1、作品の概要
『ハウス・オブ・グッチ』は2021年に公開されたアメリカの映画。
監督はリドリー・スコット。
レディー・ガガ、アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、アル・パチーノらが出演。
上映時間157分。
世界的なフッションブランド『GUCCI』を経営する一族の内紛を描いた。
2、あらすじ
世界的なファッションブランド「GUCCI」の経営はマウリツィオ（アダム・ドライバー）の父・ロドルフォ（ジェレミー・アイアンズ）と叔父・アルド（アル・パチーノ）が握っていたが、彼自身は法律の仕事を志しており経営には興味がなかった。
しかし、パトリツィア（レディー・ガガ）と恋に落ちて結婚してから野心家の彼女に触発されるようにGUCCIの経営権を掌握することに前向きになっていく。
GUCCIの全てを手に入れるためにアルドやパオロでさえも、陥れようとするマウリツィオとパトリツィアだったが、やがて2人の関係にも亀裂が入り始める・・・。
3、この作品に対する思い入れ
以前、映画館でポスターを見かけてから気になっていたこの映画。
ストーリーもGUCCIのお家騒動を描いたもので、普段からGUCCIを愛用してない僕にとって楽しみな作品でした。
以前、nonoさんもブログで紹介されていましたが、リドリー・スコット監督良いですね～。
『最後の決闘裁判』も面白そうですね。
『エイリアン』『ブレードランナー』で有名な監督ですが、『グラディエーター』もスケール大きくてめっちゃ良かったですよ！！
4、感想（ネタバレあり）
『アリー/スター誕生』で主演のアリーを務めてアカデミー主演女優賞にもノミネートされ、彼女の演技力は高く評価されていました。
サントラも良くて、作中では歌唱シーンも多かったです。
ただ『ハウス・オブ・グッチ』では女優に徹していて、主題歌も手がけていませんでしたが、演技はより洗練されていて、スクリーンの中での存在感もハンパなかったです。
MVで小芝居していることも多かったですし、カメラで撮られることに慣れているので、そういう面では演じるということに関して元々全くの素人ではなかったのでしょう。
ガガ自身がイタリア系アメリカ人ということで、イタリア人の役を演じるのにピッタリでしたし、エキセントリックな悪女役はハマり役だったかもしれません。
実在のパトリツィアの写真を見てもだいぶイメージが近い感じでした。
アダム・ドライバーの演技も印象的で、初めはシャイで真面目な好青年で、欲もない人物でしたが、パトリツィアの影響と権力と金の魔力に踊らされて変貌してしまうマウリツィオをとても巧みに演じていたと思います。
終盤は冷淡で、権力欲とプライドの塊のような男に・・・。
父親と絶縁してまでパトリツィアと結婚して、彼女の運送会社で泥にまみれていた素朴な彼はどこにもいませんでした。
物語の中で十数年ほどの時間が流れていたかと思いますが、年齢による変化もメイクなどでうまく表現されていましたね。
爽やかな若者で、無邪気に愛し合っていたマウリツィオとパトリツィアが罵り合うようになる姿をみるのは辛いものがありましたが、人ってこんなに変わってしまうんだなって思いましたし、そんな2人のやり取りも緊張感があってスリリングでした。
最終的にマウリツィオの殺害を企てるパトリツィアですが、最初から彼女が悪女だったわけでもなく、その野心的で上昇志向の強い性格と、彼への強い愛情と執着が彼女を悪いほうへと変えてしまったのでしょう。
最初に変貌してパトリツィアに対して冷淡な態度を取って追い詰めてしまったマウリツィオにも非はあったのかもしれませんね。
権力や金は人の目をくらまして変貌させてしまう。
悲しいことですが、GUCCIの内紛はそんな事実を僕たちに改めて教えてくれたのかもしれません。
5、終わりに
ファッションブランドのGUCCIを題材にした映画だけあって登場人物の着る衣装や、きらびやかなファッション・ショーの模様は眼福でございました。
作中で流れるレトロなディスコミュージックもイイ感じでしたね～。
そういうスタイリッシュさと、権力闘争のドロドロが鮮やかなコントラストを描き出していました。
それにしても、レディー・ガガの演技は良かったです。
俳優としての活動も良いけど、本業の音楽活動も頑張って欲しいですね！！
前作『クロマティカ』が原点回帰の傑作で、アリアナ・グランデとの『Rain on me』も大ヒットだったガガ。
次のアルバムも早く聞いてみたいです。
