ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

【サッカー】東京オリンピック U24日本VSU24南アフリカ!!

さぁさぁ、やってきました東京五輪!!

U24サッカー男子代表の初戦、南アフリカ戦です。

南アフリカ代表に選手2人が新型コロナウィルスに感染してしまい、試合自体の開催も危ぶまれていました。

6時間前のPCR検査で問題がなく、無事に開催しました。

 

日本はなぜかCBの冨安がメンバー外で欠場。。

直前での怪我ですか?

アナウンスはありませんでしたが、板倉が穴を埋めました。

 

日本のスタメンは、1トップに林、中盤は右から堂安、久保、三好、ボランチに遠藤、田中。

DFは右から酒井、吉田、板倉、中山、GKに谷。

三好の起用は意外でしたが、コンディションが良かったんでしょうね。

日本は、いつもの4-2-3-1。

南アフリカは、4-5-1。

 

キックオフから守備的な南アフリカに日本はショートパスを繋ぎながら攻め込みます。

序盤は久保、堂安、酒井のA代表トリオのコンビネーションで攻め込みます。

1分堂安のスルーから久保が絡んで酒井のクロス。

この3人のクオリティと連携はやはり武器ですね。

 

4分、林プレスからボールを奪いFKを誘います。久保のシュートは逸れますが、日本は奪われたあとのプレスが鋭く前線からのプレスバックも効いています。

南アフリカは1トップ以外ベタ引きですねぇ(^_^;)

圧倒的にボールを支配して攻め込む日本ですが、なかなかゴールできません。

別に前線の動きが悪いわけではないのですが、ちょっと大事にいきすぎていて、ミドルシュートなどの思い切ったシュートがありませんでした。

でも、堂安、久保、三好のアタッカー3人は流動的にポジションを替えながらチャンスを伺います。

動きにもキレがあります。

1トップの林も強化試合から引き続いて良いプレイをしていて、ポストプレイ、プレス、裏に抜け出す飛び出しなど脅威で有り続けました。

中山、岡崎の系譜を受け継ぐ泥臭いプレイヤーですね。

 

押し込みながらも得点できない日本。

ジャッジにも惑わされて、フラストレーションが溜まっていきます。

いや、南アフリカどんだけ大げさやねん(笑)

んで、どんだけ審判騙されてんねん。

まぁ、アウェーだからしょうがないよね・・・って、バリバリホームの自国開催やんけ!!

審判に金握らせんかい!!

 

いや、日本って国はとてもクリーンな国であることが証明されましたね(笑)

グループリーグの組み分けも、開催国なのに死のグループだし。。

 

前半終了間際、南アフリカがラインを押し上げて、少し攻撃的に。

したたかなチームですね。。

失点したら終わりです。

 

後半開始、両チーム交代なし。

日本は、多分ロングボールと、ミドルシュートアタッキングサードでのワンタッチプレイが指示されたんだと思います。

大事に行き過ぎた前半より、ダイナミックな攻撃が増えて、後半開始直後に吉田からのロングボールで林が抜け出すビッグチャンスを得ます。

47分、田中、久保、堂安、久保シュートしますが枠を外れる。

ワンタッチが多くなり、よりスピーディーな攻撃へ。

59分三好がミドルシュート

その後に交代、三好アウト相馬イン。

日本に焦りが見え始めます。

 

自国開催での初戦。

決して悪い内容ではないのですが、ちょっと大事に行き過ぎていてダイナミックさに欠けた攻撃になっています。

しかし、迎えた70分。

左サイドの田中からのサイドチェンジを、PA内でジダンクラスの神トラップを決める久保建英

タテに行くか、それとも切り込むか。

相手のDFは久保の超絶トラップの前に思考がフリーズ。

鋭く切り込んで左足を強振した久保のシュートはファーサイドに吸い込まれていきました。

ゴーーーーーール!!!!!!!!!!!!!!!!

いや、叫びました。

「おえげるみぼなばえべるおとえいじおいじじj@い」って叫びました。

それだけフラストレーションと呪縛を振り払う一発。

正に価千金のゴールでした!!

さすがタケ!!


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その後は南アフリカが攻め込みますが、日本が何とかいなしてタイムアップ!!

いやー、ギリギリでしたがなんとか勝利しましたねぇ。。

メキシコが、フランスに4-1で大勝してるしもっとゴールしたいところでしたが、勝てたので良かった!!

正直ホッとしました。

次節のメキシコ戦はグループリーグ天王山の一戦になりそうですね。

最低でも引き分けたいですね。

 

まぁ、初戦の硬さも少しあったかと思いますし、少し大事にいきすぎた南アフリカ戦。

とにかく勝ててよかったです。

やっぱり初戦は大事ですしね。

優勝候補が初戦で負けて、そのまま敗退とかよくある話なんでね~。

 

怪我でコンディションがあがっていない上田、三苫あたりがコンディションあがりながらグループリーグを勝ち抜けたら良いですね。

冨安の欠場は気になりますが・・・。

次戦、25日も期待したいですね!!

 

 

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【雑記・お題】7月6日に生まれて・・・。お誕生日会はインドの結婚式。

☆44歳になりました!!昔描いていた40代と違いすぎる件についての釈明☆

 

いっやー、44歳になってしまいましたわぁ~。

7月6日が誕生日でした。

ゾロ目っすわぁ~。

もうちょいでアラフィフになっちゃいますねぇ。

はえ~な~(。・ ω<)ゞ

 

浜田省吾ばりに「19のままさ」とか歌って、尾崎豊のように自由になれた気がした「15の夜」とか言っていたい44の夜ですが、まぁいつまでもそういうわけにもいかないのでしょうね。

盗んだタイツで走り出したらきっと捕まってしまって変態仮面とか言われてしまう世知辛い世の中ですよ・・・。

 

まことにこの世の時の流れは「光陰矢の如し」ですねぇ。

気付いたら死んでそうですね。

マジで。

 

まぁ、悔いなく生きられるように自分らしく生きるしかないっすね!!

北斗の拳』のラオウみたいに「我が生涯に一片の悔いなし!!」とか言って死ねたらカッコイイだろうなぁ・・・。


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しかしですよ。

昔、イメージした44歳ってこんなんじゃなかったなぁ(笑)

わけわかんないブログ書いて、漫画の動画貼りつけたりとかしてるとは30年前に想像もしなかったですよ。

 

よもや!!よもや!!だ!!元神童として不甲斐なし!!穴があったら・・・、入りたいっ!!

って、某炎の柱のなんたらさんみたいなことを言ってしまいそうですねぇ(笑)

いや、こういうとこやで!!

 

40歳超えたら漫画なんか読まずに、毎日新聞読んで、ビール飲みながら、野球観て、犬飼ってとかそんな感じのイメージを抱いていたたyo♪

でも、全然違うne♪

イメージ通りなのはビール飲んでるとこだけだyo♪

40歳超えても、クラブdeテキーラキメてるとは思わなかったyo♪

ジャンプ漫画de熱くなってるとは思わなかったyo♪

息子と一緒にアニメ観て、呪術廻戦ごっことかしてるとは思わなかったyo♪

 

んー、まぁ時代の流れもあるんですかね?

