ヒロの本棚

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【映画】『アフターサン』

1、作品の概要

 

『アフターサン』は2022年に公開されたイギリス・アメリカの映画。

日本では2023年5月に公開された。

上映時間は101分。

監督・脚本は、シャーロット・ウェルズ。

ポール・メスカル、フランキー・コリオらが出演している。

父親と11歳の娘が過ごすひと夏のバカンスの記憶を描いた。



 

2、あらすじ

 

11歳の少女・ソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす31歳の父親・カラム(ポール・メスカル)とトルコのリゾート地にバカンスに来ていた。

毎日プールで泳ぎ、ディナーを楽しみ、お互いにビデオカメラを向け合ってふざけ合う仲の良い親子。

しかし、その陰にカラムの不穏な行動がちらついていた。

20年後、カラムと同じ31歳になたソフィは当時のビデオ映像を観て、その当時気付けなかった父の想いに気付く。


www.youtube.com

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ

 

Xでおススメされている人が多くて気になっていました。

1/12からレンタルが開始になって、ちょうどTSUTAYAで新作100円レンタルやってたので借りてみました。

いや、父と娘の交流を描いたハートウォーミングな映画かなと思っていたのですが・・・。

とんでもない仕掛けがありました。

 

 

 

4、感想(ネタバレあり)

 

離婚して母親のほうに引き取られた娘とひと夏のバカンスを過ごす父親。

11歳って多感なお年頃で、ちょうどウチの次男氏と同じ歳なのですが、思春期突入の一歩手前であどけなさと大人の世界への興味が交錯する年齢だと思います。

そういや、是枝監督の映画『怪物』の少年も10~11歳だっけな。

屈託なく父親と過ごせるギリギリの年齢のようにも思いますね。

 

ビデオカメラをお互いに向け合ってふざける2人。

ブレブレのビデオカメラの映像やら、淡いブルーの映像もなんかいい感じで、なにかが起こるタイプの映画ではないのですが、親子の触れ合いとソフィの大人の階段ちょっと昇ってみた的なちょっと甘酸っぱい感じのエピソードも良い。

 

ただ、父親のカラム。

ちょっと変なんですよね。

ベランダの手すりの上に立ったり、車の前をあわやのタイミングで横切ったりと・・・。

 

ラストのあたりでカラムが肩を怪我していたり、夜の暗い海へ向かっていたり、ディスコのフラッシュに照らされる映像が何度も繰り返し流されたり・・・。

それに対する説明も何もなく物語は唐突に終わり、20年後に父親とおない年になったソフィがビデオカメラの映像を観ている。

えっ、なになになになに!!

最初は、カラムが人を殺して海に死体を棄てたとかなのかと思いましたが、唐突な終劇にはてなマークが300個ぐらい浮かびました。

これには、はてなブログさんもビックリだったでしょう。

 

あまりにもわからなすぎて、他の方の解説を読んでみました。

それによると、最初からカラムは希死念慮が強く精神的にも不安定でおそらくソフィーの母親はそのことを認識していた。

ソフィーはそこまで父親の精神的不調をおもんぱかることはできなかったけど、なにかしらの異変は感じていた。

そして、カラムは暗い海やベランダのシーンなど何度も死への誘惑と戦っていた。

娘とのバカンスは最後の思い出作りで、そのあとに自死した。

大人になったソフィーはビデオの映像から父親の真意や、暗い影を見出して感情揺り動かされていた。

ということみたいです。

いや、なるほどそういう話だったんか!!

って、自分で考えろやとか言われそうですが、マジでわかんなかったんすよ!!

飲みながら気楽に観てたのもアレでしたね。

 

全く説明がなく展開していくのももちろん敢えての演出で、これは2回観ないとちゃんと理解できない映画だなと思いました。

カラムの内面を理解してみると平凡な父と娘のバカンスの日々に実は多くの隠された意味があったことに気付きますし、劇中で流れる音楽の歌詞なんかもカラムの心情と連動しているみたいですね。

blurのTENDERが流れたのは嬉しかったですね。

 

いや、ちょっとあまりない映画体験で頭をぶん殴られたような衝撃でした。

 

 

 

5、終わりに

 

これは賛否がはっきり分かれるタイプの映画だと思います。

好きな人はめっちゃ好きな映画だと思いますし、僕はもう一回観てみたいと思いました!!

 

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