1、作品の概要
2018年にアメリカで公開された映画で、実在のジャズピアニスト、ドン・シャーリーと、彼のツアー運転手を務めることになったトニー・ヴァレロンガのロードムービー。
監督はピーター・ファレリー。
ヴァレロンガの息子の協力で、劇中にも出てくる妻宛ての手紙を元に制作された。
2、あらすじ
人種差別が横行する1962年のアメリカ。
ジャズピアニストのドン・シャーリーはアメリカ中西部を回る8週間のツアーに出るために運転手兼ボディー・ガードにトニー・ヴァレロンガを雇う。
腕っぷしは強く、機転も効くトニーだったが、繊細で上品なドンは彼の粗野な正確や行動が気に入らずに衝突を繰り返し解雇も考えるようになる。
しかし、ツアー中にドンが一人で入店したバーで、白人達にリンチを受けるがトニーが窮地を救い。
それがきっかけで2人の距離は縮まっていく。
差別が渦巻く中、無事にツアーを続けていけるのか?
3、この作品に対する思い入れ
人種差別、LGBTなどアカデミー賞が好きそうなテーマを入れ込みながら、ロードムービーっぽく旅をしながら、友情と絆が深まっていく姿がとても魅力的に描かれていたと思います。
4、感想・書評
男同士の友情を描いた作品とかわりと好きなんですが、この映画は差別、LGBTとかも絡めながら思想や、価値観が全く違う2人の男性が親友になっていく様を描いていて感銘を受けました。
ドンは神経質で繊細、トニーは大雑把で適当で性格も真逆で最初は衝突するですが窮地に陥ったドンをトニーが助けたことで2人の距離は縮まっていきます。
また、トニーはドンのピアノの才能に感銘を受け、妻への手紙の文章の書き方を教えてもらい、お互いに支え合うようになります。
人種も立場も超えた友情ってなんか心に響きますね。
そして、この時代のアメリカの人種差別の酷さ。
黒人がバーに一人で出かけただけでリンチに遭うとか、酷いですね。。
まぁ、今も根強く残っているのだとは思いますが、白人用黒人用レストランも別々にあったりで驚きました。
僕が無知なだけかもしれませんが(^_^;)
ツアーの最終公演の夜にあまりに失礼な主催者側の態度に不快感を露わにして演奏を拒否したドンはトニーと2人で黒人のブルースクラブに行き、自らのピアノの演奏で店を盛り上げ、最高の夜を満喫します。
ドンの何かから解放されたかのような演奏のシーンが印象的でしたね!!
そして、大雪の中クリスマスイブには帰ると家族に約束したトニーの為にドンも奮闘。
最後はとても心温まるハッピーエンドでした。
5、終わりに
映画を観てて、ふとブルーハーツの『青空』を思い出しました。
あの曲もアメリカであった黒人のバスの乗車拒否のことを歌ってる歌だったと思います。