあり買い替えしてなかったのですが、いよいよスマホがお亡くなりになりそうな感じがしたので、泣く泣く買い替えを決意。

人間で言うと、サチュレーションが酸素なしで90%切って、血圧が90~70/50~40ぐらいで、意識朦朧、経口からの水分摂取はほぼなく、主治医からは「2~3日中かと・・・」とか言われるレベルでした。

 

ありがとうiPhone7!!

さようならiPhone7!!

と、涙ながらに愛機を手放し、やってきたのはiPhone14(フォーティーン)でした。

7から14。

実に2倍の進化ですよ!!

ちなみにソフバンで対応してくれたお兄さんが「iPhoneフォーティーンが・・・」ってドヤ顔で言っていたのが印象的でした。

いや、「iPhoneじゅうよん」って言えやっ!!ってちょっとイラっときましたが、まぁそれはどっちでもいいんです。

そんなわけで、2倍になったワイのスマホがこちらです!!

 

 

 

 

ドーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

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☆リアルスマホを落としただけなのに・・・☆

 

あれは、10年前のことだったでしょうか?

僕の人生の中で最も泥酔し、記憶をなくしまくっていた時期。

週1ぐらいのペースで夜な夜な街に繰り出し、「夜は墓場で運動会」よろしく深夜まで泥酔運動会。

3~4時まで深酒して、バーやクラブをハシゴしてタクシーで帰る日々。

 

翌日はトイレとお友達。

便器と熱い抱擁。

デビル・リヴァース(悪魔の嘔吐)を繰り返す僕の姿は悪魔そのものだったと思います。

チェンソーマン的に言うと、さしずめ「泥酔の悪魔」といったところだったでしょうか?

いや、めっちゃ弱そう。

 

この頃、初めてスマホを購入したのですが。

一度、人生最大の酷い泥酔をやらかし。

失くしてしまいました・・・。

その時に失くしたもの・・・。

財布・・・。

家の鍵・・・。

保険証・・・。

免許証・・・。

キャッシュカード・・・。

クレジットカード・・・。

スマホ・・・。

記憶・・・。

奥様からの信用・・・。

 

この時にゴッホが僕の絵を描いたとしたら、「何もかも失くした男」というタイトルになったことでしょう・・・。

まさにボロボロでした。

泥酔してボロボロになる男・・・。

いや、なんで年末にこんな話してるんだろ・・・。

 

しかし、悲劇はこれで終わりませんでした・・・。

運命の神は更なる試練を僕に与えました・・・。

なんと、失くして買い替えたスマホを・・・。

泥酔した末に・・・。

また。

スマホを落としてしまったのです・・・。

神はなぜ僕にこのような過酷な試練を・・・。

(今、紅白歌合戦では鈴木雅之は『違うそうじゃない』を歌っています)

スマホを落としただけなのに・・・。

続編が作られるとしたら主人公は僕でしょうか・・・?

副題は『戦慄する泥酔者とポリス』になるのでしょうか?

ポリスのお世話にならなかっただけよしとすべきでしょうか?

 

奥様からは「首から下げとけやっ!!」と罵倒されました。

ヒロ家最大の危機が訪れました・・・。

スマホを落としただけなのに・・・。

スマホを2回落としただけなのに・・・。

 

あらゆる手を尽くして、探しましたがスマホは見つからず。

3日ほど経った頃だったでしょうか・・・。

僕の脳内に失くしたはずの記憶が電撃的に蘇りました。

人間の脳に関してはまだまだ謎が多いですが、奇跡のように消失した記憶が僕の脳内に蘇ったのも、そういった謎が多い脳が起こした奇跡だったのでしょうか?

 

僕の脳内に蘇ったのは、タクシーの運転手に間違えた住所を伝えて、どっかのマンションで降ろされて、雨の中で生垣に座って佇む場面でした。

いや、不審者やん!!

マンションの住民に通報されなくて良かったな!!

前世の記憶とか蘇ったぐらいの衝撃の中、一縷の望みが生まれました・・・。

もしかしたら。

あの生垣に、落としたんじゃないのか?

