ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

【雑記】長男の中学校入学式と次男の8歳の誕生日でお祝い♪そりゃ飲むよね!!

本日、長男の中学校の入学式でした。

 

愛媛県は緊急事態宣言は発令しておりませんが、徐々に身近に感染者も出ており気の抜けない日々。

先日も、県外に旅行に行っていた高校教師がコロナに感染し、生徒も感染してしまうことがあって、感染の多い地域出入りがあった愛媛県の教職員111名が自宅待機するということがありました。

 

日増しに緊張感が高まっておりますが、僕が住んでいる街では入学式だけ短縮でやってまた2週間程度休校という措置になりました。

入学してすぐ休校というビミョーな状況ですが、入学式が開催されただけ良かったと思います。

個人的には、短縮でやるぐらいが尺的にちょうどいいです(笑)

 

ウチの校区は学ランなのですが、小学校の私服から学生服への変化は大きいですね。

一気に大人びたように思います。

 

 

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卒業式後、長男の中学校入学と次男の誕生日祝いをしました~。

 

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これからも頑張って欲しいです!!

【雑記】ブログ祝☆5ヶ月!!新年度なので大幅リニューアル!!装いも新たに突き進むワイをよろしくお願いします!!頑張れ人類!!頑張れ俺!!Pray for Pepole and Peace!!

☆ってなわけで、ブログ継続祝5ヶ月!!☆

 

とか、タイトルでハデにぶちあげながらも最近は低浮上で、ブログは書いてないわ、皆さんのブログは読んでないわで一部のファンから死亡説が囁かれたり、僕のブログを読めないことから禁断症状に苦しむ人がでたりと大変ご迷惑をおかけしました(笑)

あっ、ここで読むのやめないでぇーーーーーーーー。

 

別に病気したとか、忙しかったのはいつも通り忙しかったのですが、なんつーか思春期的なアレっていうか・・・。

新型肺炎の影響っていうか・・・。

 

ってことは一切なく、ただの気まぐれですね(笑)

 

あと、ブログのスランプに深刻な影響を与えた疾病がひとつありました。

これは、とても恐ろしい疾患で、常習性があり、容易には抜け出すことができません。

やめなきゃいけないのはわかっているのですが・・・。

自分の意識が彼方まで飛んでいくような、強烈な浮遊感。

陶酔。

精神的な高揚。

ダメだと分かっていても求めてしまいます。。

 

 

 

 

 

 

 

 

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酒です。。。。。。。。

 

 

 

 

yoyo!!

仕事から帰ってくるやん?

風呂入るやん?

ご飯食べながら一杯目のビールぷしゅかこするやん?

うまいやん?

もう一本プシュカコするやん?

うまいやん?

もう一本プシュカコするやん?

ちょっと酔ってくるやん?

ウィスキーとかも飲んでみたいやん?

さらに酔ってわけわからなくなるやん?

 

ってのをエンドレスサマーヌードもびっくりなぐらいエンドレスではしゃぎすぎてる夏の子供みたいに、飲んで飲んで飲まれて飲んでなわけですよ!!

べらんめぇ!!

ブログなんて書いてる場合かっ!!

こんちくしょう!!

おとといきやがれ!!

この唐変木がっ!!

チェケラ!!

 

というアルチューノ・ランボオ状態の酔っ払い吟遊詩人よろしく酒を煽り煽り・・・。

俳人になりたかったのに、いつの間にか廃人とはこれはいかに。

いやこれでは駄目だと一念発起して、またPCに向かっている次第でございます。

 

とか言いながら、今日も缶のハイボールをプシュカコ。

毎日プシュカコ。

安倍首相の緊急事態宣言をBGMにプシュカコ。

もうどうにも止まらない。

 

恥の多い生涯を送りNOWです。

太宰パイセンよろしく、僕は飲みたくないのに痛飲しているんだとか言って、美女に甘えて斜陽プレイですよ。

 

って、お母さん何の話をしておりましたかね?

ああ、そうです。あの時谷底に落とした僕のブログの話ですよ。

僕のあのブログどうしたんでせうね?