昔の40代と今の40代は違いますからねぇ・・・。

別に奇をてらっているわけではないですが、昔漠然と想像していた40代からは光の速さでかけ離れて行っていて、元々地味キャラのはずなのに年を経るごとに珍種扱いされていっているような気がしますねぇ・・・。

まぁ、上等だぜ!!

どうせこちとらレアポケモン!!

独創的にいきませう!!

別に普通に生きているだけなんですけどね!!

ってか、そもそも誰からどう見られようが関係ないMY LIFE!!

これからも自分的に普通に生きていくことを誓います!!

FUCK同調圧力!!

普通なんぼのモンジャァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

リスペクト村田沙耶香ぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

愛媛県のお誕生日会はインドの結婚式みたいにするんですよ?☆

 

って、何の話してたんだっけかねぇ?

みたいになっちゃうこの昨今ですが、いかがお過ごしでしょうか?

ああ、はいお誕生日の話ですねぇ。

誕生日といえば、お誕生日会ですね!!

あなたのお誕生日会はどんなお誕生日会でしたか?

僕のお誕生日会は一言で言えば・・・。

「インドの結婚式」でした☆

 

インドの結婚式とは?

とにかく派手で長くて、フィナーレは街中の人を巻き込んでする結婚式。

いや、一部間違った情報もあるかもですが、そうやって僕は聞きました(๑≧౪≦)

子供の頃の僕のお誕生日会はそんな感じで、僕の友達が呼んでもない奴を勝手に連れてきたり、そのへんに歩いてたやつをテキトーに誘ったりして、リアルガチ・インドの結婚式でしたよ!!

踊りだしてたら完璧でしたね(笑)

 

まぁ、田舎のお誕生日会ですから、庭にゴザ敷いてカレーが鍋でドンと置いてあって、スイカ切って置いてあとはなんだか盛り上がってましたね!!

んで、フィナーレが花火!!

大体、土曜日にやっていましたが、みんなで花火を持ち寄って有り得ないくらい盛大に花火を飛ばしまくってました!!

ってか、段々誕生日プレゼントが花火ってやつが増えて、僕の手元には何も残らないっていう悲しい現象が・・・。

まぁ、楽しいからいいでしょ!!

SHANTI!!

 

お誕生日会の非日常感と盛り上がり感が、僕のパリピ人生のベースになったことは間違いないでしょうね。

今考えると、カレーともらったスイカで成立しているお誕生日会ってめちゃくちゃローコストでさすがケチなウチの母親だと思います(笑)

大人数で分けるケーキはめちゃくちゃ薄かったですがなぁ!!

 

 

☆現在のお誕生日会事情☆

 

だもんで。

僕が子供の頃はお誕生日会が全盛期だったもんで。

長男が幼稚園に入って、5~6歳になった時にヒロパパはテンションMAXで長男のお誕生日会を企画し始めました。

 

まずはシャンパンを開けて、料理は子供が好きそうなハンバーグとか肉料理をたくさんつくって、あとやっぱり寿司だろうね~。

ケーキは10号ぐらいのデカめのやつを頼んで、子供達が好きなアニメの曲をたくさんかけて・・・。

たくさん呼んで盛大に祝いたいなぁ~。

 

とか、夢を膨らましていたヒロパパの妄想は妻の「えっ、やんないよ?」の一言で打ち砕かれます。

えっ、なんでやんないの?

お誕生日会だよ?

やるでしょフツウ?

イッツパーリータイムだよ?

インドの結婚式だよ?

 

って、脳内がハテナだらけな、はてなブログになった僕の脳みそでしたが、まぁ最近はお誕生日会はやらないことのほうが多いみたいですね。。

誰を呼ぶかとか、プレゼントのチョイスがとか、ママ間で色々問題が起きやすいとのことでして・・・。

「お誕生日会やりたい!!」って、ゴネました。

ワイ、ゴネました。

しかし、敢え無く説き伏せられてお友達を呼んでのお誕生日会は今日までついぞ開催したことはありません。

やりたいこともやれないこんな世の中じゃポイズンですよね。

反町隆史もビックリなこの昨今ですが、致し方ありません。

 

まぁ、次男がパリピっぽいんで、10年後ぐらいにクラブとかで盛大にお誕生日会をやってパパのDJで息子がダンスして一緒にテキーラをキメるよくあるお誕生日会をできたらいいなと思っています☆

 

 

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【映画】花束みたいな恋をした~等身大の優しいラブストーリー~

1、作品の概要

 

2021年1月公開の恋愛映画。

菅田将暉有村架純が主演。

坂本裕二の書き下ろし脚本。

『カルテット』『罪の声』などの土井裕泰監督作品。 

 

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2、あらすじ

 

終電を逃したことで偶然出会った山音麦(菅田将暉)と、八谷絹(有村架純)は映画や本、音楽などの趣味が似通っていることで意気投合してやがて付き合うようになる。

お互いに就職活動を控えた大学生だったが、フリーターをしながら同棲生活を始める2人。

ずっと一緒にいたい、そんな2人の気持ちがやがてすれ違っていく・・・。

2人の5年間の物語。


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3、この作品に対する思い入れ

 

以前から、いろんな人がこの映画をオススメしていて、気になっていました。

映画館で観たかったのだけれど、職場のコロナ対策の規定もあり映画館には行けず。。

ブルーレイのレンタル開始を待って家で観ましたが、評判通り素敵な映画でした。


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4、感想・書評(ネタバレまくり注意)

①ひそやかな偶然に彩られた2人の出会い

運命というほどじゃないけど、偶然が積み重なって出会いお互いのサブカル色の強い趣味がお互いを引き合わせる・・・。

あー、なんかこういう出会いもあるかもって。

劇的じゃないけど、ちょっとした偶然が集まって自然に惹かれ合っていく感じが良いですねぇ。

 

お互いそんなに派手に遊ぶタイプじゃなくて、本・映画・音楽が好きで驚くほど趣味が似ていて、靴も同じスニーカーで、行けなかった同じライブのチケットを持っていて。

いや、もう恋愛フラグ立ちまくりっしょやぁぁぁぁ!!!!

ワッショイ!!

 

読んでる本の交換とか、めっちゃ憧れるなぁ。

一つのイヤホンで音楽を聴いたりとか。

説教されてたけど(笑)

僕もちょいサブカル男子でしたが、なぜかあんまり趣味がどストライクな相手とお付き合いしたことはなかったですね。

20代前半で、これだけ同じ感性を持った相手と、運命を感じさせられるような出会いをしたら恋に落ちちゃいますよね!!

 

告白して、初めてのキス、初めてのエッチからの同棲開始とか、序盤はこれでもかとキラキラエピソードが連発ですね!!

