ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

【映画】『花とアリス』

1、作品の概要

 

2004年に公開された岩井俊二監督・脚本・製作の長編映画

蒼井優鈴木杏がW主演。

2003年にキットカット30周年を記念してネット配信限定で公開されたショートムービーを基にしている。

 

2015年に長編アニメーション映画『花とアリス殺人事件』が、『花とアリス』の前日譚としてが公開された。

声優は、『花とアリス』の主演2人がそれぞれ務めた。

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2、あらすじ

 

花とアリスは大の親友で、中学校でもバレエ教室でもいつも一緒。

電車の中で見かけた男子高校生・宮本に一目惚れをしたアリス。

花と2人で彼の写真をこっそり撮り続けて、花もやがて彼のことを好きになってしまう。

宮本がいる手塚高校に入学した2人はひょんなことから奇妙な3角関係に陥っていく。


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3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ

 

岩井俊二監督の作品が好きなのですが、『花とアリス』はまだ観てなくて今回初めて観ました。

いや、オッサンが少女2人が主人公の青春恋愛映画を観るってどうよ?とか思いながら観ましたが、シュールな演出、美しい風景のシーンも多く楽しんで観られました。

やっぱ、岩井俊二監督の作品は映像が綺麗で好きだな~。

スピンオフアニメの『花とアリス殺人事件』も観てみたいです♪


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4、感想・書評

 

2001年に公開された『リリイ・シュシュのすべて』で映画デビューした蒼井優は、『花とアリス』で主演を務めています。

もうアリス役の蒼井優の透明感が凄すぎて透き通って見えましたよ(笑)

少女のあどけなさと、大人びた表情と上手に演じていたと思います。

ラストのバレエのシーンもとても綺麗で良かったですね~。

って、蒼井優はバレエ習っていたんですねぇ。

道理で上手いと思いました。


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花(鈴木杏)と、アリス(蒼井優)の友情や、宮本まーくんも交えての3角関係が物語の中心ですが、あまりシリアスな感じではなくてどこかクスリと笑ってしまうようなシュールなシーンも多くありました。

駅の名前が藤子で、手塚高校に通ってとか、落語家名が「モーレツア太郎」だったりとかやたらと手塚治虫藤子不二雄へのオマージュが至るところにありましたね。

宮本まーくんの記憶喪失のくだりも「そんなことあるかー?」ってな感じのシュールさで、花が強引に丸め込んでいき更にアリスも元カノ設定で巻き込んでいきますがこの辺のやり取りの脱力感が独特でクセになる感じでした。

 

2人の少女が屈託なく戯れたり、2人もしくは3人でデートしたりする場面でも、桜が舞っていたり、森や海の映像が美しかったりと印象に残る場面が多かったですね。

15~16歳という多感な時期に少女から大人へと揺れ動く微妙な心の動きを上手に表現した作品だったと思います。

 

おそらくアリスが子供の頃に父親と海で無くしてしまった「ハートのエース」のトランプをまーくんが見つけるという奇跡みたいな偶然。

そのトランプを託したアリスと、大事に持っていたまーくん。

アリスは奔放に振舞って花を困惑させたりもしますが、最後は花のことを思いやって自分の気持ちに蓋をしたのでしょうか?

最後のバレエのシーンはそういった想いを断ち切るような意味があって、蛹が蝶になるように少女が大人になっていく一つのイニシエーションだったようにも思えました。

 

 

 

5、終わりに

 

久々に岩井俊二ワールドを堪能しました♪

いやー、やっぱりいいっすねぇ。

映像と音楽。

光の加減とかめっちゃ好きです。

初期の『undo』『PiCNIC』なんかが好きですが、久々に観てみたくなりました(^O^)

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