☆デパートとかでよく耳にするあのアナウンス・・・☆
デパートや商業施設でたびたび耳にするアナウンス・・・。
ポピュラーのもので迷子のお知らせなんかがありますよね。
「○○様お坊ちゃま(お嬢ちゃま)ががお待ちです。インフォメーションセンターまでお越しくださいませ」的なやつですよ。
どんなお坊ちゃまお嬢ちゃまがお待ちなのかと思ったら、鼻垂れた薄汚いガキンチョだったりするのだと思いますが、まあ大層なアナウンスをしていることでございますわね。
そんな中で僕が一番気になっているアナウンスがあります。
それは。
「○○で○○をお買い上げになられた○○様、お伝えしたいことがございますので、インフォメーションセンターまでお越しください」というやつです。
これを聞くたびに僕は思うのですよ。
「えっ、お伝えしたいことって何?何をお伝えされてんの?」
ってね。
いや、めっちゃ気になりませんか?
ただデパートに来ただけのイチ客が、インフォメーションセンターで一体何を伝えられているのか・・・。
そこにはなにか深遠な謎や、壮大な物語、はてはこの世界を変えてしまうような大切な何かがお伝えされているのかもしれない・・・。
これは、そんな妄想癖のある中年ブロガーの妄想と妄想と妄想の物語である・・・。
☆プロローグ「お伝えしたいことがございます」☆
「○○町よりお越しのヒロ様。お伝えしたいことがございます。至急、インフォメーションセンターまでお越しください」
平和な日曜日の昼下がり。
お目当ての小説と、ワインを手に入れた僕は目の前の露出が多めの女性を上から下まで舐めるように眺めていたが、唐突なアナウンスによって意識を現実に引き戻された。
公衆の面前で、突然自分の名前をアナウンスで呼ばれるなんて稀有なことだ。
もしかして、女性を性的な目で見ていたことが露呈したのだろうか?
だとすると、罪状は視姦罪とでも?
いやいや、インフォメーションセンターが客を断罪する権利があるものだろうか?
僕は混乱する頭を抱えて、足早にインフォメーションセンターへと歩いた。
フロアマップでインフォメーションセンターの位置を確認する。
ふと奇妙なことに気付いた。
通常、商業施設のインフォメーションセンターはアクセスしやすい1階の中央部にあるのが常だが、この○○モールのインフォメーションセンターは、3階の一番端の目立たない場所に位置しているのだ。
首をかしげながらもぼんやり歩いていると、繰り返しアナウンスがされた。
「○○町よりお越しのヒロ様。お伝えしたいことがございます。至急、インフォメーションセンターまでお越しください」
僕は舌打ちをして、速足でインフォメーションセンターへと急いだ。
ええい、いまいましい。
僕の名前を公衆の面前で連呼しやがって!!
個人情報とか一体どうなってるんだ?
この状況で、別れた元カノとか、初恋の○○ちゃんがアナウンスを聞いていて、「あっ、あのイタズラヒロくんがアナウンスで呼ばれている。またスカートめくりとか性的な逸脱行為をしちゃったのかな?」とか思われたら、僕は憤死したい。
噴飯ものだ。
インフォメーションセンターめ。
細々とインフォメーションしていれば良いものを!!
事と次第によってはただじゃぁおかない。
出るところに出させてもらいまっせ!!
とか、不穏なことを思いながら僕はインフォメーションセンターのドアを開けた。
ん、ドア?インフォメーションセンターに?
とかすかに思ったが、怒りと興奮にまかせて荒々しく(というイメージだが気弱な僕はあくまで丁寧に)ドアを開けた。
背中に3回目のアナウンスが突き刺さる。
ドアの向こうで起こったことは僕の想像を大きく超えていた。
インフォメーションセンターのカウンターの向こうで黒髪のミディアムヘアーの女性が僕に微笑みかける。
おそらく・・・。
Dカップの・・・。
「僕に伝えたいことって何なんですか!?」
長い距離を歩いたために乱れた呼吸(あるいは性的な興奮であったかもしれないが)をしながら僕はカウンターに詰め寄り、言い放った。
彼女は、細い三日月型の微笑みを浮かべながらこう言った・・・。
☆ケース1「お伝えしたいことがございます」☆
「ヒロ様。あなた様はもしかしたら卵を最後に入れているのではないでしょうか?」
「えっ。ちょっと。何の話でしょうか」
「卵は最初に入れなくてはなりません。十分に熱したフライパンに一気に回しいれるのです。円環を描くように。卵が鮮やかな黄色になってから具材を入れ、断固たる偏見を持って徹底的に炒めるのです。一切の容赦もなりません。最後に決然と白米を入れて強火で炒めます。良いですかヒロ様。決して火を弱めてはなりません。強火で一気に炒めるのです」
僕は頭が混乱してきた。
強火?フライパン?卵?
彼女はなにを言っているのだろう。
「君は何を・・・」
重なるように彼女の言葉が続いた。
「それが美味しいチャーハンの作り方です」
僕はすべてを理解した。
お伝えしたいことがなんだったのかを。
☆ケース2「お伝えしたいことがございます」☆
ドアを開けて僕は唖然とした。
Dカップのインフォメーションセンターの女性の前に郷里の父と母がいたからだ。
「えっ、父さん母さん・・・。なんでここに・・・?」
「ヒロ」心なしか父の目は潤んでいるように思える。
「実はお前は私たちの本当の子供ではないんだ」
僕はその場で嗚咽した。
薄々は気付いていた。
でも、なぜインフォメーションセンターで伝えられなけねばならなかったのだろうか?
僕は運命を呪った。
インフォメーションセンターのお伝えしたいことは重すぎた。
☆ケース3「お伝えしたいことがございます」☆
「シュウちゃん、ごめんね」
「えっ、僕ヒロちゃんだけど・・・。人違いじゃ・・・」
「実を言うと地球はもうだめです。突然こんなこと言ってごめんね。 でも本当です。2、3日後にものすごく赤い朝焼けがあります。 それが終わりの合図です。程なく大きめの地震が来るので気をつけて。 それがやんだら、少しだけ間をおいて終わりがきます」
僕は呆然とした。
地球が終わる?
世界の終わり?
瑠璃色の恥丘?
何を言っているんだ?
インフォメーションセンターがお伝えしたいことは僕には重すぎた・・・。
☆こんなドラマがきっと起きているインフォメーションセンター☆
商業施設を歩いていて、「お伝えしたいこと」のアナウンスが流れたらそんなあるかもしれないエピソードにぜひ想いを馳せてください。
インフォメーションセンターで、こんなふうに時には世界の命運を握るような壮絶なドラマが繰り広げられているかもしれない・・・。
そう思うと僕もいつかインフォメーションセンターに召喚される日について、想像の翼を広げてしまうのです。
という、新ジャンルのお笑いネタでしたがちょっと回りくどすぎて面白いかどうか不安になってきました(笑)
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