1、作品の概要
1970年に公開されたイタリア、フランス、ソ連、アメリカの合作映画。
監督はヴィットリオ・デ・シーカ。
音楽をヘンリー・マンシーニが担当した。
一面のひまわり畑はウクライナで撮影された。
戦争で引き裂かれてしまった男女の悲哀を描いた。
2、あらすじ
第2次世界大戦当時のイタリア。
兵士のアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)とジョバンナ(ソフィア・ローレンス)は燃えるような恋に落ち、アントニオの出征前に結婚した。
わずかな新婚生活のあと、ソ連戦線へと送られたアントニオは生死も不明なまま消息を絶ってしまう。
数年後、同じ隊にいた生き残りの兵士から雪の中を敗走中に倒れたアントニオを置き去りにした話を聞いたジョバンナはソ連に行ってアントニオを探すことを決意する。
1枚の写真をもとに必死にアントニオを探すジョバンナ。
苦心の末、アントニオのことに見覚えがある人物に出会うが・・・。
3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ
以前からうっすら知っていた映画ではありましたが、知人からロケ地がウクライナということを聞いて、ロシアのウクライナ侵攻に想いを馳せながら観てみました。
青い空と一面のひまわり畑は、ウクライナの国旗のカラーを彷彿とさせますね。
ヘンリー・マンシーニ作曲の主題曲も美しくも哀切なメロディーで、この映画にぴったりでした。
4、感想(ネタバレあり)
もう50年以上昔の映画なんですねぇ。
まだ僕は生まれてもいないっす。
でも観ていて、あんまり古臭さは感じなかったですね。
イタリアの伊達男って感じのマルチェロ・マストロヤンニと、彫りが深くてスタイルがいいイタリア美女のソフィア・ローレン。
砂浜でイチャコラして、ソッコーで結婚ゴールインしちゃいますが、なんか情熱的で良いですね!!
アントニオは12日間のハネムーン休暇を与えられますが、その後にまた戦争に行かなければならない・・・。
新婚時代のラブラブな時期を一緒に過ごせないなんて残酷ですね。
戦争に行きたくなくて仮病を使うアントニオですが、敢え無くバレて苛烈なソ連戦線へ送られることに・・・。
ドイツの援軍もありましたが、戦力差は大きかったようですね(^_^;)
最激戦地で戦っていたアントニオは生死もわからずに消息不明。
アントニオとイチャコラしていた頃のジョバンナはちょっとアフロっぽい髪型で陽気でイケイケな感じでしたが、アントニオの帰りを待ち続けるようになって、別人のような貞淑な雰囲気に変貌していました。
周囲から生存は絶望しされる中、「アントニオは生きている!!私にはわかる!!」なんて言い放つジョバンナがとても健気でした。
一縷の望みを託してソ連まで夫を探しに行くジョバンナ。
この時点で5~6年は経過していたのでしょうか?
車窓から見えるひまわり畑のシーン。
あえて揺れまくる電車内からの映像ですが、とても印象的でした。
多くの兵士や民間人が殺されて葬られた。
見渡す限りの兵士の墓の映像は戦争の悲惨さを十二分に伝えるものでした。
大使館の男からも、「もう死んでるんじゃないの?」的なことを言われても頑なに夫の無事を信じ続けて、言葉も通じない異国で写真1枚を頼りにアントニオを探し続けるジョバンナ。
インターネットが普及している現代なら、ツィッターとかで拡散するっていう有効な手段もありますが、そんな方法もなく写真1枚を頼りにただただ探し続けるジョバンナの姿は痛ましくもいじらしいものでした。
そして・・・。
必死で探し続けるジョバンナは奇跡的にアントニオの消息の手がかりを掴みます!!
ただ一途に夫の無事を信じ続けて、いよいよ涙の再会か!?
と、思いきや。
彼の消息を知る女性が指し示す家には、いかにも若妻風の青い目をしたブロンドの女性マーシャ(リュミドラ・サベーリエワ)が洗濯を・・・。
溢れ出す所帯感、そして何故かイタリア語を話す子供。
こ、これは・・・。
やりやがったな!!アントニオのやろう!!
当然、ジョバンナは全てを察して涙を流します。
何年待っても帰ってこない夫を必死に異国で探して、やっと見つけたと思ったら別の女性と結婚して子供まで作っていたなんて・・・。
こんなことありますか!?
雪の中倒れていたアントニオを助けて介抱したのがまだ少女だったマーシャで、献身的に介抱されるうちに2人の間にやがて愛が芽生えて・・・。
アントニオはその当時記憶喪失だったので、ジョバンナのことも忘れていたということでした。
いやいやいやいや。
ちょっとこの辺は突っ込みどころ満載かつ、アントニオのクズっぷりが光りますが、とにかくジョバンナはアントニオを一目見るやいなや列車に飛び乗ってその場を去ります。
まぁ、子供までいたらどうしようもないですよね・・・。
イタリアに帰り、アントニオの写真の額をぶち割って、ご乱心のジョバンナ。
当然やろ!!もっとやれ!!
未亡人風だったジョバンナは再び華やかに着飾るようになり、他の男とデートしたりするようになります。
このジョバンナの変遷をソフィア・ローレンスが巧みに演じていますね~。
初期のイケイケアフロ時代→アントニオを探している未亡人風時代→アントニオの裏切りを知ってやけくそでまたイケイケ時代と服装やメイクなんかも変化していました。
その後、妻子を置いてジョバンナに会いにイタリアに来るアントニオ。
いや、もうお前どんだけゲスの極みやねん!!って、感じですがすったもんだありながらついつい会っちゃうジョバンナ。
まぁ、あんな形で物別れしたままというのもアレなんですが、今更話すことなんてあるの?って感じもしました。
妻子を残してきていながら、「一緒に行こう」などと宣うキング・オブ・クソ野郎イタリア代表のアントニオ選手。
ちょっ、おまっ、何言ってんだ!?
飲んでた紅茶を噴きそうになりましたが、彼は真剣でした。
しかし、新しいパートナーとの間に子供をもうけていたジョバンナは彼の申し出を拒みます。
その子供の名前がなんとアントニオ・・・。
だいぶ怨念こもったネーミングですこと(^_^;)
涙ながらにホームでアントニオを見送るジョバンナの瞳には涙が。
奇しくも、ソ連へと出征する彼を見送ったのと同じホームでした。
アントニオの行動にはちょっとツッコミどころがありましたが、情緒溢れる素晴らしい映画でした。
ラストでも流れましたが、一面のひまわり畑がなんとも印象的でしたね。
5、終わりに
あまり古い映画みたことなかったのですが、なかなか良いものですね!!
これを機にフェデリコ・フェリーニ監督、スタンリー・キューブリック監督の作品とか過去の名画もいろいろ観直してみようかなと思います。
ソフィア・ローレンもめちゃくちゃ綺麗でしたが、マーシャ役のリュミドラ・サベーリエワが可愛い感じで好きでした。
あんな子に命を助けられて介抱されたら、そりゃ記憶も喪失するわっ!!
イタリアVSソ連の場外戦も、ソ連に軍配が上がったようですね(^_^;)