 

僕はそのマンションの生垣へ向かいました。

もう3日も経っているし、まさか・・・。

そう思いましたが、希望はそのマンションの生垣にしか存在しませんでした。

僕は祈りました。

神に、世界に、マンションの生垣に・・・。

 

かくして。

そのマンションの生垣に。

僕のスマホがありました。

あれは僕の人生に起こった中で最大の奇跡でした。

スマホを落としただけなのに

スマホを見つけただけなのに。

この世界は奇跡に満ちていて。

神は僕たちを突き落としもするし、救いもします。

僕は、スマホを生垣から拾い上げると家を目指して走り出しました!!

「イエス!!イエス!!」

ガッツポーズを繰り返しながら走る僕は不審者そのものでした。

そして、家に帰って僕が真っ先にしたことは・・・。

スマホの充電だった、ことは間違いなかったでしょう。

smartphonephoto.hatenablog.com

 

 

 

☆1月のスマホ写真部のお題『パワースナップをスマホに収めました』☆

 

僕が所属しているはてなスマホ写真部の1月のお題は『パワースナップをスマホに収めました』でした!!

こちらの記事の内容はリンクを貼っておきます!!

はてなブログをされている皆さんは、お気軽に入部よろしくです♪

めっちゃアクティブに活動している部活なので楽しいっすよ!!

smartphonephoto.hatenablog.com

 

そんなわけで、パワーアップしたマイスマホでバシバシ写真を撮りまくりたいです!!

f:id:hiro0706chang:20230129173431j:image

 

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【映画】『ディオールと私』~クリスチャン・ディオールの新デザイナーのラフ・シモンズが初のファッションショーを開催するまでのドキュメンタリー~

1、作品の概要

 

ディオールと私』は2015年に公開されたフランスの映画。

2012年に世界的なブランド「クリスチャン・ディオール」のデザイナーに就任したラフ・シモンズがショーを開催するまでの8週間を描いたドキュメンタリー映画

監督はフレデリック・チェン。

上映時間は90分。



 

2、あらすじ

 

2012年、クリスチャン・ディオールの新デザイナーに就任したラフ・シモンズ。

それほど有名でなかった彼がディオールのデザイナーに迎えられたのは意外に思われた。

彼が自身初のオートチュクール・コレクションを発表するショーまでわずか8週間。

ラフ・シモンズとディオールの新しい挑戦が始まる・・・。


www.youtube.com

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ

 

はてなブログのオシャレ番長ことmiyakoさん!!

そんな彼女が先日この『ディオールと私』の記事をアップしていて、アマゾンプライムで視聴可能だということで観てみました。

www.421miyako.com

 

miyakoさんは、ツィッターで自身のコーディネートを載せているほどのオシャレっぷり!!

まぁ、僕もシゲル・ミズキとか、ヨージ・ヤマダ的なファッションを好むオシャレ泥棒からのおしゃれ童子なので、この映画は観なきゃハドソン!!ってなりました。

90分って尺も、この日の映画観たいけど、長くて重いのはむり~~~って気分にもジャストフィットでした。

 

 

 

4、感想

 

ディオールがどうやって立ち上がった創始者のエピソードが語られた後に、ベルギー人の新鋭デザイナーのラフ・シモンズがクリスチャン・ディオールのデザイナーに就任したことからこの映画は始まります。

ディオールともなると、注目度も高くこの人選はメディアにとって意外性をもって受け入れられます。

ヨージ・ヤマモトと、ヨージ・ヤマダを間違えたり、ポール・スミスポール・マッカートニーを間違えたりしている僕には理解できない世界ですぅ・・・。

パリやロンドンではやはりファッションの注目度は高いんでしょうね。

 

世界的なファッション・ブランドのクリスチャン・ディオールですが、そのデザインと品質を支えているのは長らく勤めているおばちゃんスタッフたち。

このおばちゃんたちの技術が凄くてラフ・シモンズよりおばちゃんたちになんとなく感情移入していました。

がんばれおばちゃん!!

