1、作品の概要
『パプリカ』は2006年に公開されたアニメ映画。
原作は筒井康隆の小説『パプリカ』で、1993年に刊行された長編SF小説。
監督は今敏が務めた。
音楽は平沢進が担当。
制作はマッドハウス。
上映時間は90分。
他人と夢を共有できる機械を巡って、他人に悪夢を見させるテロリストとの戦いを描いた。
2023年9月現在、U-NEXTで配信中。
2、あらすじ
精神医療総合研究所の天才科学者である時田が製作した、他人と夢を共有できる画期的な機器の「DCミニ」が何者かによって盗み出された。
研究所のセラピストの千葉は、この機器を用いて夢の世界で別人の女性「パプリカ」としてセラピーをしていたが、一連の騒動に巻き込まれていく。
千葉の協力者の所長も犯人の精神攻撃を受けて重傷を負い、研究所の職員たちも夢を通じて攻撃を受けてしまう。
DCミニを盗み出し、所員たちに精神攻撃を仕掛けている犯人として、時田と懇意にしていた所員の氷室の名前が挙がるが・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
XのTLでよく今敏監督の作品を絶賛されている方がいて興味を持ちました。
今敏監督は46歳(今の僕と同じ歳だ)で亡くなられたようですが、彼の死後から13年以上経った今でも、根強いファンがいるようです。
最近契約したU-NEXTで配信しているのを知って、ソッコーで観ました。
めちゃくちゃいい作品で、今監督の他の作品も是非観てみたいっす。
4、感想(ネタバレあり)
実はクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』にも影響を与えたと言われるこの作品。
ノーラン監督自身が、『パプリカ』からアイディアをもらったみたいなことを言っていたそうですね。
確かにどこからどこまでが夢で、どこからどこまでが現実なのか?
その境目が融解していくような展開に共通点があったようにも思います。
研究所の所員でクールビューティーな千葉が、夢の世界のセラピスト・パプリカになる時は全く正反対の無邪気で人懐っこい性格になっているのも興味深いですね。
千葉の潜在意識の中に「こんなふうに振舞ってみたい」って思わせられるような別人格がパプリカだったのでしょうか?
夢とは、無意識下で潜在意識の中にある願望が表出してくるものでもあるようなので、パプリカの姿は千葉のなりたい自分の姿のひとつでもあったのかもしれません。
天才的な能力を持つ時田が作り出したDCミニ。
本来は、他人と夢を共有してセラピーに使うはずのものが、他人に強制的に悪夢を見させるような精神攻撃の機械として使われてしまう。
新しいテクノロジーが悪用されると開発者が意図したものと全く違った兵器が生まれてしまう・・・。
原爆の父となってしまったオッペンハイマーも同じような気持ちだったのでしょうか?
時田は子供みたいな天才で、あまり気にしていなかったようでしたが(;^ω^)
夢の世界の映像も、子供が見る極彩色の悪夢のようで素晴らしかったです。
映像と世界観だけでも、ずっと浸っていたくなるよな名作でした。
5、終わりに
いやー、独特の世界観を持ったアニメ映画で、夢をテーマにしているってところも良かったです。
90分っていう尺もあり、無駄なく畳みかけるような展開で物語が進行していくのも良かったですね。
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