1、作品の概要
『気狂いピエロ』は1965年に公開されたフランス・イタリアの合作映画。
『勝手にしやがれ』と並ぶジャン=リュック・ゴダール監督の代表作で、ヌーヴェル・ヴァーグ(新しい波を意味するフランスの実験的映画)の最高峰の作品と呼ばれている。
主演は、ジャン=ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナ。
ほとんどのシーンは即興で撮影されて、絵画、詩、音楽などが散りばめられている。
既婚者の男性・フェルディナンが昔の恋人のマリアンヌと偶然再会し、逃避行を開始する。
2、あらすじ
金のために妻と結婚したフェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)は、退屈な結婚生活に飽き飽きしていた。
彼は、偶然再会した昔の恋人のマリアンヌ(アンナ・カリーナ)と一夜を共にするが、彼女の部屋で男性の死体を見つけて2人で南へと逃避行を開始する。
カモフラージュに乗っていた車を燃やし、盗みや金稼ぎをしながら南仏の海辺へとたどり着いた2人だったが、マリアンヌは彼を裏切り逃げ出してしまう。
フェルディナンは彼女を追うが・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
ジャン=リュック・ゴダール監督の名前はよく聴いていましたが、観たことはなくて『気狂いピエロ』を初めて観ました。
先日亡くなられたとのことで、いろんなところで紹介されていて再注目されていましたね。
一度で理解するには難解な映画でしたが、印象的なシーンが多く、遠からずもう一度観てみたいと思わせられる映画でした。
4、感想
まず正直に言っておきましょう。
「よくわからんかった」と。
ゴダール監督の作品に触れてみたくて、『気狂いピエロ』を観てみましたが、それほど映画に詳しくない僕にはぶっちゃけハードルが高かったとですよ!!
村上春樹で言えばいきなり『ねじまき鳥クロニクル』を読んじゃったり、中村文則で言えばいきなり『教団X』読んじゃったり、RADIOHEADで『OK COMPUTER』から聴いちゃったりな感じでいきなりそれいっちゃう?的な感じだったのでしょうかね(^_^;)
ちょっとフェデリコ・フェリーニ『8 ½』を彷彿とさせるような不思議な感覚の映画でした。
全体を通してとてもシュールな雰囲気で、殺人という重い事象が扱われているのにも関わらず、どこかポップで登場人物たちは明るく無責任な感じがします。
まるで夢の世界を描いているような現実の輪郭のあやふやさ。
フェルディナンは妻と子供たちを簡単に捨てて、無一文であっさりと元恋人のマリアンヌと逃避行へ出ますし、マリアンヌも人ひとりの死の重さも感じさせることなくあっけらかんと南を目指します。
ポップでシュール。
映画の中で随所に散りばめられたアート、二人のファッション、海辺の美しい風景と色彩。
常時、映像は美しく色彩美に溢れていて、印象的なシーンの連続。
全ての意味を理解できなくても、どこか惹きつけられるような不思議な中毒性がある映画だったと思います。
何かつげ義春の作品を思い出しました。
夢と現実の境界の無限ともいうべき世界での出来事/物語。
リアリティのない現実。
みたいなー。
いまいち理解が及びませんでしたが、好きか嫌いかで言われるとめっちゃ好きな映画で、また観てみたいと思いました。
クセになる感じがある映画。
ラストのアルチュール・ランボオ『地獄の季節』の朗読も良かったですね。
アル中de・乱暴のヒロ氏もビックリでした。(本当はアル中ですが、乱暴者ではないことを伝えておきます)
見つかった
何が?
永遠が
海に溶け込む太陽が
5、終わりに
最近、ちょいちょい古い映画も観てますが「映画って本当にいいですね~」って水野晴郎状態のこの昨今です。
老後も読みきれないほどの本と、観きれないほどの映画と、聴ききれないほどの音楽があると思うとワクワクしますねぇ。
もうさっさと隠居したいっすわ(๑≧౪≦)
まぁ、そうもいかないのであと15年は頑張って働いて、60歳できっちりリタイアしたいと思います。
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