1、作品の概要
2022年2月に公開されたアメリカの映画。
監督がレイナルド・マーカス・グリーン、製作・主演ウィル・スミス。
伝説のテニスプレイヤーであるビーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズを育てた父親リチャード・ウィリアムズの物語。
主題歌は、BEYONCE『BE ALIVE』
第94回アカデミー主演男優賞を主演のウィル・スミスが受賞。
他にもゴールデン・グローブ賞をはじめ多くの賞を受賞した。
ビーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズの2人も製作総指揮をしてかかわった。
2、あらすじ
ビーナス、セリーナたちが生まれる前から、2人がテニスで世界チャンピオンになる夢の計画を立てていた父のリチャード・ウィリアムズ。
彼は、テニス未経験ながら家族の助けを借りつつ2人にテニスを教えていて、世界的な名コーチ・ポールにビーナスの指導を依頼する。
ビーナスはジュニアの大会で勝ちまくり、スポンサーのオファーも来るがリチャードはオファーを蹴り、有名なコーチであるリック・メイシーと契約し、カリフォルニアに家族ごと移住する。
だが、ビーナスをジュニアの大会に出場させないことを断固として主張するリチャードは周囲との間に摩擦を生み出すようになっていく。
果たしてリチャードのドリームプランは達成されるのか?
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
映画公開時から気になっていた映画『ドリームプラン』ですが、2月の公開からあっという間にブルーレイのレンタル開始になっていたので、ソッコーでレンタルしてきました。
実話を基にしたドキュメンタリーっぽい映画って、ハズレが少ない気がしますね。
期待に違わぬ良い映画でした。
4、感想(ネタバレあり)
えっ、コレ実は実話なんだ!?
ってダジャレも飛び出すほどの奇想天外な奇跡のドリーム・プランの物語。
史上最強のテニスプレイヤーと称えられるビーナス・ウィリアムズとセリーナウィリアムズ。
セリーナは、大坂なおみが優勝した全米オープンでの決勝戦の相手でもありましたが、こんなに偉大な選手だったんですねぇ(^_^;)
娘達が生まれる前から2人がテニスの世界チャンピオンになるプランを立てて、その通りになってしまうなんて漫画みたいな話ですよねぇ。
しかも、その当時テニスプレイヤーに黒人はほとんどおらず、白人のスポーツと見做されていました。
しかも、ウィリアムズ一家はゲットーに住んでいて貧しさからなかなか恵まれた環境での指導を受けられない状況。
そこから這い上がるのはとても難しいことだったと思いますが、ビーナスとセリーナは成し遂げます。
テニス界では当時人種差別が横行していたのでしょうか?
ウィリアムズ家の周りは白人ばかりで、そんな状況にもパパ・ウィリアムズは敵意と反骨心をむき出しにします。
そんな状況も変えてしまったとしてたのだとしたら、ビーナスとセリーナの活躍は多くの人たちに希望を与えのでしょう。
そして、実現不可能と思えるドリーム・プランを実現させたのは家族の絆でした。
姉たちは練習に協力し、母親も自らコートにたちセリーナにコーチして、看護師の仕事をしながら家計を支える・・・。
そして、テニスの試合には必ず家族の姿があり、力を与えてくれていました。
プランを立てた父親のリチャードは自分の意見を曲げずに、他人との議論が大好きな偏屈者。
いや、絶対に友達になりたくないタイプですね(笑)
彼の態度は多くの人達の反感を生み、トラブルを生みますが最終的に彼のプランで娘達が世界の頂点に立つのですから大したものです。
周囲に敵を作りながらも、自らのやり方を信じて突き進む姿はかのアップル創始者のスティーブ・ジョブズとも重なりました。
イノベーションを起こすためには既存の価値観にとらわれず、己の信念を貫く必要があるのでしょうか?
ビーナス自身の強い希望で、3年間の沈黙を破り、14歳でブロデビュー。
相手は世界チャンピオンですが、彼女は臆せずに戦い、破れはしたものの多くの人々から賞賛を浴びます。
それは彼女の伝説の始まりだったのでしょう。
5、終わりに
いやー、ビヨンセの『BE ALIVE』めっちゃええっすね~。
歌詞が、映画の世界観に寄り添っていて、力強い感じがビーナスとセリーナの力強さに重なります。
アカデミー賞での暴力事件は残念でしたが、『ドリーム・プラン』で見せたウィル・スミスの演技は秀逸でウィル・スミスらしさを消し去って、「リチャード・ウィリアムズ」としてスクリーンで躍動していました。
夢を描いて、突き進むこと、決して諦めずに戦い続けること。
そんな夢を叶えるために必要なことを教えられたように感じました。