1、作品の概要
2005年に出版された西加奈子原作の日本映画。
2020年に公開された。
北村匠海主演。
小松奈々、吉沢亮が兄弟役で出演している。
監督は矢崎仁司。
主題歌は東京事変『青のID』
2、あらすじ
父、母、兄(一)、妹(美貴)、主人公(薫)の5人家族は新興の住宅地で犬のサクラと一緒に幸せに暮らしていた。
兄の一(はじめ)は、イケメンで運動神経抜群でまるで太陽のような存在だった。
妹も美形の両親のDNAを受け継いで、美しく成長していく。
薫は凡庸だったが、風変わりな一家の愛情の中ですくすくと成長していく。
何より兄の一は憧れの存在で、家族の幸せの中心にはいつもサクラがいた。
兄は中学の時に初めてできた彼女の矢嶋さんと深く愛し合うが、矢嶋さんの家庭の事情で離れ離れになってしまう。
失恋し失意の一は、交通事故に遭ってしまい・・・。
幸せだった一家の歯車は狂い始める。
バラバラになり絶望した家族は再生できるのか?
3、この作品を観たきっかけ、思い入れ
元々西加奈子の原作『さくら』が好きで映画を楽しみにしていました。
映画は職場のコロナ規定もあり観に行けませんでしたが、DVDのレンタルが開始したので観ることができました。
原作のニュアンスをうまく汲んでいて、なかなか良い作品だったと思います。
4、感想・書評
いやー、とにかく美貴役の小松奈々が良かったです!!
奔放で小悪魔的で、何をしでかすかわからないような美貴を小松奈々が演じる・・・。
どちらかというと大人しめな役が多い印象の小松奈々なので、美貴役をうまく演じられているか心配でしたが、意外にめっちゃハマり役!!
喧嘩したり、奇行に走ったり、一の葬式でちょっとおかしくなって失禁してしまったりとちょっとアレなシーンも迫真の演技で演じていました。
好きな女優の1人ですね~。
吉沢亮の一役(中学生~大学生)はちょっと無理がある気がしましたが、北村匠海の薫役は素朴で控えめなところがいい感じだったと思います。
ただ、さくらが一家にとってどんな存在だったのかという部分とか、ラストシーンの暴走シーンはもう少し掘り下げて欲しかった気もしますが、総体的によくできた映画だったと思います(^O^)
5、終わりに
前半部分はとてもほっこりして、後半は苦しくなるんですが、ラストでは再生を描く。
やっぱり西加奈子の作品は良いな~と思いながら観ました。
どうしても原作と比較してしまいますが、登場人物のビジュアルや、エピソードなどを映像で観られて興味深かったです。
『きいろいゾウ』も原作も映画も良かったな~。