押井守を見かけて(なんと本人出演w)テンション上がったり、今村夏子の小説で盛り上がったり(芥川賞受賞前)、ゴールデンカムイとかサブカルネタ連発でそっちの意味でも面白かったですね♪

 

同棲を始めたマンションも多摩川沿いの眺めの良い部屋で、ネコを拾ったり、お気に入りのパン屋さんを見つけたり、コーヒーを飲みながら土手沿いを散歩したりと、多分この辺りが幸せのピークだったんでしょうね。

まるで無人島で2人きりで生活しているかのような麦と絹でしたが、いつまでもモラトリアム期間は続きません。

少しずつ歯車がずれ始めて、不協和音を奏でるようになります。

 

②こんなに近づいたのに遠くなっていく

この映画はカメラワークとか映像でも綺麗なシーンが多かったですが、中盤あたり2人で旅行に行って海ではしゃぎながら写真を撮るシーンの海と空の青と光がすごく印象的でした。

絹が語る恋愛の話、「恋が生まれて成就した瞬間から死に向かっていく」みたいな話も行く先を暗示しているかのように意味深でしたね。

急にいなくなった麦に動揺する絹。

彼は、売り切れ直前だったというしらす丼を持って笑顔で戻ってきますが、絹は不安感から麦の態度に怒りを覚えています。

でも、麦は絹の不安感と怒りに気付きません。

些細なことかもしれませんが、何か象徴的なシーンだったように思います。

 

イラストレーターとしての仕事をしたいと、ネットの挿絵の仕事などを細々とイラストを書いていた麦でしたが、絹の両親から就職して社会に出る意義を説かれたり、自身の父親から仕送りを止めることを通告されたりして、きちんと就職することを決意します。

全ては、絹と今までどおりに一緒にいるため。

麦は好きな漫画やゲームもする気がなくなるほど仕事に没頭して高い収入を得るようになりますが、絹のために頑張れば頑張るほど2人はすれ違っていくのがとても悲しかったし、でも経済力がなければずっと絹と一緒にいられないからそのために頑張っている気持ちもすごくよくわかりました。

 

今までと変わらずに一緒にいるためにずっと変わらずにいる絹と、そのために変容していく麦・・・。

もちろん、社会に出ていく為に絹も資格を取ったり、就職活動をしたり、夢ばかりみてたわけじゃないけど、イベント会社に就職したいみたいにやっぱり根本は自分の感性を大事にしていて楽しいことを追いかけているんでしょう。

それが悪いとは言えないはずですが、がむしゃらで必死に働いている麦からしたら違和感を感じたのでしょう。

おそろいだった2つの白いスニーカーと対比させるように、玄関先に大人になった2人の別々の靴が映し出されます。

 

でも、30~40歳ぐらいの方が観てたら「あるある!!わかるわ~」ってなったんじゃないでしょうか?

やっぱり社会に出るって大きな変化だし、急速に価値観に変化が出て、お互いに余裕がなくて感情をぶつけ合ったりすれ違ったりすることもありがちではあったように思います。

序盤でキラキラした恋愛、ピッタリな二人をこれでもかと描いておきながら、中盤以降でえげつないぐらいにすれ違わせていくのはなかなかにキツい演出でしたが・・・。

 

大学時代から社会に出て行くまでのいわゆるモラトリアム期間を描いて、その狭間で揺れる動く心情を描いたのもこの映画においてのテーマなのだと思います。

サブカルチャーの存在は2人にとってアイデンティティーであり、自らの空白を埋めるためのにすがる何かだったのでしょう。

そういったモラトリアム期間に培ったものを捨てて社会に出ていくのか、それとも抱えて生きていくのか・・・。

別に答えなんてないと思いますが、2人に生まれたギャップはそういったことだったのかなとも思います。

mynavi-job20s.jp

 

③胸いっぱいの想い出を抱えたその両手に

 付き合って一緒にいた4年間。

友人の結婚式のあと、2人は思い出のファミレスで別れ話をします。

麦は別れ話をしながら、「やっぱり別れたくない。結婚しよう。お互い愛し合ってなくて空気みたいな存在でもいい。それが普通だから。家族になろう」と言います。

 

少し前のプロポーズの場面でもありましたが、麦にとって好きだから結婚するとか一緒にいたいというより、男としての責任とかあるべき態度を取るみたいな姿勢にいつしか変化していっていたのでしょう。

でも、絹はあくまで「麦との恋」について悩んでいたのですし、この瞬間に麦が自分のことをもう愛していないことを、2人の恋が死んだことを痛感したのではないでしょうか?

 

そして、あの日の2人のような初々しい男女が、以前2人が付き合う前に座っていたあの席に座ってまるで2人のやり取りをなぞったような初々しいやり取りを見せます。

いや、エグいエグいって、ホンマ!! 

かつては恋だったものがどのように変容してしまったのかを痛感させられます。

 

思わず、店を出て肩を震わせて号泣する絹。

もう何もかも終わってしまった。

麦がどれだけ抱きしめても2人の恋は戻りませんでした。

 

別れると決まってからすぐに出て行くのも難しく、色々と実務的なやり取りをしながらも昔みたいに楽しくのびのびと過ごす麦と絹。

なんか逆にリアリティがあるなと感じましたし、小さな偶然はあってもとてつもない激動や運命的な何かがあるわけでもないこの物語に相応しいと思いました。

そういった普遍性が、遠い昔に置き忘れた宝箱のような思い出を蘇らせるような気がします。

 

サニーデイ・サービスの『LOVE ALBUM』に収録の 『胸いっぱい』という曲が大好きなのですが、この映画はまさにその歌の情景を思い出させました。

一緒に暮らしていた2人が別れることになったけど、最後は昔みたいに楽しくお別れしよう・・・、みたいな曲で明るい曲調で別れを描いている曲です。

いや、なんかピッタリだなぁ・・・。


www.youtube.com

 

別れた後に偶然カフェで再会する麦と絹。

冒頭の場面はここにつながっていたんですね!!

ファミレスで薀蓄された1時間もしっかり2人の中に根付いていました(笑)

付き合っていたのは4年間だったのになぜ「5年間の物語」と銘打っていたのか?

最後の最後で謎が解けました。

お互いが後ろ向きに手を挙げて、そんな仕草までピッタリだった2人は別々の方向に歩き出します。

 

ラストシーンで、グーグルマップで多摩川の土手に在りし日の2人の姿を見つけた麦は満面の笑みを浮かべていました。

お互いの幸せを祈りながら別れた2人。

例えば20年後、懐かしく思い出す古いアルバムのような大切な記憶がこの5年の日々なのかもしれません。

花束みたいな恋。

それは作中で写真に撮られていたマーガレットみたいに、可憐でひそやかな恋愛だったのでしょう。

 

 

5、終わりに

 

いやー、とても良い映画でした!!

