1、作品の概要
『四月物語』は1998年に公開された日本の映画。
監督・脚本が岩井俊二。
主演が松たか子。
上映時間は67分。
北海道から上京した女子大生の日常を綴った。
2024年4月現在、U-NEXTで配信中。
2、あらすじ
北海道から大学進学のために上京した卯月(松たか子)。
桜の舞い散る4月に武蔵野大学に入学した。
引っ込み思案な彼女だったが、クラスメイトの佐野と懇意になり、釣り部に入部する。
自身が住んでいた田舎とのギャップを感じながらも、日々を過ごす卯月。
彼女が上京した本当の理由とは・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
岩井俊二監督の作品が大好きだった大学生時代。
もちろん今も大好きですが、『四月物語』は当時上京してひとり暮らししていたヒロ氏に刺さりました。
U-NEXTで配信されていて、ちょうど今が4月だったので観てみました。
いやー、大学に入学してひとり暮らしを始めたのが27年前ですが、リアルに自分の状況と重ね合わせて観られた当時より、今のほうがむずきゅんハートブレイクでした。
誰かむずきゅんハートブレイクって言葉流行らせてください。
4、感想(ネタバレあり)
冒頭、松本幸四郎をはじめとするリアル松家が総出演してます。
友情出演的なアレでしょうか?
家族に見送られて、郷里の北海道から東京の大学に旅立つ卯月。
ローカル線の駅とかいいっすね~。
僕の地元もあんな感じやわ~って共感。
共感といえば、松たか子って僕と同い年のいわゆるヒロ世代だったみたいですね。
誕生日も1か月違いでディスティニーを感じちゃったので、松たか子さんこのブログを読んでたらぜひご連絡ください。
良かったらお茶でもしましょう。
などと世迷いごとをほざいて、閑話休題。
引っ越しのシーンとか、桜の花びらが秒速5センチメートルで散りまくって、やばくてやばかったです(語彙)
いや、ここまで散らんやろがいって(笑)
引っ越しの車がワイパー使って花びら散らしていたし。
うん、でもこの過剰さも良い。
結婚式の花嫁とか、冒頭から美しいです。
引っ越しの荷物がアリエナイ量で(笑)
引っ越し業者を必死に手伝おうとする卯月が健気でコミカルで良いです。
ご近所挨拶とか、大学のサークル活動の勧誘とか、自己紹介とか・・・。
いや、どんだけマイハートを懐かしさと既視感でない交ぜシェイクしたら気がすむねん!!って感じでした。
遠い昔に感じた感情が再生されて、でもそれはもう2度と味わうことが叶わない・・・。
そんなノスタルジーをフラメンコギターみたいに、マイ情緒をバランバラランとかき鳴らされるような映画です。
卯月が東京の大学に進学した理由。
それは憧れの先輩(田辺誠一)を追いかけてのことでした。
うおー、アオハルマックス!!
いや、そのために学費出して仕送りする親の気持ちを考えたことあるんか?
そこに愛はあるんか?
って今なら説教インザハウスですが、そのために勉強頑張って志望校に合格するって健気すぎます。
ちなみに弟氏が通っていた某大学がロケ地に使われていたことを知って驚愕。
上京して同じ高校出身とか、田舎出身ならアリエナイ確率ですね。
僕も、松たか子似の後輩が追いかけてきてくれたら良かったのですが、特に誰も追いかけてきませんでした。
そんで、先輩が本屋でアルバイトをしてて卯月は足繁く本屋に通って本を買うわけですよ。
パイセンは出勤していないのですが、レジの愛想ない女性に定休日を聞いたりしてさ。
いやー、むずきゅんハートブレイク!!
ずっと、にやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやしながら、観てました。
そしてついにパイセンとお話しして、パイセンも覚えてくれていて・・・。
いやー、もうオッサンをどれだけキュンさせれば気が済むん?
短い映画ですが、松たか子のイノセントさがもうキラキラ眩しくて最高でした。
奥菜恵、森七菜など少女のイノセントさを描くことにこだわりを感じさせる岩井俊二監督。
今作では松たか子の20歳当時の純粋なキラキラが存分に描かれていました。
5、終わりに
いやー、良かった。
思っていた以上にノスタルジーの波に攫われてしまうような映画でした。
過ぎ去ってしまって、2度と味わうことができない感覚だからこそ愛おしくてより濃密に心に訴えかけてくるものがある。
そんなふうに感じました。
「俺は過去は振り返らないぜっ!!」とか言いつつも、人生の半分以上が過去に属するオッサンとしては、過去の記憶の反芻は避けがたく繰り返し行われていくものです。
そんなときに寄り添ってくれる物語。
僕にとって『四月物語』はそんな映画でした。
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