今日は、漫画の紹介です。
中学生の男子が主人公の物語です。
最後、卒業するので15歳かな?
この漫画のことを書こうと思ったのは、中村文則「悪意の手記」の感想を書いていた時にこのの作品がオーバーラップしたからでした。
テーマが似ているし、この2つの作品には近しいものがある気がします。
1、作品の概要
『ヒミズ』は、2001年~2003年に連載された古谷実の漫画で、1~4巻まで発売されています。
古谷実の4作目の漫画で、それまでのギャグ路線から一転シリアスでダークな展開が話題を呼びました。
「笑いの時代は終わりました…。これより、不道徳の時間を始めます」というキャッチコピーでした。
2012年に映画化してます。染谷将太と二階堂ふみ主演。園子温監督。
2、あらすじ
川の沿いのボート小屋に、母親と2人で住む15歳の住田は、誰にも迷惑をかけず平凡に生きることを目標に、冷めた目線で世の中を横目に見ながら暮らしていた。母親は男を連れ込み、良い環境とはいえなかったが真っ当に生きる住田。親友の正造といつもツルんていたが、クラスメイトの女子・茶沢が何かと絡んでくるようになる。
いじめられっ子の赤田、漫画家を目指すきいちとも親交を持つようになるが、ある日母親が男と蒸発してしまう。
普通を目指していたのに、転落人生を歩み始める住田。父親の借金取りにも暴力を振るわれて、ナイフで頬を切りつけられてしまう。
そんな時、失意の住田のもとに父親が現れ・・・。
3、この作品に対する思い入れ
稲中、めっちゃハマってたんで古谷実の漫画は好きだったんですが、コレはむちゃくちゃダークで当時すごく驚きました。
大学生の頃に読みましたが、漫画でこんな表現ができるんだとハマりました。
4、感想・書評
序盤は、家庭環境に問題があって冷めてる住田ですが、正造の他にも茶沢さん、赤田、きいちと仲良くなっていきます。
茶沢さんは可愛いんだけど、めちゃ変人で男性の前でも平気で着替えだしたり、突然奇行に走ったりします(笑)
そして、突然住田に愛の告白をします「住田君超好き~~。超好き~~。」
いや、ふざけてんのって感じですが(笑)
この辺は、ワイワイと友達同士でふざけたり、喧嘩をしたりと日常が描かれていて、ギャグ要素もふんだんにあります。
ただ、この日常の描写があとで来る転落の闇の深さをより際立てるためのものだったのだと思います。
一つ目の化物が住田にはずっと見えていて、化物は住田が苦悩し過ちを犯し、転落している様子を死神のようにじっと見守っています。
母親が蒸発して以降は、目を背けたくなる暴力、犯罪のオンパレードです。
奇人変人もぞくぞく登場します(笑)
ネタバレせずに読んだほうが良いのでこの辺で。
とてつもなく後味の悪い作品です(^_^;)
僕は好きですけど。