1、作品の概要
2021年10月に公開された。
脚本・監督は原田眞人、主演は岡田准一。柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明らが出演している。
2、あらすじ
バラガキとして地元で喧嘩に明け暮れていた後の新選組副長・土方歳三。
尊王攘夷か、開国かで日本全体が激しく揺れ動き、徳川幕府の安寧の時代も終わりを告げようとしていた。
そんな幕末の動乱のさなかに会津藩が組織した治安組織ーのちの新選組ーの中に土方を始め、近藤勇、沖田総司らの姿があった。
新選組は京の治安を乱す者たちを次々に葬り、池田屋事件のおいては過激思想を持った長州藩の藩士達を一網打尽にする戦果をあげた。
しかし薩長同盟が結ばれ、時代のうねりは開国に向かって動き始めるのだった・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
司馬遼太郎『燃えよ剣』は未読でしたが、昔から「新選組」は好きで、ってか昭和生まれの日本男児で新選組嫌いな奴いるぅ?いねぇよなぁぁぁ?ってうっかりマイキーと化してしまうぐらいに好きでした。
漫画とか、映画にも何度も使われていて、『修羅の刻』とか『るろうに剣心』でも登場していますね。
松田龍平の衝撃的デビューが話題になりましたね。
『燃えよ剣』が54年ぶりに映画化。
そんでキャストも超豪華で以前から気になっていた映画でした。
岡田准一はなんか好きな俳優です。
ファブルも良かったですしね。
あと、推しの村上虹郎がチョイ役で出ていました。
4、感想
バラガキと呼ばれていた悪童時代から士道を極めんと思うあまりに「鬼」と化していく過程はとても興味深いものでした。
彼が作った新選組の規律「御法度」はとても厳しいもので、沖田からも「厳しすぎなんじゃないですか?」と言われるほど。
お魚やあるまいし、そんな簡単に腹を切って開いてええんどすえ?
って、怪しげな京都弁が飛び出すぐらいのハラキリっぷり。
土方なりに隊が大きくなっていき、世間的に認知されることで規律が緩み、隊として目指す何かを見失ってしまうような危機感からのことであったかと思います。
そして、そのような嫌われ役を担うのは隊長の近藤勇ではなく、副長の自分であるべきという想いもあったのでしょう。
組織にとっては父性(厳しさ)と母性(優しさ)を持った役割の人間が必要だと言いますが、土方が父性で、近藤が母性だったのかもしれませんね。
超硬派な彼の生き方は、その時代消えかけていた武士そのもので、時代の流れに抗うように武士道を貫いた生き様が眩しいです。
お雪との恋愛の場面も微笑ましかったですね。
バラガキ時代の奔放さが影を潜めて、大人の奥ゆかしさを感じました。
わずか6年間だけ日本が激しく揺れ動いた幕末に彗星のごとく現れて伝説的存在になった新選組。
この国の歴史の中でも様々なものが揺れ動いた一番熱い時代。
古い価値観と新しい価値観がせめぎ合う中で、この国の男子として忘れてはならない魂の在り処。
命懸けで誰よりも真摯にそれを示したのが土方歳三という男であったのだとこの映画を観て思いました。
5、終わりに
いやー、原作も読んでみたくなりました。
歴史小説は読んでないですが、元々歴史好きですし。
やっぱり幕末はアツいっすね。
会津武士道とか。
「ならぬものは、ならぬのです」っていう文言がとてつもなく好きですね。
この国に男として生まれることの意味。
侍の末裔であることの誇り。
背筋が伸びるような心持ちが致しました。
ちなみに僕は高校生時代に居合道もやっていたりしました(๑≧౪≦)
あと、高橋ツトム『士道』を思い出しました。
そんなにヒットした漫画ではないけど、同じく幕末の動乱の中を生きる侍を描いた話です。
「お逝きなさい」の『スカイハイ』の作者です。
何げに好きな漫画家さんですね。
やっぱり男は侍だぜ!!
って、アツくなってますが。
まずはぽちゃっとしてきたお腹を引っ込めるべくトレーニングせねばですね~。