 

ラフ・シモンズと現場のおばちゃんたちの仲介をしていたのはラフの右腕のピーター・ムリエでした。

彼は人あしらいが上手なタイプで、アーティスティックで時には現場に無茶を言うラフとおばちゃんたちの間に立ち、いい緩衝役となります。

そうそう、いい仕事をするにはこういうバランサータイプの人材って不可欠なんだよね~。

ピーターはゲイらしい繊細な感性で(賛辞です)空気を読みまくり、短い期間で現場の空気を読みながらも、ラフのイマジネーションを形にしていく下地を作っていきます。

うん、この作品でMVPをあげるとしたら間違いなくピーター・ムリエやなぁ。

彼がいなかったら、このショーの仕事もピーター・ムリめだったでしょう。

いい仕事をする上で必要な役目のバランサー役。

いなくなると存在の大きさを実感したりするんですよね~。

 

ショーの直前の感じとか、全然レベルは違うんだろうけど、高校の文化祭とか思い出しちゃったりして(笑)

前日にシャンパン開けたりとか、だんだん一体感が出てきて、すげーキツイんですけどビッグイベントに向けてみんながひとつになっていく感じがめっちゃ良かったです♪

 

当日のショーは生花を飾りまくりのめちゃくちゃ華麗な演出。

いや、お金かかってんな~(笑)

でもそれだけのインパクトをメディアに与えたのではないでしょうか?

ラフにも、他のスタッフにも大きなプレッシャーが伴うショーでしたが、結果は大成功だったのでしょう。

 

 

 

5、終わりに

 

なかなか興味深い内容でした。

普段は縁遠いファッションの世界を垣間見えて新鮮でしたね~。

これを機に、僕もファッションセンスを磨きたいですね!!

 

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【サッカー】W杯後の日本人サッカー選手の活躍がエゴすぎんだろっ!?ヨーロッパを席巻する日本人たち&期待の若手選手の紹介!!そして、俺の中のかいぶつが目覚める・・・。

☆エゴすぎる!!エグすぎる!!エモすぎる!!三苫!!久保!!遠藤!!古橋!!菅原!!上月!!☆

 

いやいやいやういやいやいやいや~~~~~!!

凄すぎですね!!クソアツいッス!!

えっ、外は氷点下ですって?

いや、僕の心は常夏マイハートですよ!!

発狂イン・ザ・ハウス?

泥酔イン・ザ・ハウス?

 

いいえ?

ヨーロッパで戦う日本人選手たちの活躍が僕のハートを滾らせているのですよ!!

いや、こんだけ複数の日本人選手たちがヨーロッパで活躍しているのはちょっと記憶にないですね。

 

ワールドカップの躍進をそのまま持ち込んでいる気がします。

ワールドカップの勢いをそのままクラブチームに持ち込んでプレミアリーグを震撼させている三苫を筆頭に、遠藤も再開初戦で豪快なミドルを決めてベストイレブン選出。

不完全燃焼だった久保も先日ゴラッソを決め。

ワールドカップの代表に選ばれなかった古橋、菅原も大活躍。

ドイツ5部の下部チームからシャルケのトップ契約を勝ち取った上月は初戦で先発デビューからのゴールを決め。

なんかもう、あちらこちらでケチャップドバドバでございます。

レアル・ソシエダの公式さんにゴール後のユニフォーム脱ぎをイジられる久保選手!!スーパーサイヤ人かっ!!

 

もうヨーロッパのクラブで試合に出て満足する時代は終わっていかにクラブの中軸になって、リーグでもトップの選手に登り詰めてビッグクラブへと移籍するかを探る時代へとなってきましたね。

まぁ、いまだにビッグクラブで主軸としてコンスタントに活躍できた選手はいないので、中堅クラブでも長く主力として活躍してくれるだけでめっちゃ凄いんですけどね。

 

 

 

☆まずはなんといっても三苫がミトマールしてる件☆

 

3年前まで大学生で。

格安の移籍金4億円。

プレミアリーグではルーキー。

東京オリンピック代表ではサブで、ワールドカップでもサブで、北島三郎もビックリなサブちゃんだった三苫が只今プレミアリーグで絶賛無双中です。

プレミアリーグと言えば、地球上で最もレベルが高いリーグです。

ワールドカップより遥かに上のレベルで、三苫は強豪チームのディフェンスを切り裂き、印象的なゴールを決めています。

いや、凄すぎやろ!!