 

いや、もうマニアックなパクリを連発して悦に浸るのはよそう。

そんなわけで、弱冠パワーダウンしつつもがきながら進んでいく僕のブログをどうぞよろしくねぇ~。キャンユーセレブレーェ~~~~~~~~~♪

 

 

 

☆やっぱり大好き♡はてなのみんな☆

 

と、ルパン3世の五右衛門なら「またつまらぬもの(文章)を書いてしまった」とのたまうところですが、まぁこんな駄文をつらつら書いて、ニヤニヤしてるのも楽しいんです。

安酒を煽りながらパソコンのキーボードを叩いてニヤニヤしてるオッサン。

いや、こんなはずじゃなかったんですよ。

人生にリセットボタンがあったらうっかり押しちゃうかもですが、まぁそれなりに生きてるので良しとします。

 

でも、ブログから離れてみて一番怖かったのはアクセス減少より、仲良くしてもらっている(と勝手に僕が思っている)はてなブロガーの皆さんと疎遠になってしまうのが怖かったです。

いつの間にか、自分の生活の中で大事な部分になっていたのだなと改めて思いました。

 

ちょっと気まぐれなアタイですが、これからもよろしく哀愁です。

みんな、愛してるぜ!!

頑張れ人類!!

負けるな人類!!

 

 

 

☆大幅リニューアル☆

 

そして!!

今回の目玉!!

大幅リニューアル!!

その内容とは!!

 

 

 

な、なんと!!

 

 

 

 

 

ま、まさか!!

 

 

 

 

 

 

アイコンの画像が変わりました!!

 

 

 

 

 

 

あっ、読者数が減る音が聴こえる(>_<)

すみませんすみませんすみません。

大体、大幅リニューアルと閉店セールは大げさだからみんなきをつけようぜ☆

 

それでは、そのへんで僕がテキトーに撮った普通の桜の画像を観ながらお別れしましょう。

いやー、ブログって本当にいいもんですね。

それでは、さよならさよならさよならぁぁぁぁーーーーーー。

 

 


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【音楽】星野 源「うちで踊ろう」SNS発信の音楽コラボ企画!!絶望の中から希望を生み出せる人ってリスペクトやで!!

コロナ禍でファ○クな日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

くそド田舎の愛媛にも色々と影響が出てきて、戦々恐々な日々です。

んでも、心はKEEP CALMでいきたいもんですたいっ。

 

でも人間の本質ってやっぱり過酷な状況で露呈するものだと思っています。

こんな時だからこそ、凛として前を向いて生きていきたいですね。

 

こんなギスギスしている中、ミュージシャンで俳優の星野源がナイスな企画をやってくれました!!

作った曲を弾き語りでインスタにアップして、コラボ動画を作って欲しいと呼びかけたのです。

 

youpouch.com

 

 

今朝のニュースで知ったのですが続々とアーティスト、芸能人がコラボしています♪

僕が好きな三浦大知もっ。

 


うちで踊ろう/星野源 三浦大知

 

高畑充希さんもー♪


【永久保存】高畑充希&星野源 うちで踊ろう

 

 

この方のコラボめちゃくちゃかっこいいですね!!


【星野源さんコラボ企画】うちで踊ろう feat.佐野仁美

 

 

今回のコロナ禍は世界の歴史に残る大事件になると思いますし、長期戦になると思います。

しばらくは耐える時が続くかもしれませんが、こんな時だからこそ音楽だったり芸術が持つ力、インターネット、SNSの持つ力、ひいては人間の心が持つ光を信じて日々を過ごしていきたいです。

星野源さんはくも膜下出血で一度死にかけて地獄をみてるし、逆にそういう辛い想いをした人ほど、こういった時に前向きになる強さを持っているのかなと思いました。

 

今の状況は簡単には収束しないと思いますし、長い戦いになると思います。

未来は決して明るくはないかもしれないけど、それでも「共に生きましょう」って好きな作家の中村文則さんの言葉で締めくくります。

 

唇に歌を、心に光を、未来に希望を。

 

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【映画】グリーンブック~人種を超えた友情~

1、作品の概要

 

2018年にアメリカで公開された映画で、実在のジャズピアニスト、ドン・シャーリーと、彼のツアー運転手を務めることになったトニー・ヴァレロンガのロードムービー

監督はピーター・ファレリー。

ヴァレロンガの息子の協力で、劇中にも出てくる妻宛ての手紙を元に制作された。

 

アカデミー賞の作品賞、脚本賞助演男優賞を受賞。

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2、あらすじ

 

人種差別が横行する1962年のアメリカ。

ジャズピアニストのドン・シャーリーはアメリカ中西部を回る8週間のツアーに出るために運転手兼ボディー・ガードにトニー・ヴァレロンガを雇う。

腕っぷしは強く、機転も効くトニーだったが、繊細で上品なドンは彼の粗野な正確や行動が気に入らずに衝突を繰り返し解雇も考えるようになる。

しかし、ツアー中にドンが一人で入店したバーで、白人達にリンチを受けるがトニーが窮地を救い。

それがきっかけで2人の距離は縮まっていく。

差別が渦巻く中、無事にツアーを続けていけるのか?

