1、作品の概要
『音楽の海岸』は村上龍の長編小説。
1993年7月に角川書店より、単行本が刊行された。
文庫版で374ページ。
『スポーツニッポン』の1992年8月12日から1993年2月11日まで連載された。
親交があった作家・中上健次に捧げた作品。

2、あらすじ
美しい女たちを自分の虜にして、他の男に売春させるビジネスをしていたケンジ。
フランスにある音楽が聞こえてくるという神秘的な海岸に憧れながらも、自身はある時より音楽を拒絶していた。
ケンジは元音楽番組のプロデューサーだったシブカワより、多額の報酬を提示されて石岡という男の破滅を依頼される。
石岡は奇妙な映像を撮る映画監督で、ケンジは彼にある企画を持ち掛けるが・・・。
3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ
ブックオフで100円で売っていて、読んだことのない村上龍の作品だったので買ってみました。
なんか『音楽の海岸』って『善悪の彼岸』をもじったのかなとも思いますが、イカスタイトルですよね。
1993年の作品ですが、この年は長編小説だけで4冊も刊行されていて、めちゃくちゃ書きまくっていた時期でした。
『インザ・ミソスープ』『五分後の世界』『KYOKO』『ラブ&ポップ』らが生み出された1990年代が村上龍の作家としてのピークだったのではないかと思います。
4、感想(ネタばれあり)
とても性的で暴力的なハードな小説。
尖ってた時期の村上龍の作品って感じがして良いですね。
女衒のような仕事をしているケンジですが、だいぶキナくさい仕事も請け負っていて、なんか裏の世界のヤバそうな奴らと関わっている。
孤独で、自分の生き方と哲学を持っていて、誰にも頼らずに生きていく姿はかっこよかったです。
シブカワ、石岡、サイトウと奇妙な男たちが出てきて、著しい歪みを感じました。
そして、女たちが抱える渇望。
それらが交錯する末になにが現出したのか?
5、終わりに
この時期の村上龍の作品は、本当にバリエーションに富んでいますし、イマジネーションが迸っている感じで面白いです。
『インザ・ミソスープ』『五分後の世界』『KYOKO』『ラブ&ポップ』など、どれも時代を象徴するアイコンのような作品であり、当時の日本社会への風刺も込められているように思います。
『音楽の海岸』も現代を生きる空虚さ絶望が描かれているように感じました。
↓ブログランキング参加中!!良かったらクリックよろしくお願いします!!