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久保もソシエダで主力として定着し、先日はいいゴールを決めました!!

ソシエダでイキイキと輝いていて、チームも連勝していて現在3位の好順位なのでこのまま頑張って欲しいですね!!


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シュツットガルトでキャプテンの遠藤もゴラッソを決め、安定の活躍。

上月も台頭してきて、堂安、鎌田も存在感を示していて引き続きブンデスリーガの日本人選手たちの活躍も楽しみですね~。

 

 

 

☆欧州で戦う期待の若手日本人選手たち!!☆

 

Jリーグで無双して、日本代表選手になって、海外に渡っていたのは過去の話。

若くして海外移籍する日本人選手が増えてきました。

そんな若き日本人選手の中で僕のイチオシは菅原選手です。

ってか、ワールドカップの代表に選ばれなかったのがなんで?って選手です(^_^;)

オランダリーグのAZで右サイドバックの不動のレギュラーとして躍動しています。

直近の試合では1ゴール2アシストというインパクトある結果を残してます。

FWかっ!!


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1ヶ月前に高校選手権を戦っていた福田師王選手は1月からドイツのボルシアMGの選手としてしのぎを削ります。

当面はセカンドチームですが、成長に期待したいですね!!


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サガン鳥栖の福井大智もバイエルンへ完全移籍!!

トップチームにまで上り詰めることができるか?


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スペインではピピこと中井選手がレアルマドリードの下部組織で奮闘中。

高身長・イケメン・テクニシャンと3拍子揃った選手。

レアルBではほぼ出場機会がなく苦しんでいる印象ですが果たして・・・。


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☆パリ五輪代表、U20ワールドカップ。アンダー世代の日本代表に期待!!☆

 

いや、もう来年はパリ五輪ですわ。

東京五輪が延期になったためもあってすぐに開催する印象ですね。

 

そんなパリ五輪サッカー日本代表

五輪サッカーは3人のオーバーエイジ以外は23歳以下の選手で構成されますが、実は久保選手もこの時点で23歳以下で出場可能だったりします。

いや、反則やろ(笑)

まぁ、まだわかりませんが。

例えばオーバーエイジを使ってこんな布陣も可能です。

 

     福田

 

三苫   久保   伊東

 

   中井   松木

 

高橋  冨安  アンリ  半田

 

     鈴木彩

 

 

いや、エグいっすね。

メダル狙えるんちゃうん?

赤色はオーバーエイジの選手です。

 

 

今年開催のU20ワールドカップも楽しみですね!!

まずは3月のアジアの戦いを勝ち抜かねば!!

 

そんなわけで今後の日本人サッカー選手の活躍が楽しみです!!

 

 

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【本】村上春樹『スプートニクの恋人』~広大な宇宙空間ですれ違う二つの彗星~

1、作品の概要

 

スプートニクの恋人』は、1999年4月に村上春樹の長編小説。

講談社より刊行された。

書き下ろし。

単行本で310ページ。

すみれに恋する「ぼく」と、すみれが劇的に恋に落ちたミュウとの奇妙なトライアングルの物語。

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2、あらすじ

 

「ぼく」が想いを寄せるすみれは、ある時「平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋」に落ちた。

すみれの初恋の相手は、既婚女性のミュウ。

ミュウはすみれを自分の事務所で働かせて、小説を書くこと以外に興味がないすみれを変えてしまう。

「ぼく」はすみれに想いを告げぬまま彼女の支えになり、他のガールフレンドたちと体の関係を結んでいた。

ミュウの仕事の関係で、ヨーロッパへと旅立ったすみれ。

「ぼく」はギリシャからミュウの国際電話を受けて、すみれのみに起こった異変を知り、彼女の危機を救うべくギリシャへと旅立つ。

あちら側とこちら側、すみれの恋の行方、ミュウの過去・・・。

全てが交わる時、2人の想いは繋がっていく。

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ

 

