1、作品の概要
『THE BATMAN』は2022年3月に公開されたアメリカの映画。
DCコミックスの「バットマン」を主人公とした映画で、若き日のバットマンが描かれている。
監督はマット・リーヴス、バットマン(ブルース・ウェイン)をロバートパティンソンが演じた。
キャット・ウーマン(セリーナ・カイル)をゾーイ・グラヴィッツ、リドラーをポール・ダノ、ジェームズゴードン警部補をジェフリー・ライトが演じた。
予告編・作中でNIRVANA『Something in the way』が使用されて話題を呼んだ。
2、あらすじ
幼い頃に両親を殺されたブルース・ウェインはバットマンとして2年間ゴッサム・シティで悪人と戦ってきた。
しかし、まだ若い彼は癒えぬ心の傷を抱えて、自らの心の恐怖と絶望を抱えていた。
ハロウィンの夜に起こったドン・ミッチェル市長殺害事件の犯人・リドラーは現場にナゾナゾと暗号、バットマンへの手紙を残し、彼らを挑発し続ける。
ゴードン警部補とともにリドラーを追うバットマンは、正義の側に立つべきに人々のマフィアとの癒着・不正を目にする。
市長に続き、検事や警察など不正に関わった者たちが次々に殺害されていくなか、バットマンは真実にたどり着くことができるのか?
そして、リドラーの最後の標的とは・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
あんまりアメコミヒーローものとか興味をそそられなくて、バットマンシリーズをあまり観てなかったのですが、『JOKER』がめっちゃ良かったのと、ノーラン監督の『ダークナイト』トリロジーがすごくダークでいい感じだったので、『THE BATMAN』を観てみました!!
それとnonoさんがブログで紹介していて、「重くて暗い」っておっしゃってて、多分僕も好きな映画だなとか思ってみたりして(笑)
nonoさんも、『JOKER』『ダークナイト』トリロジーを観られて、『THE BATMAN』を観られたとのこと。
ナカーマ(๑≧౪≦)
『ダークナイト』全部観れてないからそっちも観なきゃ~。
4、感想
もう冒頭からヒーローものとは思えない重々しいモノローグ。
映像もぼかしたりとかして撮っていてイイ感じです。
ブルース・ウェインもバットマンというより悪役の風貌ですね(^_^;)
NIRVANA『Something in the way』が陰鬱なアコースティックのメロディーと共に鳴り響いていて、映画の雰囲気にハマってますね。
いやぁ、よくこの曲使ったなぁ。
大ヒットアルバム『NEVERMIND』のラストナンバーですが、グランジロック全盛期にこの内省的な曲調とアコギ、チェロのシンプルで静謐な音。
歌詞も、カート・コヴァーンがホームレス生活をして、橋の下で暮らしていたことを歌った救いのない内容です。
映画の世界観、ブルース・ウェインの内面にピッタリ合っている気がします。
バットマンは悪と戦うヒーローとして街で知られていますが、ブルース・ウェインの内面は脆く弱く、両親を殺された傷を克服することができず、悪に怯えながらも恐怖と怒りを糧に戦っているように思えます。
ウェインはそんな弱くて闇を抱えた本当の自分を見られたくなくて、バットマンの仮面をかぶっているようにも見えます。
仮面をつけることで別人になって、あるべき自分の姿になることができる。
悪と戦う正義のヒーローに。
仮面の下でウェインはいつもどんな顔をしていたのでしょうか?
監督のマット・リーヴスはバットマンの中の人、ブルース・ウェインのキャラクターを考える時にNIRVANAのカート・コヴァーンをモデルにしたそうです。
映画を観終わったあとにそのことを知って「ん?どのへんがカート・コヴァーンなんだろ?」って一瞬疑問に思いました。
カートはNIRVANA『NEVERMIND』の爆発的ヒットで世界に名を知られるグランジ・ロックのスターでしたが、彼の詩の世界や言動から見るに内面はとてつもなく繊細で内省的な人間であったと言われています。
ロックスターとしての自分と、傷つきやすく繊細な自分。
そのギャップに苦しんだことがカートを自殺に追いやった一因とも言われていて、そのことはウェインとバットマンのギャップを彷彿とさせます。
ロックスターとしてのカート=バットマン、繊細で傷つきやすいカート=両親を殺された傷を克服できず闇を抱えるウェイン。
そういった1人の人間の中に同居する2面性。
そう在りたい姿(ロックスター、バットマン)としてのペルソナと、その仮面の下の本当の弱い自分。
カートのそういった部分をウェインのモデルにしたのかなと感じました。
ストーリーはバトルやアクションより、謎解きやミステリー要素が強かったですね。
しかし、最後にはカタストロフィが待っていました。
復讐者として戦っていたバットマンが復讐からはなにも生まれないことを悟り、誰かを助ける為に身を投げうつ姿は感動的でした。
続編も楽しみです♪
5、終わりに
いやー、やっぱりダークヒーローものって面白いっすね。
僕もたまはダークヒロになってみたいです。
3時間の長さを感じさせない良い映画でした♪