いつかもう一度観てみたいですね♪

 運命的な出会いから、悲劇的なラストが待ち受けているようなドラマティックな映画ではなくて、等身大の普遍的なラブストーリー。

なにか親しみや共感が湧くような映画だったと思います。

 

過去の温かい記憶って、何かの拍子に励ましになったり、懐かしく思い出されたりする大事なものだと思います。

麦と絹の物語はそんな古くて温かい記憶を呼び覚ますような、記憶に語りかけてくるような優しい物語であったのだと思います。

 

 

 

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【はてなインターネット文学賞】「わたしとインターネット」~中田英寿と村上龍。インターネットに見た個人がメディアになる時代の予感~

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

 

 

☆サッカー界のスーパースター・中田英寿VSマスコミ☆

 

時は、1997年。

日本サッカーはジョホールバルにて、なんとかW杯の切符をもぎ取りました。

最終予選の途中での監督解任。

格下の相手に取りこぼしながら、なんとかグループ2位を確保。

ギリギリの状況でのイラン戦で延長までもつれこんでの3-2の勝利。

その歴史的な名勝負でピッチ上で最も輝いた選手は当時20歳だった中田英寿でした。

 

初めてのW杯出場。

突如現れた若きスーパースター。

ピッチ上で年上の選手たちにも物怖じせず指示して時には声を荒げる異端とも言える中田にメディアは食いつきました。

ただ、ワールドクラスに達しようとする若きアスリートに対して、当時のメディアの姿勢はあまりに稚拙でした。

 

当時の野球のインタビューでもよくありましたが「今日どうでしたか?」みたいなザックリした質問・・・。

予定調和とも言うべき選手の受け答え。

スポーツがグローバルなものになっていなかった非常に日本的な現象だったと思います。

世界を相手に戦い、そこを舞台にプロとして戦っていた中田にとって当時のメディアはプロフェッショナルとして物足りなかったのではないでしょう。

www.excite.co.jp

 

1998年に入り、初のW杯に向けてメディアの報道は加熱。

中田は日本の若きエース、ファッションや言動なども取り上げられて若い世代のアイコンとして注目されました。

過度のプレッシャーにさらされた中田はストレスのあまり蕁麻疹が出たり、コンディションを崩したりしました。

また、以前から自分の言動がメディアに都合よく取り上げられて面白おかしく報道されていたことに違和感を感じていた中田は自分のホームページを立ち上げて、自分の言葉で自分のことを語ることに決めたのでした。

「nakata.net」と題されたホームページではメディアには語らない素の中田英寿の姿が綴られていました。

1998年と言えばまだまだインターネットは黎明期で、電話回線を使ってキュルキュルいって使うごとに料金を取られていた時代。

ネットを使うときも、パソコンに向かって「さぁ、これからインターネットを使うぞ!!」みたいにインターネットを使うのは日常的ではない時代であったと思います。

そんな時代にインターネットを使ってメディアを介さずにファンや世間の人々との交流を試みたのが中田英寿という若き天才アスリートでした。

 

 

 

村上龍が示した憂鬱な希望としてのインターネット☆

 

そんな天才的な若きフットボーラーと懇意にしていたのが、『限りなく透明に近いブルー』で群像新人賞芥川賞をダブル受賞して『コインロッカー・ベイビーズ』などセンセーショナルな作品を創作していた村上龍

ちなみに僕が当時一番好きなサッカー選手が中田英寿で、一番好きな作家が村上龍でした!!

いや、この2人の交流にはとても興奮しましたし、なにか新しい時代の幕開けのようにも感じていました。

 

個人的には村上龍の作品は『イン ザ・ミソスープ』が一番好きで、この頃の龍が一番脂がのっていると思っています。

なんというか「時代のアイコン」とも言える存在で時代を象徴するような小説・エッセイと書いていました。

その頃に書いたエッセイのタイトルが『憂鬱な希望としてのインターネット』で未来を予見するようなエッセイでした。

って、未読ですが(笑)

 

インターネットは2000年代に入って、急速に人々の生活に入り込み、大きく変化させていきました。

例えば、物流や販売がその最たるもので、ネット販売が普及し本屋のような店鋪がどんどん潰れていっています。

スマートフォンの普及に伴ってさらにインターネットは生活に欠かせないものとなり、IOT、ICTなどの概念も広まりネットが常に繋がっているのが当たり前の状況にさえなってきました。

 

中田英寿村上龍は、そんなインターネットの黎明期に自らのホームページを通してダイレクトにファン達と繋がろうと試みたのだと思います。

この時期に中田英寿村上龍の対談集と交わしたメールを書籍にした『文体とパスの精度』という本が出版されましたが、昔で言う往復書簡集がEメールになっているという点が新しいですね(笑)

この時期の中田のホームページの日記にもよく村上龍が登場し、2人が一緒に旅行した時のプライベートショットなんかも掲載されていてテンション上がりました!!

 

 

☆個人がメディアになり、レベルの低いメディアは駆逐される?☆

 

中田英寿の登場によって、マスメディアの世界に一石が投じられて、波紋が広がっていきました。

あれから20年以上の時が流れて、スポーツジャーナリストの中にもワールドスタンダードな記事を書ける方が増えてきているように思います。

『Number』などレベルの高い雑誌や、Webコンテンツも増えてきました。

 

TVに関しても民放のスポーツ番組のレベルは相変わらず微妙ですが、スカパーなどのCS、DAZNなどのWebコンテンツのレベルは解説者、実況のレベルが上がったこともあり質が高いものになってきました。

サッカーだけではなく、テニス、野球、ゴルフなどの分野でも世界的なトッププレイヤーが増えてきているので、必然的にマスコミのレベルも少しずつ上がっていくのではないでしょうか?

 

ホームページ→ブログ→SNSYouTubeといった変遷を辿り、今後はますます力を持った個人がメディアとして情報を発信してお金が集まる時代になっていきます。

TVが一人勝ちだった時代も終わりを告げ、ネット広告にお金をかける流れになってきているように思います。

 

中田英寿は20年以上前にマスコミに対して反旗を翻し、時代に先駆けて自らがメディアとなって自分の言葉で情報を発信。

自分の言葉が捻じ曲げて伝えられるメディアに対しての不信感が発端でしたが、時代を先取りした試みで、そのうちインターネットを介して個人がメディアとなると言っていた中田の予言が現代において成就しているように思います。

 芸能人、アスリート、アーティスト、一般人もSNSYouTubeを介してそれぞれがメディアとして情報を発信しています。

 

今後もきっとこういう流れは加速していき、広告料などの経済の流れさえも変えていくのでしょう。

インターネットが急速に普及した20年。

これからの20年でインターネットは社会と人々にどのような変化をもたらすのでしょうか?

願わくば、コロナ禍で加速したように思えるその変化が、人類にとって福音となるように願っています。

 

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【サッカー】目指せ金メダル!!U24日本代表VSU24スペイン代表!!

☆史上最強メンバー!!サッカーで金メダルゲットだぜ!!☆

 

なんだかゴタゴタ続きでモヤモヤしたまま開催されそうな東京オリンピックですが、もう来週開幕ですね!!

早いな~。

できれば高揚感とともに迎えたかった母国開催のビックイベントですが、コロナのゴタゴタで複雑な気持ちですが、選手たちは頑張っているし、ここまで来たら素直に応援したいですね!!