村上春樹の作品ほぼ全てに言えることだけど、何度も再読している好きな作品です。

ノルウェイの森』などの例外を除けば片想いと、三角関係(と言ってしまうと世俗的で嫌なのだけど便宜上こう言う)を取り扱った作品で、少し奇妙だけどリリカルな話だと思います。

人工衛星スプートニクになぞらえた描写が何度も出てきますが、とてもロマンティックですね。

しかし、同時に広大な宇宙空間をたった1機で航行していく様が想像され、ゾッとするような孤独を感じさせられるような作品でもありました。

 

 

 

4、感想・書評(ネタバレあり)

 ①すみれが落ちた激しい恋

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。

数ある小説の中でもこれだけ印象的で鮮烈な序文はそうはないと思いますし、「それがすべてのものごとが始まった場所であり、(ほとんど)すべてのものごとが終わった場所だった」とありますが、読み終えてみるとまさにこの序文のとおりの物語であったことがわかります。

 

この物語の主人公は22歳のすみれ?と思うところですが、「ぼく」が語る一人称の物語であります。

しかし、紛れもなくこの物語の中心にはすみれという強烈なキャラクターがいて、物語はすみれの「平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋」で始まり、終わります。

 

作家志望で、オシャレなんかには無頓着で、男性との恋愛経験もなく、ぶっきらぼうなすみれ。

村上春樹の小説には数多くの魅力的かつ個性的なキャラクターがうじゃうじゃ出てきますが、すみれはその中でも異彩を放つどぎつい個性を持っています。

それならすみれを主人公にすればよさそうなものですが、そんなすみれのキャラクターをより鮮烈に見せるためにも、どこかクールな「僕」を主人公にして彼の視点から物語を語らせる必要があったのでしょう。

 

すみれが初めて恋に落ちたのは、17歳年上の既婚者の女性で、まぁ突っ込みどころが満載なのですが、すみれは初めての恋に夢中になります。

初めて2人が出会った時の会話で、ミュウが文学の「ブートニク」と、ソ連が打ち上げた人工衛星スプートニク」を間違えたことで、すみれはミュウのことを秘密裏に「スプートニクの恋人」と呼ぶようになります。

ミュウは、すみれが自分に対して恋愛感情を抱いているとは夢にも思わず自分の事務所ですみれを働かせるようになりますが、すみれがスペイン語が得意だったこともあり、輸入のワインなどを取り扱うミュウの仕事を大きく助けます。

 

そして、電話もない古くて狭いアパートに住んで、男の子のような格好をしていたすみれを変えてしまいます。

いやー、やっぱり好きな人に求められると変わっちゃいますよねぇ。

時には自分の大事なものや、フィロソフィーみたいなものを手放してもいいぐらいに。

恋した相手が求める姿になれるなら、自らを捧げたいと思うのではないでしょうか?

それが初恋で、「平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋」なら尚更でしょう。

 

「ぼく」はもちろんすみれに恋をしていて、彼女のほとんど唯一と言っていい友人であり、彼女から「スプートニクの恋人」のことを繰り返し聞かされます。

こういうのって、まぁ精神的な拷問みたいなもんですよねぇ。。

でも「ぼく」は冷静に対応し、すみれの傍に居続けます。

まぁ、「ガールフレンド」もいて肉体関係ありまくりだったので、ストイックとは言えないのかもしれませんが・・・。

 

本来の自分を捨ててまで、全てを捧げて誰かに恋焦がれること。

それは、とても危険なことだと思いますし、その恋の激しさと喪失の悲しみがゆえに、すみれはギリシャの島で忽然と姿を消してしまうことになったのだと思います。

 

②「ぼく」の立ち位置とすみれとの関係

主人公のはずでが、どこかすみれを引き立てるような感じがするのが今作の主人公の「ぼく」です。

どこか冷静な「ぼく」はすみれを引き立てる存在のように描かれていて、ひっそりと彼女に寄り添っているような印象が強いです。

彼にとってすみれは、(たとえ夜中の3時に電話でたたき起こされても)なくてはならない存在で、想いを寄せていますがきっと恋愛対象に自分はならないだろうという諦めから、彼女に思いを告げることはしません。

 

女性の読者の方は、とか言いつつ他の女性と寝ていることで彼を批判するかもしれませんし、それはもっともなご意見ですが、それでも「ぼく」のうちに秘めた恋心は広大な宇宙空間で孤独に航行するスプートニクのようであったのだと思います。

ガールフレンドと寝ても結局心は遠くにあって。

自分が本当に親密な関係を築けて、魂の奥深いところで何かを分かち合えるのはすみれしかいないと感じていたのではないでしょうか?

