1、作品の概要
2014年に公開されたSF映画。
クリストファー・ノーラン監督作品。
イギリスとアメリカの合同製作。
2、あらすじ
異常気象による食糧難で地球がゆっくりと死滅に向かっていた近未来。
元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、娘のマーフと共に自宅で何者かからのメッセージを受け取り、NASAの秘密施設に辿り着く。
彼はかつての仕事仲間のブランド教授と再会し、別の銀河の惑星に人類を移住させるラザロ計画に参加することを決意するのだった。
ブランド教授の娘・アメリア(アン・ハサウェイ)らと宇宙船に乗り込んだクーパーは、木星のワームホールから別の銀河にワープして先遣隊が「見込みあり」の信号を送った惑星を探索しようとするが・・・。
そこには、彼らの想像を超える事態が待ち受けていた。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
ちょっと前に『TENET』を観て、クリストファー・ノーラン監督の作品良いなぁと思っていたら、ブログのコメントでnonoさんにオススメして頂いて、ずっと観たいなと気になっていました。
いや、この作品もとても難解だったのですがストーリーと世界観に引き込まれて時間も忘れて楽しめました。
4、感想(ネタバレあります!!)
クリストファー・ノーラン監督の作品を観たのは、『ダンケルク』『TENET』に続いて3作目でした。
この監督の作品、めっちゃ好きですねぇ。
とても難解で理解に至っていないところも多いのですが、謎に満ちたストーリー、あっと驚く展開、SFだけど濃い人間ドラマ、美しい映像と不穏だけど物語を引き立てるような音楽・・・。
いろんな要素で楽しませてもらいましたよ!!
クーパーがラザロ計画に参加して宇宙に旅立つまでの描写も丁寧で、気候変動による砂嵐で作物が育たなくなり先細っていく人類の未来が描写されています。
そして後半でキーとなる娘のマーフとの関係性や、ラストの伏線に繋がる「幽霊」のシーンなど後半の物語に深みを持たすような描写が随所になされています。
他の銀河系に移住することがどれだけ人類の希望になっているのか、ラザロ計画の重要さが窺えます。
地球がダメになって他の星に移住、もしくはスペースコロニーに移住するなんて話はガンダムなんかでもやっていてよくある話かもしれませんが、ワームホールやら特殊相対性理論、ブラックホール理論などだいぶ先端の科学をノーラン監督が研究したみたいで、「なんかようわからんけど根拠があるんだ!!」ってな感じの説得力を感じました。
いや、話自体はチンプンカンプンなんですけど(笑)
ワームホールや、ブラックホールの描写もなんか神秘的で良かったです。
これを機に宇宙のことや、時間のことなどを調べてみたいなってちょっとおもいました。
映画『メッセージ』でもあったように、時間を超越しコントロール(と言っていいのかな?)する高次元の存在や、特殊相対性理論による地球と宇宙空間での時間のズレなんかが僕的にはめっちゃ面白かったです!!
『メッセージ』では高次元の宇宙人と交流し、主人公が時空を遡るというシーンがありましたが、『インターステラー』でも5次元に存在する「彼ら」が作ったワームホールを使って別の銀河に到達することができました。
3次元ではコントロールできない「時間」をさらに高次元の4次元の存在ではコントロールできるという説もあるみたいですね。
そのさらに上の5次元ってどんだけやねん?神かっ!!て感じですね。
世界は多層的に重なり合って存在するという説もどっかで読んだ気はしますが、本当に多次元の存在があるんですかね?
まぁ、真偽はともかくワクワクする話ですし、オカルト好きの血が騒ぎます。
物理学や科学も突き詰めていくと、オカルトな部分もあるとか言いますしね。
3つの惑星を巡る生々しい人間ドラマは、例え宇宙に飛び出しても人間はどこまでも人間だということを思い知らされました。
1時間が地球の7年間に相当する水の惑星での時間のズレで、自分の娘や息子とほぼ同じ年になってしまったクーパーの悲劇。
宇宙船で待っていたロミリーは23年間待ち続けたとか、宇宙に流れる時間の壮大さを感じさせられますね。
なんかちょっと怖くなりますし、有人探査の宇宙船の乗組員はメンタルヘルスにも注意が必要になりそうですね。
コールドスリープの技術なんかもあるとは思いますが・・・。
この辺の時間のズレは新海誠監督の「ほしのこえ」を思い出しました。
地球と宇宙の時間のズレですれ違っていく感じが切ないです。
氷の惑星のマン博士の振る舞いは、身勝手でクーパーも殺されかけてしまいます。
結果的には自爆してしまいますが、マン博士のせいで宇宙船の母船が破壊されてクーパー達も宇宙空間を彷徨うことに・・・。
地球から遠く離れた宇宙空間で彷徨い続けるなんてゾッとしますね。
アメリアを助けてブラックホールに落ちるクーパーでしたが、「彼ら」の手助けで時空を遡り4次元空間へ。
そこで彼が目にしたのは、冒頭のマーフの部屋で本棚越しにかつての幼いマーフと出発前の自身の姿でした。
ここに繋がったとんたんかぁぁぁいいい!!!!
絶体絶命からのこの展開!!
ノーランパイセン最高ッス!!
トリハダ立ちすぎて、危うく鳥になっちゃうとこでしたよ!!
場所はマーフの部屋なのですが、時間はいろんな時間に繋がっている感じでNASAの秘密施設を暗号で伝えたのも先の未来のクーパーの仕業だったというオチ。
「彼ら」からのメッセージかと思っていましたが違ったのですね。
自分自身に「STAY」というメッセージを伝え、宇宙に行くのを思いとどまらせようとしましましたが、これ以上過去には干渉できず。
現在のマーフにメッセージを伝えることで未来をより良いものにする方法をクーパーは選びます。
それは、ブラックホールのどうたらを重力がなんたらこんたらするという、人類の命運を左右するような重要なことっぽかったですが、僕にはちんぷんかんぷんでした!!
一度は絶たれたかに思えたマーフとクーパーの親娘の絆が世界を救う・・・。
SF全開のこの作品ですが、実は濃密な人間ドラマが物語の根幹をなしているのはとても興味深いですね。
どれだけ遠くまで行けるようになっても、時空さえ超越しうるような力を身につけたとしても。
人は人として変わらないし、大事なのは人と人との繋がり。
そういうメッセージをノーラン監督が発しているように思います。
5、終わりに
いやー、めっちゃ良い映画でした!!
何度観ても、色々な発見がありそうですね。
クリストファー・ノーラン監督の映画はもう全部観たいっす!!