もちろんパブリックビューイングとかはやめて自宅のTV観戦で盛り上がりますよ♪

 

オリンピックで一番楽しみなのは何といってもサッカーですね!!

以前のブログにも書きましたが、今回の五輪代表は間違いなく歴代最強のメンバー。

サッカーは年齢制限があり、基本のメンバーはU23の23歳以下(今年は1年延期したためU24)で構成されますが、オーバーエイジで23歳以上のメンバーも3人まで加えることができます。

 

今回の日本は吉田、酒井、遠藤のA代表の主力を加えて本気のメンバーで来ました。

A代表主力CBの冨安、堂安、久保もいて歴代最強のドリームチームとも言うべきメンバーが揃いました!!

バックラインは普段A代表でやっているメンバーで連携も取れていますし、安定感抜群ですね!!

オーバーエイジは右SBの酒井でなはくて、FWの大迫が入ると思っていましたが、DFラインを固めにきた酒井の選出もありだと思います。

正直1トップの人材は微妙ですが、2列目の堂安、久保も絶好調ですし、それ以外のメンバーも三好、相馬、三苫と多士済々です。

 

サイドバックの菅原が落選したのはちょっと残念でしたが、今回のメンバーはそれだけレベルが高いということでしょう。

期待が高まります。

 

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☆オリンピック直前!!U24日本代表VSU24☆

 

そして昨日は金メダル候補と目されるスペインとの強化試合。

本番直前のガチンコの試合でした。

スペインはEUROを戦っていたこともあり、ようやくベストメンバーが揃ったものの選手のコンディションにはバラつきもあり、調整を兼ねた一戦でしたがそれでも強さの片鱗を見せていました。

 

今回のスペインは、フランスなどが所属クラブの拒否で選手をなかなか集められなかったのと対照的にバリバリのベストメンバーを集めてます。

しかも、先のEUROで主力として戦ったメンバーが多数。

オリンピックのサッカーはヨーロッパの国はそれほど本気で戦わなかったりしますが、今回のスペインはガチ中のガチ。

バルサの至宝18歳のペドリを始め、リーガでバリバリに主力で戦っている選手たちが多いです。

 

前半、 ボールを支配して攻め込むスペインでしたが、日本のバックラインも安定していて、そう簡単にゴールを割らせません。

日本は、押し込まれながらもカウンターでフィニッシュまで持ち込むシーンも少しずつ出初めていました。

この日、精力的に動いて左に流れながら仕掛けることが多かった久保のドリブルからグラウンダーでマイナスの折り返しに堂安が左足でダイレクトシュート!!

ゴール!!

堂安は絶好調ですね♪

 

後半は、調整の意味もあり日本が7人のメンバーを入れ替えてスペインにペースを握り続けられます。

33分にプアドのゴールで1点を返されますが、同点のまま試合終了。

短い時間でしたが、ペドリのスルーパスの精度はヤバかったです(>_<)

 

日本の収穫は攻撃の核である堂安と久保が好調を維持していて、スペイン相手にも結果を残せたこと。

1トップの林がポストプレイなど持ち味をみせたこと。

旗手を1列前で起用したり、ボランチの組み合わせを試したり、前田を右サイドで使ったり、上田がケガから復帰して久々に出場できたなどのことがありました。

 

課題は、ショートカウンターで最後まで攻めきれずに相手に帰陣されてしまったり、バックラインで上手くボールを回せずに危険を招いてしまったりしたことでしょうか?

まぁ、高いレベルの相手でしたかわからないこともあると思うので課題が出て良かったと思います。

 


www.youtube.com

 

 

 

☆22日は初戦南アフリカ戦!!☆

 

日本は、グループAで南アフリカ、メキシコ、フランスと2位通過をかけて戦うことになります。

いや、まぁまぁ死のグループですね(>_<)

ただ、ベストメンバーをほとんど招集できずにOAもポンコツなフランスはそれほど怖くないかも?

また、高温多湿な7月の日本の気候は大会を戦う上で日本に有利に働くと思います。

 

www.goal.com

 

コロナや、EURO、南米選手権との日程の兼ね合いで欧州、南米の準備がなかなか難しかったことも日本に有利なファクターだと思います。

クラブ側も招集拒否することができるので、例えばオーバーエイジでアルゼンチンがメッシを招集することが難しく(南米選手権にも出場していたこともありますが)考えうるベストメンバーで挑める日本の躍進が期待できると思います。

 

オリンピックのサッカーは全16チームが参加で、8チームで決勝トーナメントを戦います。

Aグループはベスト8でグループのチームと当たるので、韓国と当たる可能性もあります。

個人的にはロンドンオリンピックの雪辱を晴らして欲しいですね!!

ベスト4以降は、順調にいけばスペイン、アルゼンチン、ブラジル、ドイツなどの強豪国が・・・。

今度こそベスト4の壁を破って欲しいです!!

 

個人的に今シーズンほとんどリーグ戦で活躍できずに鬱憤がたまっている久保建英の活躍に期待したいです!!

代表チームに合流してから目の色が違いますし、あまり試合に出ていないため元気も有り余ってそうですね(笑)

運動量も豊富ですし、スプリントのスピードも早くコンディションの良さが窺えます。

モチベーションの高さも窺え、昨日のスペイン戦を観ていても気合が入りまくっていました。

先制点のあとの雄叫びもアツかったですね!!

 


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【本】村田沙耶香『丸の内魔法少女ミラクリーナ』~静謐な暴力~

1、作品の概要

2020年2月に刊行した短編集。

 『小説 野生時代』に掲載された。

全4編。

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2、あらすじ

①丸の内魔法少女ラクリーナ

小学3年生の時に魔法少女ごっこラクリーナを始めたリナは、36歳になっても妄想の世界で魔法少女であり続けていた。

一緒に魔法少女をしていたレイコ(マジカルレイミー)は、DV彼氏の正志が悩みの種。

リナは二人を別れさせようとするが、正志が2代目マジカルレイミーとして人助けをすることになる。

 

秘密の花園

千佳は、大学の知人の早川くんを監禁している。

イケメンで女性に対して支配的な早川くんは、監禁されている立場だが逆に千佳に対して支配しているかのように横暴に振舞っていた。

約束の1週間の監禁生活の果てに、千佳の真意が明らかになる。

 

③無性教室

校則で『性別』を禁止されている高校に通うユートは、男女どちらの性別かわからないようにされたクラスメイト達と日々を過ごしていた。

性別と性癖を超えて募っていくセナへの恋慕は、周りの人間を巻き込み、やがて一つの事件を起こす。

 

④変容

 夫にも勧められてファミレスのパートを始めた真琴は、怒りの感情を持たず、「なもむ」という自分の知らない言葉を連発するアルバイトの同僚で大学生の高岡くんと雪崎さんに違和感を感じていた。

親友だった純子も自分の知らない間に変容していてパブリック・ネクスト・スピリット・プライオリティ・ホームパーティーなる奇妙なイベントを主催していた。

夫さえも異質で変容した人間に思えて、真琴は以前忌み嫌っていたセクシー五十川を頼るが・・・。

 

