1、作品の概要
1992年にアメリカで刊行され、2002年に翻訳版が日本で刊行された。
柴田元幸訳。
1993年にフランス・メディシス賞の外国部門を受賞した。
単行本で345ページ。
1990年のアメリカで自作の爆弾で爆死した男。彼を知るピーターは彼の物語を書き始める。

2、あらすじ
1990年、アメリカのウィスコンシン州で自作の爆弾の爆発で1人の男が爆死する。
彼の正体をFBIより先に気付いた作家のピーター・エアロンは、爆死した男・ベンジャミン・サックスについての物語を書き始める。
かつて親友だった2人の出会いは、1975年の大雪の朗読会。
作家だったピーターとサックスは、お互いの才能を認めつつ交流を深めていく。
しかし、ピーターはサックスの暗部を知り、彼の妻であるファニーと肉体関係を持ってしまう。
そして、1986年のパーティーでの落下事故がサックスを大きく変えてしまう・・・。
3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ
なんかひさびさにポール・オースター読みないなぁって思ってて、なんかリヴァイアサン読みたいなって思って図書館に行ったらあったんで借りました。
前に読みたいと思って検索したら、市内の別の図書館にあって、僕がよく行く中央図書館にはなかったのですが、たまたまそこの図書館がリニューアルで閉館中で蔵書がこちらに来ていたみたいです。
まあ、こういうタイミングの良さにすぐにディスティニーを感じちゃう夢見勝ちな初老なのですが、こういう惹かれ合う瞬間みたいなのがあったりするように思いますね。
決して明るく楽しい物語ではありませんでしたが、人生の不可思議さ不条理さ、そして運命に翻弄されながらも繋がり続けるいくつもの尊くか細い絆を感じました。
4、感想(ネタバレあり)
『リヴァイアサン』は、僕が読んだ3冊目のポール・オースターの本です。
なんで読みたいって思ったのか覚えてないのですが、ずっと読みたかった1冊でした。
柴田元幸さんの訳も読みやすく、後半は特に引き込まれるようにするすると読めました。
何が一番僕の心の琴線に触れたかと言いますと、サックスとピーターの友情ですよ。
男同士の友情の話とかグッとくるんすよ。
『リヴァイアサン』はもちろんそんな単純な話ではないんですけど、あえて僕なりに物語の本質をザックリ語らせてもらえたら、2人の友情がやはり核になるのだと思います。
ドラマティックで印象的な出会いから、お互いを尊敬しながら友好を深めていく。
そこからサックスが爆死するまでの15年間。
とてつもなくいろいろなことが2人に降りかかります。
時に疎遠になりながらもお互いに親友であり続けたその姿に、僕もかつての親友との交流を重ねずにはいられませんでした。
そして、村上春樹の作品の僕と鼠。
いや、村上春樹好きの読者は2人のことを想起せずには読めなかったんじゃないですかね?
2人の出会いと、離れていた期間、そして別離。
僕と鼠の関係性を思わずにはいられませんでした。
そして15年という時間の中で起こる運命的な出来事の数々。
事実は小説より奇なりといいますが、人生で起こる奇妙な偶然を感じさせられるような物語の展開でした。
まさか、こんなことが・・・と思うけど、実際に起こったりするんだよね。
複雑に絡み合った運命の糸。
すれ違っていく想い。
起こってしまった悲劇と、いくつかの可能性。
戦火の弾丸のようのに降り注ぐいくつもの起こってしまった出来事に、僕たちはどのように抗して、何を受け入れるのでしょうか。
5、終わりに
まだそれほど多くは読んでいませんが、ポール・オースターという作家は僕の心の中でも独特に地位を占める存在となっています。
複雑に絡みあるような運命の糸を繊細に描きながら、そこでもがいている人生を照らしだしていく。
そんな彼の作品に心動かされました。
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