 


【公式】『グリーンブック』3.1(金)公開/本予告

 

 

3、この作品に対する思い入れ

 

人種差別、LGBTなどアカデミー賞が好きそうなテーマを入れ込みながら、ロードムービーっぽく旅をしながら、友情と絆が深まっていく姿がとても魅力的に描かれていたと思います。

 

 

4、感想・書評

 

 男同士の友情を描いた作品とかわりと好きなんですが、この映画は差別、LGBTとかも絡めながら思想や、価値観が全く違う2人の男性が親友になっていく様を描いていて感銘を受けました。

ドンは神経質で繊細、トニーは大雑把で適当で性格も真逆で最初は衝突するですが窮地に陥ったドンをトニーが助けたことで2人の距離は縮まっていきます。

 

また、トニーはドンのピアノの才能に感銘を受け、妻への手紙の文章の書き方を教えてもらい、お互いに支え合うようになります。

 人種も立場も超えた友情ってなんか心に響きますね。

 

そして、この時代のアメリカの人種差別の酷さ。

黒人がバーに一人で出かけただけでリンチに遭うとか、酷いですね。。

まぁ、今も根強く残っているのだとは思いますが、白人用黒人用レストランも別々にあったりで驚きました。

僕が無知なだけかもしれませんが(^_^;)

 

ツアーの最終公演の夜にあまりに失礼な主催者側の態度に不快感を露わにして演奏を拒否したドンはトニーと2人で黒人のブルースクラブに行き、自らのピアノの演奏で店を盛り上げ、最高の夜を満喫します。

ドンの何かから解放されたかのような演奏のシーンが印象的でしたね!!

 

そして、大雪の中クリスマスイブには帰ると家族に約束したトニーの為にドンも奮闘。

最後はとても心温まるハッピーエンドでした。

グリーンブック(字幕版)

グリーンブック(字幕版)

  • 発売日: 2019/10/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 

5、終わりに

 

映画を観てて、ふとブルーハーツの『青空』を思い出しました。

あの曲もアメリカであった黒人のバスの乗車拒否のことを歌ってる歌だったと思います。

 


THE BLUE HEARTS - 青空 (Aozora)

 

 

 

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コロナ禍の卒業式!!おちこんだりしたけれど、私は元気です!!

 昨日は長男の小学校の卒業式でした。

コロナウィルスの影響で3月上旬から学校は休校。

卒業式も直前までどうなるかわからない状況だったのですが、無事親も参加OKで開催しました。

 

僕が住んでいる愛媛県は感染者が3名で、比較的感染が拡大していない県だということもあったかとは思いますが、思ったよりしっかりした形での開催になりました。

式自体は30分ほどで、挨拶などは省かれて、在校生は不参加でしたが、それでも両親共に参加できたのは良かったです。

そのあたりの対応は、同じ市内でも小学校によってバラつきがあったようですが(^_^;)

 

 ウチの小学校では、会場の体育館では窓を全開にして、校歌もテープで流して、式自体も簡略化して、式→教室でホームルーム→グラウンドで写真撮影で1時間半ぐらいだったかな?

担任の先生がちゃんとした形で卒業させられなくて本当に無念そうだったけど、こういった歴史的な苦境の中、節目を迎えられたことは得難い経験になると思うし、子供達には長い目で見てプラスな経験だったのではないかなと思います。

 

今、日本で、世界で何が起こっていて自分たちの生活がどう変わってしまっているのか?

それを体感できたのではないでしょうか?

 

まぁ、ウチのバカ息子どもは学校休めてラッキーぐらいにしか思ってないのだろうけど(笑) 

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んで、卒業式の後、夜は近所のちょっとお高い焼肉屋さんでディナーでした♪

本当はお昼に懐石とかでお洒落にいこうかとも思いましたがー。

でも、美味しかったしいいか(^O^)

僕はしこたま生ビールを飲みました♪

 

最近、ブログは低浮上ですがぼちぼち頑張ります~。

大変な状況ですが、中村文則の言葉を借りて「共に生きましょう」

僕達は困難の中にいますが、歴史的な大きな事件の只中にもいます。

これから経済的にも大きな打撃を受けて、さらに難しい状況に陥ると思いますが、前を向いて生きていきたいですね。

 

【音楽】KING GNU『FLASH』がドコモの5GのCMのタイアップ曲に!!

