1、作品の概要
『ココ・アヴァン・シャネル』は、フランスの映画。
2009年に公開された。
上映時間は110分。
原作はエドモンド・シャルル=ルーの同名小説。
監督・脚本はアンヌ・フォンテーヌ。
ファッション・ブランド「CHANEL」の創始者である、ココ・シャネルの半生を描いた伝記映画。
2023年9月現在、アマゾンプライムビデオで配信中。
2、あらすじ
20世紀初め、ガブリエル・シャネル(オドレイ・トトゥ)は孤児院で育ち、姉と共に針子とナイトクラブの歌手で生計を立てていた。
歯に布着せぬガブリエルことココは、口が災いしてナイトクラブを首になるが、バルサン伯爵の手引きで歌手のオーディションを受けることになる。
しかし、姉は男爵の愛人となり歌手になることを拒否、1人で受けたオーディションは散々な結果に終わってしまう。
ココは、一念発起しパリに出て、半ば無理やりバルサン伯爵の元へと転がり込む。
とにかく仕事をして自分の力で成功したいココは、当時の女性たちとは全く違ったシンプルなスタイルで男勝りに自分らしく生きていく。
ある日、そんな彼女に惹かれるボーイ(アレッサンドロ・二ヴォラ)に出会い、ココも彼のことを愛するようになるが・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
ココ・シャネルがどれだけ斬新なデザインを提供し、世界のファッションを変えたのか、そんな背景が伝わってくるような映画でした。
海外の伝記映画って、個人的にはあまり当たり外れがなくて楽しんで観られます。
あまり自分とは縁がないハイブランドのCHANELですが、ちょっと興味が湧きました。
今度、Tシャツぐらい買ってみるかな(笑)
4、感想
20世紀初頭当時のフランスの女性、社会の成り立ち。
そんな在り方自体にノーを突き付けて、周りから笑われようともシンプルで自分らしいファッションを貫いたココ・シャネルがかっこよく眩しかったです。
まぁ、バルサン伯爵を利用したりとか、その代償に身体を許したりとか。
それぐらいしないと、孤児から世界一へとのし上がることは不可能だったのかなとも思います。
ヨーロッパって、今でこそ感性的に拓けていて自由な感じがしますが、根っこはやはり伝統を重んじて封建的な感じがします。
だからこそ、芸術・文化の分野においても何度も革命があって、その都度古いものをドラスティックに叩き壊して、新しく鮮烈な感性が台頭する循環があったのでしょう。
以前観た、クリムトとエゴン・シーレのドキュメンタリーを思い出しました。
古い時代の慣習と感性が長く続いたあとに、突出した才能を持った天才が新鮮な感性を持って古いものを駆逐していく。
ヨーロッパの歴史はその繰り返しのようにも思えました。
ヨーロッパどころか、外国にも行ったことないけどさ(笑)
当時は、女性はヒラヒラしたドレスを着て、男性に愛されることを考えるが美徳で、「働いたら負け」的な現代の日本のニートのような感覚だったようです。
女性が働きたいというだけで奇異の目で見られますが、さらに自分の力で成功したい、冨と名声を手に入れたいというのは理解を超えた考えだったのでしょう。
しかし、過度にヒラヒラとして色彩的にも華美な女性の服装に対して、あくまでシンプルなシルエット色彩のファッションを突き付けて、「CHANEL」を世界のファッションのメインストリームに持ってきたのは驚嘆の一言です。
しかし、最愛の人も亡くし、自らも何かを失いながら得た巨大な成功。
ラストシーンのファッションショーでみせた、ココの虚無的な表情は何を意味し、何を語っていたのでしょうか?
なんとなくマークザッカーバーグの映画『ソーシャルネットワーク』のラストシーンの孤独な姿を思い出しました。
成功者とは時に孤独なものなのかもしれませんね。
僕は一生孤独な成功者にはなれなさそうですが(;^ω^)
5、終わりに
もうちょっと、ファッションブランドとしてどう成功していったかに焦点が当てられても良いような気もしましたが、ファッションと出会うまでの混乱が長く描かれた映画でした。
でも、自分を変革しうる何か。
それに出会うのは容易ではないし、多くの人はそのような革命とは無縁の人生を送る。
もちろん、僕もきっとそうだ。
そんなチャンスを得た彼女の生きざまは現代からみてもとても鮮烈で、そして・・・。
かっこよかった!!
↓ブログランキング参加中!!良かったらクリックよろしくお願いします!!