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ

久々に村田沙耶香さんの本を読みましたが、相変わらずのぶっ飛び具合で楽しく読めました(笑)

前から珍妙なタイトル『丸の内魔法少女ラクリーナ』に惹かれていましたが表題作ももちろん、他の作品も彼女の「普通」に対して疑問を呈する物語に惹かれました。

ちょっと読んでてしんどい時もあるのだけれと、やっぱり気になる作家の一人ですね。 

 

 

4、感想・書評

 ①丸の内魔法少女ラクリーナ

うん、初っ端からブッ飛んでますね(笑)

クレイジー沙耶香の面目躍如。

魔法少女ごっこを妄想世界で36歳になっても続けているなんてとってもクレイジー

 

でも、主人公のリナなりの処世術というか、より良く生きていく為の工夫なのかなとも思えてきます。

リナは例えば、就業直前に理不尽な残業を持ちかけられても、敵のヴァンパイアグロリアンのせいで操られているんだから頑張って戦わなきゃってある意味ではポジティブに変換して、嫌な顔一つせずに仕事をして、結果的に周りに評価されています。

うんうん、妄想力で前向きに生きられるんならそういうのもイタくないかも!?

 

男性の僕が読んでいて一番強く感じたのは、リナとレイコの女性同士の繋がり方。

単純に友情って言うと簡単なのかもしれないけど、男性目線だと理解し得ないような緩やかさでキラキラと繋がり続けている。

男の子達がヒーローになってその世界で遊ぶように女の子も女の子にしかわからない世界で遊んで。

そんなファンタジーって、実は大人になってもずっと心の中で続いているのかもしれないって思いました。

 

秘密の花園

監禁っていう刺激的なテーマで始まりますが、支配する側と支配される側。

何をもって支配するというのか?

監禁して自分のコントロール下に置くことが支配といえるのか?

監禁された側の早川くんが、監禁した側の内山さんに対して精神的に優位に立っているように見えます。

 

経済的な支配、暴力による支配などたくさんの支配がありますが、恋愛とくに初恋は呪いといっていいほど人の心をがんじがらめに縛ってしまうやっかいな呪縛なのかもしれません。

何しろ、縛られて支配されている本人はことによると呪いにかかっていることに気付きもしないのですから。

 

内山さんは、そういう自分の心を苦しいまでに縛り付ける初恋の呪縛から逃れるために、早川くんに幻滅するために『秘密の花園』に監禁しました。

そうしてまんまと、彼の初恋の呪縛から逃れることができたのでしょう。

 

③無性教室

2013年に発表ということで、2015年に刊行した『消滅世界』の習作とも思える作品です。

本当に「平等で正常」な世界を目指すのなら性別も廃してみんな同じになればいい・・・。

論理的には正しいかもしれませんが、狂気を感じる提案だしもしかしたらそんなふうにこの世界は変容していってしまうかもしれないと感じさせるような狂気を孕んだ作品だと思います。

 

LGBT性同一性障害など、性と性別に関しての理解が進んでいくことはいいことだと思います。

これまでマイノリティとされて苦しんできた人達の想いを社会が受け止めてより寛容で多様性を認める社会になっていくことはとても素晴しく美しいこと。

でもでも。

それが行き過ぎてしまうとどうだろう?

そんなディストピア(あるいは少しだけ違った世界)を感じさせる作品であると思います。

 

そんな歪んだ世界の中でもユートは性別を超越してセナに恋をして、セックスをする。

「あなたがどちらの性でも構わない。あなたのことが好き」

生殖のための恋愛とセックスを超越している。

ある意味の純愛かもしれない。

でもどこか背筋が寒くなるのは、僕が古い人間なのだからでしょうか?

『消滅世界』でも感じたが、論理と正しさが肥大する時に、我々の「本能」が鎌首をもたげる。

 

④変容

大げさにデフォルメしているけど、実際にこの世界で起きていることかもしれない。

世代間での意識の格差は広がり、古い世代の感覚は社会の中で駆逐されていく。

ゆとりだの、さとりだの。

欲望が希薄化していく若者が取り沙汰されている。

 

気付いたら自分がスタンダードだと思っていたことが全て消え去っていて、社会にとって異質な存在になっている。

目まぐるしく変化していく現代社会で、いつの間にか慣れ親しんでいた言葉や、感情でさえも変化して消えていってしまう。

 

真琴は自分を古い側の人間だと思い込み、エクスタシー五十川と共に純子のパーティーをぶっ壊そうと乗り込みますが、そこで新しい言葉に出会って変容します。

世代間のギャップや意識の変革。

そういったものが高速で回り続ける世界から次々に産み落とされて、たくさんのものが過去になっていく。

僕はこの物語を読んで「なもみ」ましたが、それはむしろ「まみまぬんでら」といっていい感情だったのかもしれません。

 

 

5、終わりに

論理対本能。

 理性対暴力。

何かそういった構図も浮かんできましたが、常識とか、普通に対しての問いかけが鋭く刺さる物語でありました。

村田沙耶香の作品は何作か読みましたが、常にそういった問いかけとテーマを内包した物語が描かれていて、少し苦しくなるのだけれど、どこか目を逸らせないような、紛れもない真実が現出するのではないかと彼女の世界観に没頭していってしまいます。

 

短編集の隅々にも村田沙耶香の作家性は、湧き水のようにこんこんと染み出していて個性的な光を放っていました。

描いている世界は、一見珍妙で奇天烈な別世界なのかもしれないけど、村田沙耶香自身は「くもりなき眼」でこの世界を凝視して見定めて物語を創造しているのだと思います。

描き出した世界は、時にあまりに静謐な暴力に満ちているのかもしれないけど、彼女の無垢な問いかけは私たちの心を真っ直ぐに射抜いているように感じています。

 

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【本】平野啓一郎『ある男』~2つの偽りの愛~

1、作品の概要

 

2018年6月の『文學界』に掲載され、同年刊行された長編小説。

事故死した夫が全くの別人だった事件を通して、「愛とは何か?」を問うた作品。

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2、あらすじ

次男の病死を契機に夫と別れて、長男と2人で郷里の宮崎県に戻った里枝は林業に携わる「谷口大祐」という男と知り合い愛し合うようになる。

やがて結婚した2人は新たに2人の間に生まれた長女の花と、前夫との間の子供の長男の悠人と4人で幸せに暮らしていた。

しかし、仕事中での事故で大祐が亡くなり、疎遠だった彼の兄から「この男は弟じゃない」 と告げられてからこれまで育んできた愛情と信頼が揺らぎ始める。

 

里枝は過去に離婚を担当していた弁護士・城戸に相談するが、この「谷口大祐」を騙っていた「X」の足取りを追ううちに城戸はその人生にのめり込んでいることになる。

彼の足取り、人生を辿ることが、やがて城戸自身の人生観、存在の不確かさ、家族への愛への思索に深く絡みついてくることとなる・・・。

絡まった糸を少しずつ解きほぐしていくうちに、物語はそれぞれの人生に深い問いをなげかける。

ある男

ある男

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3、この作品に対する思い入れ

『マチネの終わりに』で久々に平野啓一郎の作品を読んで、深い感銘を受けて『決壊』『空白を満たしなさい』『ドーン』『かたちだけの愛』などを読み、平野啓一郎の文学に深く惹かれました。