先日、ドコモの5GのCMの曲を聴いて、テンションめっちゃあがりました。

KING GNUのセカンドアルバム『sympa』の『FLASH』が起用されていたからです。

最近発売されたアルバム『CEREMONY』がサードアルバムですが、そっちの曲はタイアップだらけだったから、セカンドアルバムまで遡ったのでしょうか?

 

それってすごいことですね~。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

5Gで通信とインターネットの未来はまた大きく広がりますね。

4Gより5Gは速度が10倍になるみたいですね。

4Gで30秒でダウンロートしてたアプリが3秒でダウンロードできるようになります。

 

ドコモの5GのCMは佐藤健がメインキャラクターです。

ドラマ『恋は続くよどこまでも』の天堂先生の演技もハマり役で良かったですね。


「docomo 5G 希望を加速しよう」篇(スポーツ+LIVE+高速大容量+ARスマートグラス)30秒


「docomo 5G 希望を加速しよう」篇(MR+ゲーム+VRアート+低遅延) 30秒

 


5G Concept Movie「新しい物語のはじまり」

 

すごい技術ですね。

なんか、現実と仮想現実の境目が融解していきそうな予感が・・・。

たとえば、現実的に貧しくて家族もいなくてもVRのゴーグルをつけてずっと仮想現実の世界に浸っているとか・・・。

そんな、ディストピアも思い浮かびますが技術の進歩はワクワクしますね。

 

 

ちなみに『FLASH』のMVはこちらです。

アニメとライブ映像の複合でめちゃめちゃカッコイイですなぁ。

センスええわぁー。


King Gnu - Flash!!!

【本】小川洋子『薬指の標本』~静謐な狂気の檻~

1、作品の概要

 

小川洋子、8作目の中編。

1994年10月に刊行された。

表題の『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2編の中編が収録されている。

薬指の標本』は2005年にフランスで映画化された。

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2、あらすじ

 

薬指の標本

工場でサイダーを作る仕事をしていた「わたし」は、左手の薬指の先を機械に挟まれて失ってしまい、標本室で働くようになった。そこは様々な品物が持ち込まれて瓶詰めの標本にされる不思議な場所だった。

「わたし」は標本室の主の弟子丸氏に靴をプレゼントをされて、恋人のような奇妙な関係になっていくが・・・。

 

『六角形の小部屋』

スポーツクラブで偶然出会ったミドリさんのあとを追いかけて、奇妙な六角形の小部屋にたどり着いた「わたし」は、部屋の管理人のミドリさん、ユズルさん親子と交流しながら、次第に「カタリコベヤ」に魅せられて足繁く通うようになっていく。

婚約していた美知男を何故憎むようになってしまったのか・・・。「わたし」は辿たどしく、自らの想いを語り始める。 

薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ

 

小川洋子さんの小説はツィッター、ブログなどでみなさんオススメになっていて、とても気になっていました。

そんな折、ツィッターでやり取りさせて頂いた方からこの本を紹介させていただいて読んでみました。

 

両作品とも不思議な手触りがある作品で、その世界観に魅了されました。

どう表現したらよいのだろう?

綺麗な和音が鳴っている中に、一音だけずれて不協和音を奏でているいるみたいな音が混じっているみたいな、静謐さのなかに潜んでいる不穏さのようなものを感じました。

 


indochine - les silences de juliette

 

 

 

4、感想・書評

 

薬指の標本

奇妙にふわふわと現実から乖離した不思議な世界観を持った作品だと思いました。

村上 春樹の『風の歌を聴け』みたいに日本のどこかの街の物語と思えないような、「生活」や「現実」から離れた感覚。

 文庫本で80ページほどの短い作品なのですが、濃密に形作られた世界観に引き込まれました。

 

「わたし」は、左手の薬指を失ったことでそれまで勤めていた清涼飲料水の工場でサイダーを作る仕事を辞めて、偶然張り紙を見つけた標本室の仕事に就くことになります。

「標本室」というのがまた奇妙ですね。

オーナーの弟子丸氏も謎が多いですし、標本技術室の中にも誰も立ち入れません。

そもそも、広告も出していないのに標本を必要とする人々が自然とやってくるというのも不可思議です。

 

標本にすることによって、人々は何を得るのでしょうか?

封じ込めること、分離すること、完結させることが、ここの標本の意義だからです。繰り返し思い出し、懐かしむための品物を持ってくる人はいないです

 例えば、大切な想い出、忘れられない素敵な記憶などではなくて、どこにもいけないやるせない想い。自分の心から切り離して昇華させたい心の靄みたいなものを標本にして、先に進んでいくのでしょうか?

