1、作品の概要
1999年に公開された、フランス・アメリカの合作映画。
監督は『ニキータ』『レオン』のリュック・ベッソン監督、主演は『バイオハザード』のアリス役のミラ・ジョボヴィッチ。
フランスの英雄ジャンヌ・ダルクの生涯を描く。
2、あらすじ
幼い頃にイギリス人に自らの村を侵略されて、姉を目の前で殺されたジャンヌ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、強い怒りを抱きながら成長する。
成長し、神の啓示を受けたジャンヌは王太子シャルルに謁見して、彼をランスにて王にすることを約束する。
王の軍を率いてオルレアンにてイングランド軍を打ち破ったジャンヌは快進撃を続けて、約束通りシャルルを王位へと導く。
しかし、順風満帆だった彼女の人生に暗雲が垂れ篭める・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
『グラディエーター』と同じように以前から気になっていた映画でした。
ゲオで、『グラディエーター』の近くにあったんで、次はこれを観ようかなと(笑)
『バイオハザード』の映画も好きだったので、楽しく観られました。
未だに世界で語られ続けるフランスの聖女・ジャンヌ・ダルクの伝記に興味もありました。
4、感想
ジャンヌが啓示を受ける場面とか神秘的で良かったですね~。
風景が早回しで流れていったりとか。
傍らに剣が落ちていたりとか。
すごく神話的なシーン。
そこからイングランドとの百年戦争の泥沼にあえぐフランスを救済されるメシアとなるまでが華々しく描かれます。
だけど、中世のヨーロッパ的な残酷な場面を克明に描いているのもこの映画の特徴。
ジャンヌの姉が粗暴なイングランド兵に殺されてから犯され続けるシーンは胸が悪くなりました。。
漫画・ベルセルクを思い出しましたが、あれも100年戦争ってのが出てきていましたねぇ。
やはり、あの漫画も中世ヨーロッパを舞台にしていたのでしょう。
シャルルを王にして、フランスを解放すべく戦地に向かったジャンヌ。
初めは味方にも訝しがられて、イロモノ扱いされていたジャンヌも先頭に立ち、味方を鼓舞し続けることで徐々に認められていきます。
でも、ちょっとヒステリックで猪突猛進な感じがアレでしたね(^^;;
勇猛果敢と言えばそうかもですが、まるで猪のような猪突猛進で伊之助もビックリでしたよ。
まぁ、実際も先頭に立って味方を鼓舞するようなアジテーターのような役割だったのでしょうか?
特に剣技に優れているわけでもなく、智謀に長けているわけでもありませんが、ジャンヌの勇敢さとひたむきさに兵たちの心は動かされて、やがて難攻不落と言われた砦を落として、オルレアンを奪回。
ランスにてシャルルを戴冠させるに至ります。
しかし、ここがジャンヌのピークで映画ではその激しさゆえに王とすれ違い、遂には見限られてしまう様が描かれています。
牢獄に投じられたジャンヌの内的葛藤。
このあたりの場面はオルレアンを奪回した戦果が輝かしいほど、落とした影が暗く、濃くなるような辛い場面でした。
そして、彼女は自分の想いを貫き火刑に処される・・・。
わずか19歳の少女の人生ですが、まるでロックンロールのスターのように浮き沈みが激しく、熱情に彩られていたものでした。
尾崎豊かっ!!
暴力的できわどい場面も多かったですが、なかなか面白い映画でした。
5、終わりに
社会で世界史を選択しなかったので、世界の歴史には疎いのですが、『ジャンヌ・ダルク』を観て、ちょっと歴史を勉強してみようかなと思いました。
中世以降のヨーロッパの血塗られた歴史。
まぁ、中国もだいぶ残酷ですが(^^;;
その世界観を理解することでまた深く物語に触れられそうな気がしました。
リュック・ベッソン監督のジャンヌ・ダルクが本当のジャンヌの姿とどれぐらい重なっているかはわかりませんが、彗星のように現れてその命を熱く燃やし尽くす姿にとても興味を惹かれました。