ヒロの本棚

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【本】江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

1、作品の概要

 

『思いわずらうことなく愉しく生きよ』は、江國香織の長編小説。

2004年6月25日に光文社より単行本が刊行された。

2007年6月20日に文庫版が刊行された。

女性ファッション雑誌『VERY』に2001年10月号~2003年12月号まで連載された。

文庫版で389ページ。

2011年に『カレ、夫、男友達』のタイトルでNHKでドラマ化された。

真木よう子木村多江夏帆らが出演している。

奔放で個性的な三人姉妹の生きざまを描いた。

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2、あらすじ

 

「思いわずらうことなく愉しく生きよ」という家訓のもとに、のびやかに自分らしく生きる犬山家の3姉妹。

結婚7年目で、夫の邦一からの家庭内暴力を受けている麻子。

バリバリのキャリアウーマンで、恋愛には情熱的でライターの熊木と同棲している治子。

恋愛感情を感じたことがなく、複数の男性と邪気なく寝てしまう育子。

個性的な3人姉妹は、それぞれ恋愛に関して問題を抱えながらも、強く自分らしく生きていく。

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ

 

最近、わりと近代文学読んでて、現代作家の作品も読みたいなと思っていた矢先に、Xでフォローさせて頂いている方の『思いわずらうことなく愉しく生きよ』の読了ポストを見かけました。

「今まで読んだ江國香織の作品の中で一番良い」的なことをポストしていて、めっちゃ読みたくなりました。

タイトルも印象的ですよね。

『思いわずらうことなく愉しく生きよ』ってさ。

愉しくっていうところも。

 

先日、車の車検の予約日に待ち時間で読む本を探していて、ブックオフに寄ったら『思いわずらうことなく愉しく生きよ』と『ぬるい眠り』が100円であったのでゲットしました。

150円のクーポンもあったので、70円で2冊ゲット。

安すぎて、なんか申し訳ない気分になりました。

僕が車検をしてもらっているお店は代車がなくて、車検が終わるまで延々と待ち続ける店なんですよね(;'∀')

かくして江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』は、車検の待ち時間に読み始めました。

 

 

 

4、感想(ネタバレあり)

 

いやー、実に江國香織さんらしい作品だと思います。

犬山家の人々が最高すぎて、共感の嵐。

ヒロ家もかくありたいですね。

「思いわずらうことなく愉しく生きよ」って家訓、ウチもパクろうかな(笑)

 

3姉妹のキャラクターが立ちすぎていて、これぞ江國香織作品って感じで良かったですね~。

長女の麻子は、お姫様みたいに綺麗だけど底抜けに酒が強い、旦那からのDVを受けている。

治子は、気が強くてバリキャリで、性的にも奔放でやっぱり酒が強い。

育子は、恋愛感情を感じだことがなく、色々な男と寝てしまうけど、天使のようにイノセントな性格で、やっぱり酒が強い(笑)

そう、江國香織作品の登場人物たちって、呼吸をするようにお酒を飲みます。

そこも僕が彼女の作品を好きな理由のひとつかもしれないですね。

 

ある意味、物語がどうのこうのとか言う前に、犬山家5人の強烈なキャラクターだけでするすると読めてしまう。

いや、すごいことですよね。

どんだけキャラ濃いねんって話ですし、闇雲に変な人たちっていうわけでもなくて、彼彼女らなりのフィロソフィーがあって、想いがある。

ただ奇をてらっているだけではなくて、江國香織ブランドを感じさせられるような登場人物たちでした。

犬神家の一族じゃないけど、犬山家の一族的な。

 

で、それぞれに問題も抱えている犬山3姉妹。

彼女らの問題は、すべからく「愛について」でした。

麻子は、DV夫との支配的な愛について。

治子は、情熱的すぎて(あるいは旺盛な性欲)、最後は相手が逃げ出すような盲目的な愛について。

育子は、異性への情愛を感じたことがないことについて。

と、3者3様です。

 

この問題が物語に陰陽を与えて、躍動していく種火となっています。

まあ、個性的やな。

どこから語ろうか悩みますわ。

 

麻子は、長女らしくもあって一番しっかりしていて、(現代では批判されそうな言い回しですが)女性らしい女性です。

付き合うなら、僕的には麻子がいいっすね~。

ちなみに奥様は治子タイプですがね(笑)

責任感が強くて、他者と揉めるくらいなら自分が犠牲になったほうが気が楽みたいな感じでしょうか?

そんな性分も、邦一とは相性が悪かったと言えますね。

でも、やられっぱなしで服従するほど、犬山家の長女は弱くもありませんでした。

 

治子は、バリキャリで気が強くて行動的な次女。

こういう人いそうやな、って思いますし、熊木みたいに飼われてみたい(笑)

性的に奔放で、熊木のことを深く愛しながらも、他の男と寝てしまい結局熊木を失う結果に。

 

育子は、ひとことで言ってしまうと不思議ちゃんで、この作品の中で一番濃い人物だと思います。

それでいて、いちばん江國香織の作品の登場人物っぽいっていうか。

なんとなく、『流しの下の骨』の主人公を彷彿とさせられました。

 

雪枝もからんで、DVがひとつのテーマになっていたように思います。

江國香織って、暴力とは無関係で透明な文体で奔放な女性たちを描き出しているような印象が強かったのですが、暴力的な描写も多くあり気持ちが重くなりました。

なぜ愛する伴侶を虐待してしまうのか?

その不可逆性。

取り返しのつかなさが描写されていたように思います。

暴力はいけません。

 

思いわずらうことなく愉しく生きる3姉妹。

なやみ、燻ぶっている時間の無益さ。

思う様に生きることの尊さを訴えているようにも感じました。

 

 

 

5、終わりに

 

痛快。

読後感はその一言に尽きるようにも思いました。

犬山家いいっすね~。

理想ですわ。

酒好きも含めて。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

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