そんな折に、新刊として発売されていたのが『ある男』で、読み進めるごとにこの物語に引き込まれました。

今回、再読して最新作の『本心』にも繋がるような愛の本質や、存在の不確かさへの問いかけ、また愛する人が持つ自分が知らない別の顔(愛する人の他者性)をどう受け入れるかの問いかけをより深く感じました。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

 

4、感想・書評(ネタバレありまくり)

①純文学をアップデートする 

中村文則の書評でも書いたと思いますが、平野啓一郎もまた近作で純文学のアップデートを試みているように思います。

初期作品においてゴリゴリの純文学的な作品を書いて、芥川賞を受賞したという点においても2人の作家には何かしら近しいものも感じます。

まぁ、太宰と三島ぐらいテイストは違うと思いますが(笑)

 

純文学とは何かについての答えは様々だと思いますが、僕は物語そのものの娯楽性より情景描写や心理描写に重きを置いた「芸術としての文学」であり人間の根源に対する深い問いかけを持った作品が、純文学だと思っています。

平野啓一郎は、純文学の持つそれらの長所をそのままにして美しく読みやすい文章で、誰もが興味を持つようなエンターテインメントの高い物語に、難解かつ深遠な愛や人生に対してのテーマを盛り込んだ作品を作り出しているのだと思います。

それはまるで、ポップな見た目と曲とは裏腹に、複雑なコード展開と毒と謎かけを含んだ歌詞の曲を演奏するビートルズのように思えます。

 

そして、平野啓一郎の最大の魅力は、その文体にあると思います。

デビュー当時から三島由紀夫と比肩されるほどの美しく耽美的な文章が、作家として洗練されより多くの人々に物語を届けるためにとても読みやすく無駄のない文章になってきているように思います。

平易かつ、無駄がない、美しい文章。

 

それほどの読書家ではない僕ですが、平野啓一郎のような美しさと機能性わかりやすさを全て兼ね備えた文章を書ける作家はいないように思います。

まるで流れる水のような流麗な文章・・・。

例えば城戸がリビングで音楽を聴く以下の場面ですが、読んでいてため息すら漏れるような耽美的な文章です。

 また少し飲もうかと思ったが、菊池のピアノだけで演奏される破格の「All The Thing You Are」が始まったところで、しばらくその場から動きたくなくなった。

 時間が、ゆっくりと解体されてゆくようなテンポだった。旋律が、一滴ずつ、澄んだしずくとなってしたたり、静まり返った室内に、幾重にも波紋を広げていった。

城戸は、音楽そのものというより、その音の予感と余韻との融け合いの中で息を潜めて、クリスマス・ツリーの電飾が、一定のパターンで変化していく様を眺めた。

 

 

美しく流麗な文章で、先が読めない起伏に富んだ物語を描き、その中に深いテーマも盛り込んでいく。

それが現在の平野啓一郎の作家性だと思いますし、そこにうまく社会的なテーマも入れてきています。

 

今作『ある男』でもそのような平野啓一郎の真価が存分に発揮されていると思います。

 

②「X」の物語にのめり込んでいく城戸

主人公の城戸は、かつて離婚調停で関わった里枝から亡くなった夫が全くの別人だったことを彼の兄から明かされたことについて相談を受けます。

初めは仕事として「谷口大祐」を騙っていた男「X」の身元を辿っていきますが、やがて「X」追うことは城戸にとって仕事を超えた自分自身にとって大きな意味を持つ事件になっていきます。

 

「X」の持つ出生の秘密自体に惹かれたことも一つであったかとは思いますが、卑劣な行為だと理解しつつも全く自分のことを誰も知らない場所で、他人に成り代わって生きるという行為そのものにも興味を惹かれるようになったのではないでしょうか?

抱えている「存在の不安」や過去からも解き放たれて他人の人生を生きる・・・。

他人を、特に愛する人を騙す罪悪感はあったのでしょうが、城戸自らも在日3世であるというルーツから感じるそこはかとない存在の不安や、妻とのすれ違いによる現在の生活と幸福の崩壊の予感を抱えていて、他人の人生を生きることへの魅力を感じたのかもしれません。

 城戸は、横浜に戻ってからも、「X」になりすましたあの数時間の、言い知れぬ悦びが忘れられなかった。彼は緊張し、興奮し、眩暈を感じていた。人はそれを、普通、悲劇の効能として知っているのだったが、映画を見たり、本を読んだりするのではなく、肉声を以て他人の人生と同化し、それを内側から体感するというのは、なるほど、趣味的な何かになり得るのかもしれない。苦い後味の、破廉恥な遊びだったが・・・。

 

 自己・自我というものはある意味では精神の牢獄で、誰しもがそのような軛に魂をつながれて囚われているのかもしれません。

現代社会のように高度に国や社会にその存在を管理されているような世の中ならなおさら・・・。

ナンバーカードや、監視カメラの存在で今後ますます個人の存在は社会に把握され、管理されていくのでしょう。

 

自分がどういったルーツの中で生まれ育って、どう生きてきたか?

その全てが白日の下に曝されているとして。

それが誇れるものでなかった時に私たちは何を願うのでしょうか?

 

ただ、城戸が持つ「在日」というルーツ。

それは、この国が抱える歴史の闇の部分や、民族としての至らなさを象徴していると思いますし、日本がより成熟した国家になるために精算して進んでいくべき問題なのではないでしょうか?

欧米には強いコンプレックスを持っている割には、アジア諸国(特に韓国、中国、北朝鮮)には強い優越感と侮蔑を感じます。

 

そのような日本国民の世論・感情と、有事には関東大震災の時の虐殺のような得体の知れない悪意が自分に対しても解き放たれるのではないかという恐怖が城戸を苦しめ続けているように思います。

実際にヘイトスピーチや、ネットの極右など社会の鬱憤はその矛先をいつ自分に向けるかわからない・・・。

日本で生まれ育って、日本語しか話せないとしても。

 

僕の友人にも韓国にルーツを持つ日系3世のナイスガイがいます。

彼とはサークルで知り合って、4年間密に一緒にいて、サークル活動以外にも飲み会をしたり、サッカーをしたり、うちにも何度も泊まりに来て語り合ったりしました。

とても思慮深く穏やかなのですが、どこか芯の強さを感じさせる男で、この物語を読みながら彼のことを思い出さないわけにはいけませんでした。

彼はクリスチャンでもあり、お互いの心の深い部分にまで踏み込んで生き方や考え方など語り合ったように思います。

 

そんな彼に20年以上前に言われて忘れられない一言があります。

それは、「どうして僕がここにいるのか考えて欲しい」という言葉です。

第2次世界大戦、太平洋戦争の時にこの国がアジア諸国に対して何をしたのか?

