ヒロの本棚

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【映画】『Coda あいのうた』

1、作品の概要

 

『Coda あいのうた』は2021年に公開されたアメリカ・カナダ・フランス合同製作のコメディ・ドラマ映画。

フランス映画『エール』をリメイクした。

シアン・へダー監督・脚本。

主演はエミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、マーリー・マトリンらが出演している。

上映時間は111分。

アカデミー賞で作品賞、脚色賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)を受賞。

ゴールデングローブ賞でも、ドラマ映画賞と助演男優賞を受賞している。

聴覚障害者の両親と兄の家族の中で一人だけ健常者の少女の葛藤と成長を描いた。

 

 

 

2、あらすじ

 

聴覚障害者の両親と兄の家族の中で1人だけ健常者のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、父親(トロイ・コッツァー)の漁船の仕事を兄(ダニエル・デュラント)と一緒に手伝いながら、ハイスクールの合唱団で歌を歌っていた。

コンサートに向けてヴィラロボス先生から厳しい指導を受けるルビーだったが、家族の仕事の手伝いもあり、なかなか大好きな歌に打ち込むことができなかった。

ルビーは歌の才能を認められて音楽大学に進学することを勧められるが、父親の漁業も聴覚障害者だけで船を動かすことを禁じられて苦境に立たされていて、家族は彼女の助けを求めていた。

自分のやりたいこと夢を追いかけるのか、それとも家族のために夢を封印して一緒に生きていくのか?

ルビーは葛藤しながらコンサート当日を迎えるが・・・。


www.youtube.com

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ

 

アカデミー賞受賞で話題になっていた『コーダ あいのうた』ですが、僕的には「なんだよ『ドライブ・マイ・カー』じゃねぇのかよ」とか思ってあまり観る気がしませんでした。

爽やかファミリー映画とかだったらあんまり興味ないなぁとか思ってたのですが、はてなブログ界のクイーンことmiyako姐さんの感想を読んで「やっぱ面白そうかも!!」って思って観てみることにしました。

www.421miyako.com

 

アマゾンプライムビデオで観られたっていうのも大きかったですねぇ。

いやぁ、アマゾンプライムビデオ最高ですね!!

チェンソーマン』も『スパイファミリー』も『Coda あいのうた』も全部観られて月にたったの500円!!

安いよヤバいよ!!押すなよ!!押すなよ!!

って、頼まれてもないのにアマゾンプライムビデオ推しでアマゾンの回し者みたいになってますが、特にアマゾンからは何ももらってませんよ(笑)

「密林からの使者」とか、新たな異名を襲名しそうですね。

miyakoさんはクレカもアマゾンなので、ドップリ密林生活でどんだけアマゾネスやねんって感じですね!!

www.amazon.co.jp

 

 

 

4、感想(ここからネタバレしますよ)

 

『Coda あいのうた』は、17歳の少女の成長譚であり、甘酸っぱい青春と恋愛の物語であり、家族の愛と自立の物語であり、ハンディ・キャップをどう考えるかの物語であり、美しい音楽と歌の物語でもありました。

社会問題にかかわる作品が受賞しがちなアカデミー賞ですが、聴覚障害者の家族と「Coda(聴覚障害者の親で障害がない子供)」との家族の結び付きや軋轢をテーマとしたのは「らしい」作品が受賞したなと思います。

もちろん良い意味で。

 

僕が一番印象に残っているのは、聴覚障害者の父親と母親と兄の中で1人だけ健常者として一緒に暮らしているルビーの家族の中の立ち位置でした。

漁業組合を立ち上げたことで、通訳としての役割を前より求められるようになり、家族としての役割と自分のやりたいこととの葛藤で悩むルビー。

社会の中では健常者はマジョリティなのですが、自分以外は聴覚障害者の家族の中ではマイノリティな存在である彼女はとても特異な環境で、繊細な役割を担ってきたのだと思います。

ルビーが早熟で現実的な考え方をしているのもそんな環境からかもしれません。

聴覚障害を持っているということと関係あるのかないのかはわかりませんが、両親ともにブッ飛んでいましたしね(笑)

年頃の娘がボーイフレンドを連れてきているのに、昼間から大声でおセックス致しているとか(^_^;)

 

マジョリティかマイノリティかという問題は環境によってガラリと変わります。

僕も個人的な体験で20代でクラブでウェイウェイしていたころに聴覚障害(高い音が聞こえない)を持った女の子とよく遊んでいて、彼女が聴覚障害(全く聞こえない)を持ったお友達2人がクラブに行きたがっているからみんなで行こうって言って行ったことがありました。

聞こえないのにクラブに行って楽しいのか?

人によるのかもしれませんが、音楽を楽しめなくても、雰囲気やダンスやお酒や、楽しめる要素はたくさんあるので、僕は耳が聞こえない方でもクラブは楽しめるのだと思います。

 

それと岩井俊二監督の映画『FRIED DRAGON FISH』で、浅野忠信が言った名言。

「オンガクはカラダで聴くんだよ」

どでかい倉庫の床に寝転がった浅野がマーラーを大音量で流しながら言った言葉。

20数年前に観た映画ですが、いまだに印象に残っています。

 

そんな浅野忠信の言葉をパクって聴覚障害を持ったお友達と一緒にクラブに行った時に、クラブの壁に張り付いてみました。

「オンガクはカラダで聴くんだよ」

西麻布のイエローのサウンドシステムはフロアの壁もビリビリ音圧で揺らしていて、その音の波動をカラダで感じることができました。

「コーダ あいのうた」でも両親が爆音でヒップホップを聴いていた理由は重低音がいい感じだからだったと思います。

音が聞こえなくても、音楽を感じることができる(ことがある)というのは大きな福音であるのかもしれません。

 

そんなこんなでクラブでオールしたあとに行った(たぶん)乃木坂のデニーズ。

手話があまりできなかった僕をよそに他の3人は手話を用いて闊達に会話していました。

僕だけがそこにかかわれない居心地の悪さ。

それは、僕がその瞬間コミュニティにおいてマイノリティであったことを証明していました。

 

そのあと少し手話を勉強しましたが、今でも覚えている手話は「ビール飲む」ぐらいだったりします。

全然だめじゃん(笑)

 

映画の内容に戻ると、家族のつながりと自分の夢との2択を迫られていたような彼女は結局家族の支えによって、自分の夢やりたいことを貫きます。

もう本当に感動するし。

めっちゃ感動インザハウス。

号泣インザハウスですよ!!

3枚ぐらいハンカチ用意して観ることをおすすめしますぜ!!

 

本当に愛している。

だからこそ自立して離れていても生きていける。

ずっと一緒に。

そんな家族の在り方。

愛し方があるのではないかと思ったすごく良い映画だったと思います♪

 

 

 

5、終わりに

 

いやーーーーーーーーー。

映画って、本当によいものですね~。

『Coda あいのうた』すごくたくさんの要素を絡めながらとてもわかりやすく物語が進行していて、とても良い映画でした!!

 

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