 

火事で家族を失った少女は家の焼け跡に生えていたキノコを標本室に持ってきました。

家族を失った悲しみや、混乱を分離させて封じ込めたかったのでしょう。

標本室とはそのような場所で、標本にする作業は全て弟子丸氏が一人で行い、標本技術室には誰も立ち入ることはできません。

 

そんな弟子丸氏と「わたし」はひそやかな恋に落ちます。

恋という言葉を使っていいのか?恋愛のときめきや、引力みたいなものはなく、ひそやかで決められた儀式のように2人は浴場で時間を過ごすようになり、従順な「わたし」は弟子丸氏にされるがままに自らを捧げていきます。

 

「わたし」標本室で働き出して1年目に弟子丸氏から靴をプレゼントされます。

それは、「わたし」の足にとてもピッタリな素敵な黒いか皮靴でしたが、弟子丸氏は毎日その靴を履いてきて、自分が見ていない時もその靴だけを履き続けるように要求し、それまで「わたし」が履いていたビニール靴を床に叩きつけてしまいます。

一連の動作に荒々しさはないのですが、むしろ冷静に狂っていて支配的な感じで寒気がします。

 

それ以降、「わたし」と弟子丸氏は浴場で逢瀬を重ねますが、弟子丸氏はどこか偏執的でそこには歪んだ愛情を感じます。

あまりにも長い時間動けなかったので、わたしは彼の中で、標本にされてしまったような気分だった。

「わたし」の服を全部脱がせて靴だけは残して・・・と、エロティックになるべき場面もまるで実験をする科学者のように淡々としています。

谷崎潤一郎の作品なら情感たっぷりに官能的に描かれるのでしょうが、フェティシズムを感じさせながらも性的なものを感じません。

とても不思議な感覚でした。

 

「わたし」の靴は特殊な靴で、標本室に来た靴磨きのおじさんからあまりにも靴と足がぴったりすぎで、靴が足を侵し始めていると忠告をされます。

おじさんは、靴を履き続けると足をなくす事になるとも言います。

 

2度目に「わたし」が歩道橋の下で靴磨きのおじさんに出会った時に「今、この靴を脱がないと靴から逃げられなくなる」と忠告されますが、「自由になりたくないんです。この靴をはいたままま、標本室で、彼に封じ込められていたいんです」と答えます。

それは恋愛というには温かみに欠けた関係かもしれませんが、縛り付けて不自由に閉じ込められていたいという常軌を逸した感情が「わたし」を支配しています。

 

作中では、弟子丸氏の異常性がクローズアップされていますが、「わたし」も空虚で存在が希薄な人間です。弟子丸氏はそういった空っぽで従順な人間を求めていたのかもしれませんし、そういったお互いの歪さが引き寄せあったのかもしれません。

「わたし、今まで一度も恋人なんて呼べる人と付き合ったことがないから、よく分からないのです。ただ、彼とはどうしても離れられない、そういう気持ちと情況は確かにあるんです。そばにいたいなんて、なまやさしいことじゃなく、もっと根本的で、徹底的な意味において、彼に絡めとられているんです」

恋じゃないかもしれないけど、存在を根本から絡め取られている。

何もかも彼に委ねて。

耽美的で甘い表現のはずですが、どことなく湿度に欠けて甘やかさに欠けているように感じました。

 

「本当に標本室に戻ってしまうのかい?」

「ええ」

「そうかい。じゃあ、もう会えないな。元気でな」

 

この会話の場面、ぞくりときました。

靴を脱がずに標本室に戻るということは外の世界を歩き回る自由を放棄することだったでしょう。

 

そうして、「わたし」は自分の薬指を標本にするべく標本技術室のドアをノックします。

今までいた女の子はどこにいってしまっていたのでしょうか?

あのやけどを標本にしにきた女の子は?

みんな標本技術室の中で消えていったのでしょうか?

 

きっと「わたし」は今まで胸躍るような瞬間や、心が熱くなる瞬間とは無縁で、茫漠とながれるように生きてきたのではなかったのでしょうか?

そして弟子丸氏と出会い、彼の執着と狂気に絡め取られ、がんじがらめに縛り付けられてある種の歪んだ 愛情に囚われることを自ら望んだのでしょう。

きっと、今までの事務の女の子と同じように。

 

 

 

5、終わりに

 

2篇とも、とても不思議な手触りの作品でした。

特に『薬指の標本』の耽美で偏執的な弟子丸氏の愛情と、「わたし」の空虚さが心に残りました。

まるで春の夜みたいな生暖かいけど、少し冷たくて、蠱惑的な作品だと思いました。

 

 

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