☆序章・誰がために鐘は鳴る?☆
今日は、クラシックの気分でモーツァルトの『レクイエム』を聴いています。
初夏の空気が僕の記憶を刺激します。
そう、あの日、あの時、あの場所で初めてエロい本を買った記憶を・・・。
最近、ツィッターで女性フォロワーが増えて、ワクワクしてたのにこのようなネタのブログを書いて・・・。
フォロワーが減っていく音が聴こえていく気がしますが・・・。
だがしかし、僕は書きます。
それが、僕のイデオロギー。
毅然として。
前を向いて進みます。
恥の多い生涯を送ってきました。
これかも、泥田に絡まって汚穢に塗れるような人生を送るのでしょう。
いいえ、慰めは不要。
僕はわかっているのです。
しかし。
歩みを止めることはしません。
僕は語ります。
善悪も、羞恥も。倫理も全て超えて。
☆少年は旅立つ・・・。エロ本を求めて☆
まずは、僕のリビドーの話をせねばならないと思います。
幼少の頃から、とても真面目で、優等生タイプだったと思います。
品行方正で、嘘なんかついたことないみたいな。
毎年学級委員を務めるのが当たり前みたいな。
そんな人間でした。
ええ、本当ですよ。
そんな、人間だったので近所のガキ大将とかが、のっぱらでエロ本を見つけても僕は「そういうのは好きじゃない」とかすかして見ない子供だった。
学級委員で神童なヒロやん。
でもさ。
でもさ。
本当は、とても見たかった・・・
何がって?
エロ本だよ!!
オッパイが見たかったんだよ!!
でも、何となくのパブリックイメージというか、羞恥心が強いというか・・・。
そうやって、自らのリビドーを自意識の檻の深く奥底に閉じ込めていた。
しかし、ヒロ少年は成長し、彼の健全なリビドーは理性の殻を打ち破るほどに成長し、彼の世界は砕けようとしていた。
これは、ある少年のリビドーと葛藤の物語。
この記事は、ある意味ヒロ的仮面の告白である。
☆AGE1994EHIME☆
平易な言葉で難解な物語を、と村上春樹は語ったのだけれど僕は難解な言葉で平易な物語を語ろうと思う。
それは、1人の少年の解放の物語であるしある夏の夜の凡庸な与太話かもしれない。
しかし、一筋の真実が闇を切り裂くときに物語は始まり語り継がれていく。
あるいは、伝説の始まりとはそういうものかもしれない。
僕はこれから伝説の始まりとなる一つの可能性となる物語を語ろうとしているのかもしれない。
それは、時に醜悪で生々しく、ある意味においては取るに足らない話なのかもしれない。
でも、どうか。
目を背けないでいてほしい。
この物語がいかに醜悪でも。
彼は、世界に背を向けて悪を為し、自らを解放しようと闘った。
彼の放熱の跡を。
僕は、丹念に追いたいと思っている。
それは、自らのコンプレックスとの戦いであり、イデオロギーとの格闘であり、観念的格闘の所産ですらあったかもしれない。
彼の精神が描き出した放熱の跡は、中空に鮮やかな弧を描き未だに僕の眼を焼き続けている。
僕は、語りたい。
あの夏の話を、世界が輝いて最も美しく甘美だったあの時を。
それきり、世界は歩みを止めて彼の世界に絶望の雨を絶え間なく降らしている。
しかし、僕たちは再び歩むだろう。
あの瞬間を決して忘れない。
君(EROHON)を手に入れた瞬間を。
☆旅、あるいは夜の書店への散歩☆
僕はとうとう決意した。
初夏のある夜のこと。
記憶が定かではないが、おそらく7月ではなかったかと思う。
僕の誕生月だ。
僕は決心した。
僕は、エロ本を、買う。
ずっと、その可能性について目を背けていた。
理性と本能が血なまぐさい戦いを繰り広げて、僕の精神は焼け野原のようになった。
どれだけの血が流れて、どれだけの葛藤が繰り広げられたのだろうか?
僕は、そのひとつの犯罪行為に等しい可能性に身を委ねる他に選択肢はなかった。
他に何ができたのだろうか?
