ヒロの本棚

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【映画】『正欲』

1、作品の概要

 

『正欲』は日本の映画。

原作は、朝井リョウの小説『正欲』。

2023年11月10日に公開された。

監督は、岸善幸。

主演は、稲垣吾郎、新垣結衣。

磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香

Vaundy『呼吸のように』が主題歌。

上映時間は134分。

2026年4月現在、U-NEXTで見放題無料配信中。



 

 

2、あらすじ

 

検事の寺井啓喜(稲垣吾郎)は、息子の不登校の問題への対処で妻と意見が食い違い、苛立ちを抱えていた。

やがて他の不登校の子供と一緒にYouTubeチャンネルを開設するが・・・。

 

桐生夏月(新垣結衣)は30歳を超えても恋人も作らず、実家に暮らしながら寝具店の販売員をしていた。

彼女の秘められた欲望を理解するのはただ1人。

中学生の時の同級生・佐々木佳道(磯村勇斗)だけだった。

同窓会で彼と再会した夏月は・・・。

 

大学生の神戸八重子(東野絢香)は、学祭でミスコンを廃止して、多様性を重視するダイバーフェスの開催を企画していた。

パフォーマンスを依頼していたダンスサークルにいた諸橋大也(佐藤寛太)のことが気になる八重子は・・・。

 

普通とは何か?自分らしくあることとは何か?多様性を尊重することとは何か?

ひとつの事件を通して、3つの運命が交じりあっていく・・・。


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3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ

 

原作は未読なのですが、この映画は以前から気になっていました。

多様性をテーマにしているっていうのも、現代的でいいっすね。

たまたまU-NEXTで見放題配信が始まっていたので、ソッコー観ました。

主題歌はVaundy『呼吸のように』だったんですね。

内省的な感じがピッタリでした。


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4、感想(ネタバレあり)

 

いや、もうガッキーが○○で○○するシーンが衝撃的でもう。

これまでの役柄のイメージを覆す、だいぶ癖強な役でしたね。

水に性的興奮を覚えて、男性に性的欲求を感じることができない夏月。

 

LGBTQどころの騒ぎじゃありません。

だいぶ性癖が突き抜けていますね。

職場でも人間関係がうまくいかず、実家でもいつまでも結婚しない娘を訝しむ両親。

 

彼女が唯一心を許せたのは、同じ性癖を持つ中学生時代の同級生の佳道でした。

こんなニッチな性癖を持つ他人と偶然巡り合う可能性ってどんだけなんでしょうね?

だからこそ、大人になった彼が女のことを自宅に連れ込んでおせっせしようとした時に、窓をかち割ってまで止めようとしたんでしょうね。

「そっちに行かないで!!私を1人にしないで!!」

という、渾身のメッセージだったのでしょう。

いや、フツーに犯罪ですけどね(笑)

 

佳道と偽装結婚する夏月ですが、いやガッキー偽装結婚好きやなって、逃げ恥デジャヴが起こりました。

普通の人として擬態するための結婚。

同じ性癖を持つ同士として分かり合える存在の2人。

もしかしたら、通常の愛し合う男女より絆は深く、お互いのことを強く必要と感じていたように思います。

佳道が逮捕された時の夏月の反応。

彼がいないと生きていけないというその態度は、尋常なものではなく、マイノリティに厳しいこの世の中で、お互いがどれだけ得難いパートナーだったのかを痛感させられる場面でした。

 

 

もう夏月と佳道のエピソードが良すぎて僕的には2人のエピソードでお腹いっぱいではありましたが、寺井のエピソードも子供を持つ父親として考えさせられる部分が多かったです。

現在、全国で増え続けている不登校児。

僕の身の回りにも何人かいます。

 

多様性を広く認める現代社会。

学校に行かないという生き方も、「個性」として認めるのか?

学校に行けない、行かないの理由にもよると思いますが、僕はわりと古い人間なので行くべきと思うほうですね。

そこにいじめなどが絡んでいたら、また違いますが・・・。

 

寺井も同じタイプというか、検事らしく理屈で相手をねじ伏せてしまう感じがしました。

子供に対しても、正論でバキッとやってしまう。

いや、でもわかるよ~。

なんでもかんでも子供に共感しちゃうのは簡単だけど、そんなんで将来やってけるのかとか、社会人になってもやっていけるのかとか心配になるんですよね。

それもまた愛のカタチではあると思うんですよ。

 

でも、もうちょっと対話すべきだったようには思いますね( ;∀;)

しかし、一昔前では寺井のような父親ばかりだったように思いますね。

父親というか、家庭自体が学校行かないのはあり得ないみたいな対応で。

フリースクールとか、通信制の高校とか、全日制の高校にも不登校だった子のケアをする科ができたりとか、幅広いセーフティーネットが築かれているのはいいことのはずなのだけれど・・・。

ゆたぼんとか、不登校ユーチューバーも出てきたりとかしてる時代ですしね。

 

 

神戸八重子のエピソードはぶっちゃけ、映画の中ではちょっと印象が薄かったですね。

でも、彼女が男性恐怖症というか、男性の性的な目線に生理的嫌悪を抱いていて、おそらく過去に何かしらのエピソードがあったことが窺い知れます。

原作ではそこにも触れられていたのでしょうか?

 

そんな彼女が大也に対して平気だったのは、女性に対して性的関心がなかったからなのでしょうね。

でも、大也にとっては彼のプライバシーに入り込んで来ようとする彼女はとてもうざったくて。

ダンスで表現していたのもそうであったように、彼が感じていたのは強い怒り。

こういうふうにしか生まれてこられなかった自分に対しての社会との隔たりそのものを表現していたように思いました。

 

そして、事件が起こってしまって・・・。

とてもやるせない気持ちになりました。

世界の片隅でひっそりと自らの特異な性癖と向き合っていただけなのに・・・。

 

 

 

5、終わりに

 

様々なテーマが散りばめられていて、とても興味深い映画でした。

ガッキーの演技も良かったですが、磯村勇斗の演技も雰囲気から滲み出てくるようななにかを感じられて良かったです。

原作も読んでみたいですね~。

 

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