ぼくとすみれは顔を合わせればいつも長い時間をかけて語りあった。どれだけ語り合っても、飽きることがなかった。飽きることがなかったぼくらはそのへんにいるどんな恋人たちよりも熱心に親密に会話を交わした。小説について、世界について、風景について、言葉について。

 

他の作品の主人公は何かを取り戻すためにあちら側の世界に行って、わけのわからない冒険をしたりしますが、「ぼく」はあちら側の世界に1歩足を踏み入れながら恐怖を感じて、「壁を抜けること」を拒否してしまいます。

他の作品の主人公も頼りなく、時には女性のキャラクターがその犠牲になってしまったり、手を汚したりしますが、「ぼく」はさらに存在が希薄で、ギリシャまですみれのために駆けつけたのは良かったですが、結局あと一歩が踏み込めずに日本に戻ってきてしまいます。

まぁ、あそこで「ぼく」があちら側に足を踏み入れたら確実に1冊では終わらないですが(笑)

 

正直このまま結ばれないラストなのかな、と思いましたが最後はすみれも「ぼく」の存在の大切さを認識して、お互いに結ばれるようなハッピーエンドでした。

「今どこにいる?」

(略)

「ここに迎えにきて」

このラストの会話って『ノルウェイの森』のラストシーンを彷彿とさせますね。

あの場面では、ワタナベが電話ボックスで緑に電話をして、「どこにいるの」と問われて自分がどこにいるのか答えられない(自らの存在、立ち位置を見失っていることの隠喩?)のだけれど、すみれは自分のいる慣れ親しんだ場所を把握していて、「迎えにきて」と「ぼく」に伝えます。

すみれは、何かを通過して自分を、自分の立ち位置をしっかりと見つめ直すことができたのでしょう?

そのすえに「ぼく」の存在のかけがえのなさに気づくことができたのだと思います。

 

③ミュウと彼女の奇妙な体験

「ぼく」とすみれ、そしてミュウの不思議なトライアングル。

「ぼく」はすみれに恋をしていて、すみれはミュウに恋をしています。

それで、ミュウは?

彼女の魂の核のようなものは過去にすでに失われしまっていて、誰も愛することはできなくなってしまっていました。

性欲と髪の色とともに彼女の中の大事なものは過去の衝撃的な事件とともに失われてしまっていたのです。

 

でもそれでも彼女は魅力的な女性/人間であったのだと思います。

とても洗練されていて、知的で、チャーミングで・・・。

すみれが運命的な恋に落ちたのも不思議はないのかもしれません。

 

ミュウが遊園地の観覧車から目にした自らのドッペルケンガーは何を意味しているのでしょうか?

あのエピソードは村上春樹の小説の中でも特に異彩を放つ奇妙なエピソードですし、何かしら深い意味を帯びているように思います。

ドッペルケンガーと言えば真っ先に思いつくのが芥川龍之介『歯車』です。

あの小説では直接は自らのドッペルケンガーと会いませんでしたが、周囲の人々が見たという自らの複製の存在に芥川は死を予感します。

彼は精神的な疾患を患っていたのでそのまま事実と捉えることはできませんが、もう一人の自分を目にする、またはその存在を感じることはとても異常ですし、なにかとても大事なものを自分の中から失う予兆とも言えるのではないかと思います。

オカルトマニアがっ、とか言われてしまいそうですが(^_^;)

 

しかし、そのようにしてミュウは自分の中にあったいくつかの核を失ってしまうことになります。

それでも十分に彼女は魅力的で、朽ち果ててしまったギリシャの神殿みたいに荘厳で崇高な存在であったのですけど。

もしかしたら、すみれはそのようにミュウが失った欠落に反応したのではないでしょうか?

