ヒロの本棚

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【映画】『ジュディ 虹の彼方に』~古のミュージカルスターの光と影~

1、作品の概要

 

2019年にアメリカイギリスの合作で製作された伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランドの伝記映画。

2019年9月に全米公開、2020年3月に日本で公開された。

ゴールデングローブ賞アカデミー賞レネー・ゼルウィガーが主演女優賞を受賞した。


JUDY Trailer (2019)

 

 

2、あらすじ

 

子役の頃からハリウッドで女優として活躍し、『オズの魔法使い』のドロシー役でスターダムを駆け上がったジュディ・ガーランドレネー・ゼルウィガー)。

しかし、痩せるために薬漬けにされて、私生活も管理されながら、激務をこなす日々は彼女の精神を蝕み、神経症と薬物中毒の後遺症に苦しみ続けていた。

47歳になったジュディは2人の子供を育てるシングルマザーになっていたが、仕事は減り生活は困窮していたが、まとまった収入を得て子供達と暮らすために5週間のロンドン公演に出演する。

 

プレッシャーで不安定になりながらも、マネージャーのロザリン(ジェシーバックリー)、恋人のミッキー(フィン・ウィットロック)に励まされて圧巻のパフォーマンスを披露して観客を魅了する。

しかし、夫になったミッキーとの破局、子供達の裏切りなど心に深い傷を負って、酩酊したままステージにあがり契約を解除されてしまう。

 

ジュディはもう一度輝くことができるのか?

ジュディ 虹の彼方に(字幕版)

ジュディ 虹の彼方に(字幕版)

  • 発売日: 2020/09/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 

3、この作品に対する思い入れ

 

ジュディ・ガーランドのことは知らなかったのですが、映画館でチラシを見て気になっていました。

最近、DVDを観ましたが、レネー・ゼルウィガー本人の歌と踊りのパフォーマンスが秀逸でジュディにも興味が湧きました。

好きな音楽映画のひとつになりました♪

 

 

4、感想

①波乱万丈のジュディの人生

薬漬けにされて、オーバーワークを強いられて、徹底的に管理されながら『オズの魔法使い』のドロシー役で世界的なブレイクを果たしたジュディ。

しかし、神経症や薬物依存に苛まされてアメリカのショービジネスの世界から干されていました。

冒頭で子供を連れて、その日泊まる場所もなく転々とする姿は痛ましかったですね。

 

この映画を観てからジュディ・ガーランドのことを調べてあの名曲「OVER THE RAINBOW」を歌った人だと知って感銘を覚えました。

正にレジェンドですね!!

しかも、1回目にリメイクされた『スタア誕生』で主演を務めて高い評価を受けました。

ちなみに2回目のリメイクがレディー・ガガが主演した『アリー/スター誕生』です。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

しかし、不安定な精神状態からまともに仕事ができずに困窮していくジュディ。

映画はそんなジュディの晩年を描いています。

幼少期に世界的な名声を得てスターになりながら、私生活では5回の離婚を繰り返し、精神的にボロボロになっていく・・・。

典型的な破滅的なスター。

ちょっとAMY WINEHOUSEを思い出しました。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

②素晴らしい音楽シーン

ロンドン公演でリハーサルはすっぽかし、直前まで情緒不安定で、遅刻ギリギリにステージに立ったジュディ・・・。

こりゃ、ダメだろとか思ってたら、素晴らしい歌を披露し、観客の心を鷲掴みに!!

レネー・ゼルウィガーはシンガーの吹き替えなしに自身の歌で演じましたが、シンガー顔負けのパフォーマンスでしたね!!

まさに圧巻でした!!


「オーバー・ザ・レインボー」をレネー・ゼルウィガーが歌い上げる!映画『ジュディ 虹の彼方に』スペシャルMV

 

サントラも買ってみたいし、ジュディ・ガーランドカーネギーホールでのライブ盤もめちゃくちゃいいみたいですね♪

そして、ラストの「OVER THE RAINBOW」は感動でした・・・。

 

③再びの挫折・・・そして奇跡

ロンドン公演で復活したかに思えたジュディは、夫・ミッキーとの破局、子供達が自分との生活を望んでいないことを知り、失意のどん底に落ちます。

なんか、このあたりもアップダウンが激しい人生ですね・・・。

上がる時はバーっと上がりますが、堕ちる時も真っ逆さまっていうか・・・。

 

ボロボロの状態でステージにあがったジュディは酩酊状態で倒れてしまい契約破棄されてしまいます。

そんなジュディのためにロンドンでのマネージャー・ロザリンがささやかな送別会を開きます。

ロザリン、僕的に気になる役柄でしたね~。

いい味だしてました。

 

最後に一曲だけどステージに上がったジュディに起こった奇跡に深い感動を覚えました。

カート・コヴァーン、シド・ヴィシャスエイミー・ワインハウスなど破滅的なスターの人生はアップダウンが激しく、その一瞬強い輝きは人々を魅了するのでしょう。

ジュディの最後の輝きを凝縮したのが、この映画だったのだと思います。

 

 

5、終わりに

 

この映画を通じてジュディ・ガーランドについて知ることができたことがとても良かったと思います。

最近では、サッカー界のスーパースターであるディエゴ・マラドーナが死去し、ドキュメンタリー映画が公開になりました。

色々と利権も絡んでいるかもしれませんが、こういったレジェンド達が映画をキッカケに見直されて、新たなムーヴメントが起きるのは良いことだと思います。

ジュディの波乱に満ちた人生が見せた放熱の軌跡に深い感動を覚えました。

 

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