1、作品の概要
『ナポレオン』はアメリカとイギリス合作の伝記映画。
2023年11月22日に全米公開、同年12月1日に日本で公開された。
監督は『グラディエーター』『ハウス・オブ・グッチ』などのリドリー・スコット。
主演のナポレオン役を『ジョーカー』などのホアキン・フェニックスが務めた。
フランスの歴史的英雄であるナポレオン・ボナパルトの半生を描く。
2、あらすじ
1789年、フランス革命にて民衆の怒りは爆発し、マリー・アントワネットもギロチンで斬首刑に処された。
フランスの統治は王侯貴族ではなく民衆の手によってされるようになったが、政治的混乱は続き、トゥーロンはイギリス軍の攻撃を受け占領されていた。
ナポレオン・ボナパルト(ホアキン・フェニックス)は、トゥーロン奪還を命じられて見事にこの任務を遂行。
あっという間に将軍の地位にまで登り詰める。
そして類まれなる美貌を持つジョゼフィーヌと恋に落ち、夫婦となる。
英雄と崇められるナポレオンは次々に戦火を挙げ、やがて皇帝へと登り詰めるが・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
ナポレオンをホアキン・フェニックスが演じ、監督がリドリー・スコット。
もうこの時点で劇場でナポレオンの激情を観るのはマストでした。
「下町のナポレオン」と呼ばれていたヒロ氏としては、観に行かざるを得ませんでした。(いいちこかよ)
ラッセルが苦労する名作『グラディエーター』以来タッグを組んだ2人。
あの時ホアキン・フェニックスが演じたのは悪役の皇帝・コンモドゥスでしたが、狂気を感じさせる演技はとても印象的でした。
『ナポレオン』も期待に違わぬ素晴らしい作品でした。
4、感想(ネタバレあり)
ナポレオンの伝記映画ではありますが、彼の栄光と転落を描きながらも、妻・ジョゼフィーヌとの激しい愛と憎しみが中軸に描かれています。
まぁ、このジョゼフィーヌがだいぶビッチよりなキャラでナポレオンを誘惑し、自分の虜にしながら、遠征中に来る手紙には返事を書かないわ、留守中に不倫するわやりたい放題。
エジプト遠征中に妻の不倫(フツーに自分の家に男を連れ込みananしてた)を知り、戦争を部下に任せてフランスに帰国しちゃうナポレオン。
いやいやいや(笑)
それはアカンでしょうが。
そんでぐちゃぐちゃのドロドロしますが、それでも結婚生活は続いていく不思議。
ホアキン・フェニックス演じるナポレオンも、相当な奇人として描かれていて、どこに行くにもほぼ軍服を着ていて、パーティーにも軍服を着て出席。
楽しんだり、羽目を外すのが苦手なタイプというかなんというか、ちょっと変な人として描かれていたように思います。
しかし、戦争はめっぽう強く、皇帝にまで上り詰めて圧倒的なカリスマ性でフランスを統治したのだからやはり大したものです。
権力を手にするたびに、その毒と魔力で何かが変質し、腐っていく。
英雄だったナポレオンが権力に毒されて驕り高ぶり、大きな過ちを犯してしまうのでした。
それは子供を身籠らないジョゼフィーヌとの結婚を解消して、離婚したことも大きな要因だったのでしょうか?
彼女の「あなたが私がいなければあなたはただの男」という言葉が呪いのようにナポレオンに突き刺さります。
ナポレオンは、政略結婚でオーストリアの王族を妻に娶り、ついに世継ぎも誕生しますが、足繫く別居したジョゼフィーヌのもとへ通います。
いや、アカンやろ(笑)
ってゆうか、どんだけ執着してんだよって感じでしたが、それだけ2人が離れがたく結びついていた証左なのでしょうか。
死したのちも、ナポレオンが自分のところに来るのを待ちわびるようなナレーションが挿入されており、いやもうどんだけやねんっていう結びつきの強さを感じました。
流刑の後もフランスに舞い戻り再び戦地に赴きますが、敗走し再び島流しへ。
戦いの天才はその才も鈍らせて、最後は辺境の島で最後を迎えます。
あの世でジョゼフィーヌと幸せになれたのでしょうか?
5、終わりに
リドリー・スコット監督は、人間の愛憎劇のドロドロを描くのが上手な監督な気がします。
いや、そんないっぱい観たことないんすけどね。
『ナポレオン』も随分とナポレオンとジョゼフィーヌの愛憎劇にスポットが当てられていました。
歴史的な英雄もやはり人間。
どれだけ偉大になろうとも、偉業を成しえようとも、卑小な欲望や執着から逃れられない。
そんな感情を翻訳すると愛と憎しみになるのかもしれない。
そんなことを感じさせらえた映画でした。
戦争のシーンも迫力満点で、やはり劇場で観て良かったなと思いましたね。
特に砲撃のシーンがド迫力!!
ナポレオンが持つ二面性と同じように、2つの顔を持つ映画だったように思いました。
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