こんにちは☆
初投稿ですが、まず僕が大好きな小説家・中村文則さんの紹介をしたいと思います!!
中村文則さんは、2002年に『銃』でデビューした小説家で、この作品で新潮新人賞を受賞し、2作目の『遮光』で野間文芸新人賞、3作目の『土の中の子供』で芥川賞を受賞した今をときめく超売れっ子作家さんです!!
『掏摸』で大江健三郎賞、『私の消滅』でドゥマゴ文学賞を受賞し、海外でも「掏摸」の英訳 「The Thief」は、ウォールストリートジャーナル紙で、2012年のベスト10小説に選ばれ、2013年のロサンゼルス・タイムズ・ブック・プライズにもノミネートされたました。「悪と仮面のルール」の英訳(EVIL AND THE MASK)はウォール・ストリート・ジャーナル紙の2013年のベストミステリーの10作品に選ばれています。
僕と同い年で個人的にもシンパシーを感じる中村さん。初期から徐々に作風も変化していろんなチャレンジをされていますが、登場人物が皆何か問題を抱えて生きていて作風も暗いトーンで描かれているのがたまらなく好きです♪根暗な僕にはピッタリです(笑)
人間の持つ根源的な闇や、歪み、狂気を描いていて歪な人間関係の中に芽生える愛についても描かれているように思います。基本的にバッドエンドというか、救いのない話が多いように思えますが、最後に少しだけ希望を提示する描き方がとても好きです。
彼が必ずあとがきの最後に添える一言。
「共に生きましょう」
の言葉に、中村さんの願いが込められているように思います。
世界は残酷で、運命は無慈悲で、神は不在を続けるこの世界。
そんな嵐の夜の濁流に飲まれて打つのめされて何もかも失っても、それでもこの世界に共に生きていく。
そんな、メッセージが込められているように思います。
暗いテイストの小説が多い中村文則さんですが、性格もさぞかし暗いのだろうと思いきや、お笑いが好きで、社交的だったりして意外と(失礼w)明るい性格の方みたいです。
ブレイク前のピースの又吉さんとも親交があったり、西加奈子さんとも仲が良いみたいですね。TV番組の「僕らの時代」でも3人で出演してました。
エッセイや、短編でも下ネタを飛ばしたり、自分をディスったりと案外ユニークな人物のようです。
なんか、この辺のキャラクターが太宰とかぶる感じがするのは僕だけでしょうか?
僕と中村文則さんの作品との出会いは、芥川賞を受賞した『土の中の子供』でした。
芥川賞を受賞した作品で、なんか暗いトーンで純文学っぽいから読んでみるかと読んでみたものの、その時は正直あんまりピンとくるものはありませんでした。
それからしばらくして、デビュー作の『銃』を読んで完全にノックアウトされました。
文庫本の帯の「次は・・・人間を撃ちたいと思っているんでしょう?」の文言にも惹かれまくり♪
当時の僕は「純文学的な作品」を求めてて、物語性を排除して人間の内面をえぐり出すような小説を読みたいと思ってました。
いや、純文学ってナニって言われるとよー答えんのですがねw
とにかく大学生が銃を拾って、魅せられていきやがてはカタストロフィーが訪れるこの作品にどっぷりハマり、他の作品を片っ端から読みあさりました。
余談ですが、『銃』は昨年村上虹郎主演で映画化しました。
ええ、もちろん映画館で観てきましたよ!!村上虹郎の西川も雰囲気あってイイ感じでしたし、白黒の画面も作品のテイストに合っていたように思います。
個人的にはいい映画だと思いました!!
リリーフランキーの刑事役もいい味出してました。
『遮光』『悪意の手記』『土の中の子供』『最後の命』『何もかも憂鬱な夜に』『世界の果て』あたりまでは、不幸な生い立ちで精神的にトラブルを抱えた主人公が運命に翻弄されながら生きていく/破滅していくみたいな作品が多かったように思います。
それが8作目の『掏摸』からがらりと作風が変わっていきます。
今まで、主人公の内面が主なテーマだった作品に対立する「悪」が描かれミステリー要素も出てきました。
登場人物、場面も増えて物語としても「おもしろく」描かれるようになりました。
ミステリー要素が出てきても、純文学的な主人公の内面的な暗さや、歪み、狂気などは丹念に描写されて、主人公以外にも歪みを持って生きている登場人物が描かれるようになりました。
『掏摸』『悪と仮面のルール』『王国』あたりはその手法で描かれていて、「悪」とは何かについて描かれながら、運命に翻弄されながらもがく主人公の姿が描かれています。ちなみに『掏摸』と『王国』は姉妹編です。
『迷宮』『去年の冬、きみと別れ』『あなたが消えた夜に』『私の消滅』『その先の道に消える』はそこからさらにトリックを用いてよりミステリー要素を濃くした作品でよりそれぞれの登場人物の内面を深く掘り下げた作品になってます。
『去年の冬、きみと別れ』『あなたが消えた夜に』のトリックは、読みながら「ええっどいうこと?」って声が出そうになりました。
『R帝国』では、暗い近未来=ディストピアが描かれた作品でスマホがさらに進化して、人々になくてならなくなったヒューマンフォンや、架空の日本「R帝国」を舞台に戦争の裏に蠢く国家の策謀が描かれています。最近、政治的な発言が多い中村さんらしい作品ですね。
そして、『教団X』は最長にして代表作で、教団Xを巡り運命に翻弄される2組の男女が描かれていて、個々の登場人物の想いや息遣いが生々しく表現されている最高傑作だと思います!!
以上、かなりザックリとした作品の紹介でした(^_^;)
また、各作品別にしっかり書評も書いてみようと思います!!
もしこれから中村文則さんの作品を読まれる方にベスト5を挙げるとすれば・・・
1、『掏摸』
2、『去年の冬、きみと別れ』
3、『悪と仮面のルール』
4、『銃』
5、『その先の道に消える』
になりますかね。
これからも活躍してほしいです!!