ハイエナが死臭に敏感に反応するみたいに。

 

すみれが自分の物語を描くために求めていたなにか。

どこかで何かの首を切るような呪術的な行為。

それは欠落や喪失とも繋がっているもので、そんな死臭をかすかに漂わせるミュウに本能的に反応したとか言うと考えすぎでしょうか?

 

ミュウとぼく。

この不思議なトライアングルの最後のピースの穏やかな感じがとても好きです。

恋じゃないけど、限りなくそれに近くて穏やかなもの。

穏やかな春の昼下がりのように凪いだ海を眺めるような穏やかで緩やかな繋がり。

でも、ミュウが口にするように2人は2度と会うことはなかったのだと思います。

ノルウェイの森』のワタナベとレイコさんの繋がりをなんとなく思い出しました。

 

④あちら側とこちら側、すみれはそこで何を見たのか?

スプートニクの恋人』で村上作品の中で特異な点は、ヒロインであるすみれがあちら側の世界に行って、何かしらの経験をして帰ってくるところだと思います。

ねじまき鳥クロニクル』でワタヤノボルを現実世界で殺すのはクミコだったり、1Q84で手を汚すのは青豆だったりすることで、何かと批判を浴びる村上春樹の物語の主人公たちですが、そういう視点で言うとこの物語の「ぼく」はあちら側に行くことすらしなかったヘタレ野郎だということになりますね(笑)

主人公がである「ぼく」はあちら側へ行くのを踏みとどまり、すみれだけあちら側に行ってこちら側に帰ってくる・・・。

そのことは何を意味しているのでしょうか?

 

こちら側の世界とあちら側世界というのは『スプートニクの恋人』で繰り返し言及されているテーマだと思います。

すみれは、小説家として足りない何かを手に入れるためにあちら側に行って何かの喉を切ることが求められていました。

僕は小説家ではないのでよくわかりませんが、そういった呪術的な贄のようなものが、多くの人を魅了するような物語には必要なのかもしれません。

「小説を書くのも、それに似ている。骨をいっぱい集めてきてどんな立派な門を作っても、それだけでは生きた小説にはならない。物語というのはある意味では、この世のものではないんだ。本当の物語にはこっち側とあっち側を結びつけるための、呪術的な洗礼が必要とされる」

 

すみれはあちら側の世界で何を見たのか?

どのようにしてこちら側に生還したのか?

詳細は一切語られませんが、どこかで何かの喉を切って、こちら側に帰還したのでしょう。

 

あちら側で起こったことが物語の核になりうるような重要な出来事であるはずなのにあえてその部分は描かれずに、主人公が完全な傍観者であるということも『スプートニクの恋人』の大きな特徴だと思います。

とても好きな作品のひとつですが、冷静に考えてこれだけ主人公が蚊帳の外に置かれている村上春樹の作品も珍しいのではないでしょうか?

 

「ぼく」も、すみれも、ミュウもそれぞれが広大な宇宙空間を航行する孤独な宇宙船でしたが、最後に「ぼく」とすみれは温かに交じり合うことができたのだと思います。

 

 

 

5、終わりに

 

5回目ぐらいの再読でしょうか?

たぶん。

即買いはしてなくて文庫本(のその中古)で買いましたが、大学生の時にリアタイで刊行されて本屋に並んでいるところをみた作品です。

村上春樹自身も「どこか頼りない作品」みたいなことを何かで言っていた気がしましたし、実際にそんなふうに感じるところもありますが、とても好きな作品ですし、「ぼく」とすみれの関係性がとても好きです。

 

長くないほうの長編(1冊で終わる長編)って、実は村上春樹の作品にとって中途半端な長さなのかなと思うこともありますが、それはそれで何か余白が多い物語が作られているように思って好きです。

最新作の『一人称単数』が短編小説集だったので、次は書き下ろしの長くないほうの長編が刊行される番でしょうか?

まだ発表はありませんが、また「スプートニクの恋人」のような作品が読めることを楽しみに報せを待ちたいです。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

 

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