東南アジアでは、欧米の支配から独立させてくれた英雄のような扱いもされているかもしれませんが、東アジアに対しては侵略を行い、「日韓併合」を経て韓国の人々は文化的な損失を被りその流れの中で意志に反して日本に連れてこられた韓国人もいた。

その子孫が僕の友人であり、城戸だったのでしょう。

 

僕のざっくりとした歴史観は、詳しい方からしたら笑いの種かもしれませんが(>_<)

とにかく、彼の言葉を受けて僕はあの時代の日本がどういう立ち位置で戦争をしてどのように他の国に干渉していったのかを調べました。

僕は、その当時彼のルーツから目を背けるようにして生きていました。

「君が何者であっても、どんなルーツを持っていても気にしないよ。これまで通り一緒にいよう」

これは、城戸の妻・香織の態度にも通ずるものがあったと思います。 

自分の近しい人間、愛する人のルーツを見ないように蓋をして生きることが果たして真実の愛と呼べるのでしょうか?

彼・彼女はそのような形の愛に喜びを感じるのでしょうか?

 

僕の友人は、きっと僕のことを友達と思ってくれていたからこそ、自分のルーツをしっかりと見て欲しいと願ったのだと思います。

別に日本人と、日本軍の行いを否定しようとしたのではなく、自分のルーツと両国の歴史を理解してそこも飲み込んで一緒にいてほしいと思ったのではないでしょうか?

それは、まさに城戸のためにヘイトスピーチに参加した美鈴の行動を想起されられます。

 

③偽りさえも愛することができるか?それぞれが抱える存在の不確かさ

里枝が愛した「谷口大祐」は本当は「谷口大祐」ではなかった。

その事実を愛した「ある男=X」から告げられなかった里枝の悲しみと戸惑いはいかほどのものだったのでしょうか。

気持ちをぶつけようにも、その相手はすでにこの世を去っていてあとに残ったのは思い出と、2人の子供の花だけ。

 

でも、果たして二人が一緒にいた時間。

家族として皆で過ごした時間まで泡のように消え去ってしまうのでしょうか?

それでは果たして愛とは何なのでしょうか?

 

最終的に里枝は悠人との葛藤や、花の存在に後押しされながら「原誠」という名前と、人に言えない生い立ちと過去を持っていた「ある男」の存在にたどり着きます。

容易には受け入れられなくても、やはり一緒に過ごした思い出や時間は変わらずに存在していて、たとえ死の闇が二人を分かちようとも光輝を放ち続けるではないでしょうか。

里枝と「原誠」の愛の物語は「全てを共有できなくても、たとえ偽りがあったとしてもお互いが深く愛し合っていていれば全て赦される」と語られてます。

全ての愛がそのよのように寛容なものなのであったらどれだけ良かったのでしょうか。

城戸にまつわる愛の物語は、全く逆の展開を辿ります。

 

里枝と「原誠」の愛の物語が最後に真実にたどり着いたものであったとして、その物語を追っていた城戸は彼らの愛の物語と逆の選択をします。

「偽りの愛を生きる」

 それが、城戸の下した選択であったのではないかと思います。

妻・香織が自分の在日というルーツから目を背けて生きていこうとする偽りの愛。

美鈴がヘイトスピーチに参加して、彼のルーツに寄り添って痛みを分かち合いながら生きようとする真実の愛。

 

しかし、ここに真実の愛=美鈴を選べば社会的な倫理を踏み外してしまい、偽りの愛=香織の愛を選べば倫理的には正しいが偽りの愛を生き続けてしまうという選択が突きつけられます。

頭が良くて、穏やかな性格を持つ城戸は香織に自分のルーツを受け入れながら生きていく強さはないと理解したのでしょう。

そして、香織との愛は可愛い一人息子である颯太に繋がっています。

結果的に香織との偽りの愛を選んだのは、颯太の存在と家庭の平穏を彼が選んだからなのではないか?

 

城戸が、香織が不倫しているLINEをたまたま読んでしまうが、見なかったふりをして家族の時間を過ごす場面。

少し前の香織の出張の場面も怪しかったですが、彼は以前から香織の不実に気付いていたのかもしれません。

それでも不問にしたのは。

香織が城戸のルーツ=暗部(少なくとも香織にとっては)を見ないようにしたように、城戸も香織の暗部を見ないようにして彼女を愛することを決めたのでしょう。

これは、ある種のバッドエンドとも言える後味の悪い結末かもしれませんが、それだけ愛するということは相手の虚実をどう向き合っていくのか、余人には理解し得ぬような深い感情的な「ほつれ」と「からまり」が存在するのだと思います。

このような愛する者の自分の知らない部分、偽りという要素は次作『別人』にも引き継がれたテーマであったのだと思います。

 

城戸自身は、この欺瞞のような愛を、家庭を維持し続けることに何の葛藤もなかったのでしょうか?

その答えは冒頭の文章にあると思います。

彼は、常習的に自分の名前と身分を偽りバーで他者と交流するようになっていた・・・。

宮崎のバーで「谷口大祐」の人生を騙っていたように。

 

偽りによって生じた歪みは彼をどこに導いていくのでしょうか?

 

 

5、終わりに

里枝と原誠、城戸と香織の2つの偽りの愛の物語。

本質的に偽りだったのは、どちらの愛だったのでしょうか・・・。

真の愛とは?

そもそも果たしてそのような愛が存在するのでしょうか?

 

再読して、この作品が様々な問題提起をしているように感じました。

そして、平野啓一郎が物語を通して人間の愛や生き方に対して何かを問おうとしているようにも・・・。

おそらく彼の中でも答えが出ていないような疑問を物語として世の中に問いかけているのではないかと感じています。

 

この物語の書評を書くのに少し時間がかかりましたが、その間に僕の日常生活の中に『ある男』の物語が染み出していき、僕の物語と人生観と思考と深く結びついて熟成していくような感覚を覚えました。

小説に限りませんが、優れた芸術かそうでないかの判断の一つはそういった化学反応を起こせるかどうかだと思っています。

もちろんあくまで主観ではありますが。

 

この物語は、僕の中の古くて温かい記憶と結びついて、いくつかの問題に対して考え続けることを求めました。

それは40歳を過ぎたくたびれたオッサンにとっていささかしんどい作業でもありましたが、同時に無上の喜びを伴った時間でもありました。

こうやって自分の考察を発表できる場があって、ともすれば誰かのリアクション頂けたりするのは幸せです。

憂鬱な希望だったとしても、インターネットはある種の光で、文学、音楽、映画、絵画が自分の精神にとってどれだけ大きな悦びをもたらしてくれているか・・・。

そんなことを改めて実感しました。

 

*9/20追記

映画『ある男』の公開日や、キャストも決まって楽しみですね!!

僕も観に行きます!!

城戸章良(妻夫木聡)、谷口大祐(窪田正孝)、谷口里枝(安藤サクラ)他、キャスティングもいい感じですなぁ♪

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