ある初夏の夜に僕は夕食と入浴を終えて、散歩に出かけると両親に言った。
実際は、遠くへ旅するのだ。
距離的にも、観念的にも。
近くの本屋だと、○○さんちのヒロくんがエロ本を買ったってな噂が広がることを恐れた僕はやや遠目の本屋をターゲットにしていた。
しかも、営業時間を調べて閉店スレスレに行ってエロ本をGETするという完璧な作戦。
ああ、僕は恐ろしい。
エロ本をGETするために絞り出した悪知恵が・・・。
まるでアダムに知恵の実を食べさせた蛇の如く奸智。
鳩のように素直に、蛇の如く聡くとか太宰は言ったけど・・・。
んなわけでチャリをこぎまくってたどり着いた書店。
閉店30分前。
滑り込むように入店し、『紺碧の艦隊』を立ち読みながらニイタカヤマノボレ。
客の数はまばらだったが、僕は決して油断しなかった。
誰にも見られてはいけない。
同時に僕はさりげなくエロ本コーナーの前を通り過ぎながら手にすべきその聖書(あるいは性書でもあったのでだろうか)を物色していた。
まるで、弱った獲物を狙うコンドルのように何度も旋回して目を血走らせていた僕の姿はまさに人外であったのだと思います。
そして、閉店時間が近づき、決断の時が近づきました。
僕はそれまでの人生を想いました。
リビトーと羞恥が交錯し、僕の精神に稲妻のような葛藤が生じました。
理性と本能。
欲望と羞恥。
愛と憎しみ。
様々な相反するイデオロギーが僕の身体を真っ二つに引き裂きました。
僕は、躊躇しました。
エロ本を買うという行為に。
その背徳に。
罪悪に。
醜悪さに。
しかし、僕は決断します。
悪を為す。
これまでの人生を、価値観を、哲学を、倫理観を。
この場で全て超えていく。
僕は超えていき、無上の快楽と愉悦を手にするのだ。
例え、この世界から背を向けても。
神々が眉を顰めようともかまわない。
僕は。
僕を超えていくのだ。
僕は、本棚からエロ本を手に取った。
視界からたくさんのものが消え去っていた。
色も、時間も。
ゾーンに入っていた。
万能感に満ち溢れ時間も空間も僕の支配下にあった。
そうして、僕は・・・。
エロ本を2冊手に取った。
内容は覚えてない。
しかし、なるべく分厚そうなものを手に取ったのを覚えている。
より多くのオッパイを求めて・・・。
エロ本を胸に抱えてレジに向かう。
もう店内には店員を僕の2人しかいなかった。
戦地から帰ってきた兵隊のように胸を張ってレジにエロ本を2冊差し出した。
その時の僕はとても毅然としていた。
おそらく人生で最も胸を張って堂々としていた瞬間であったかもしれない。
でも、そうすること以外僕に何ができただろうか?
本屋の店員は60歳ぐらいのおばさんだった。
おばさんは何もかも悟りきったような慈愛の表情で僕のことを見ていた。
そして、何もかも包み込むような優しい微笑を浮かべてエロ本の会計をしてくれた。
僕は本屋の紙袋を自転車のカゴに大事に入れて、家路を辿った。
初夏の生ぬるい空気は僕の皮膚を包み。
ほどけて。
流れていった。
自転車のペダルを何度も思い切り踏み込む。
立ちこぎして、その頼りない車体を軋ませるようにジグザグに加速していく。
虫の音がリンリンと響いて美しかった。
僕の体は自転車とまるで一体化したように熱を孕み、グングンと加速していく。
夜の街は静まって音も色も失ってしまっているようだ。
そんな闇を切り裂いてく。
僕と、自転車と、エロ本が。
まるで一筋の希望。
光のように。
無明を裂いていく。
見上げれば月が、星が。
僕を見守っていた。
空を見上げながら自転車を飛ばすと、まるで宇宙と一体になったかのように感じられた。
このまま、月まで走っていけそうに感じられた。
エロ本を抱えて。
橋を渡って海を眼下に進む。
行き交う車も少なく、僕はどこまでも行けそうな気がしていた。
潮の香りが鼻腔を刺激し、さらに気分を高揚させる。
赦されている。
僕は唐突にそう思った。
僕は、世界に赦されている。
悪を為し、自らを超えて、倫理を踏みつけても神は僕のことを見捨てはしない。
世界は僕のことを照らし続ける。
光は絶えない。
ああ、歌が聞こえる。
賛歌が。
月も星も海も。
彼を祝福していた。
彼は矢のように走り抜けた。
無上の幸福感と共に。
そして。
エロ本を。
貪り読んだ。
(完)
☆あとがきとか、半年記念、グーグル砲☆
いや、さーせん。
ホント、さーせん。
でも、定期的にこういうの書きたくなるんすよ。
んで、ブログ半年経ちました!!
最近は、ユルユル更新ですが、今後も続けていきたいですね!!
まだまだ書いてみたいテーマは無限大ですよー。
んで、なんだかグーグル砲?ヤフーも?なんですが中村文則『逃亡者』の記事が注目されてちょいアクセス伸びました!!
一日で265アクセスとか初めてで嬉しかったです♪
あの記事は、自分的にも集大成だと思って書いたので嬉しいですね~。
ってか、エロ本って最近の子はあまり読まなそうですよね。
時代は変わりましたねー。
ネットでチョイチョイだしー。
昔は、エロいコンテンツを手に入れることが観念的にも、現実的にも、どれほどの苦難を呼び起こすものだったのか・・・。
そういった歴史的事実を感じさせる文章になれば良いと思います。
オッパイの道は一日にしてならず。
苦難の末に手に入れらるものがある。
僕は、この記事を通してその尊さを伝えたいと思います。