ヒロの本棚

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【映画】『海の沈黙』

1、作品の概要

 

『海の沈黙』は、日本の映画。

2024年11月22日に公開された。

脚本・原作は、『北の国から』の倉本聰

監督は、岩松節朗。

主演は本木雅弘

小泉今日子石坂浩二萩原聖人佐野史郎仲村トオル中井貴一三船美佳らが出演している。

上映時間は112分。

倉本聰が、実在の贋作事件である『永仁の壺事件』から着想を得て、60年にわたる構想を経て作られた。

贋作を巡り、消えた天才画家の名前が取りざたされるが・・・。

現在、アマゾンプライムビデオなどで、見放題配信中。



 

2、あらすじ

 

世界的に有名な画家・田村修三(石坂浩二)の展覧会で、発覚した贋作作品。

作者本人でしか見抜けないような精度の高い贋作に世間は騒然となり、この作品を購入した美術館の館長・村岡(荻原聖人)が自殺するまでの騒ぎとなる。

贋作事件の捜査線上に浮かびあがったのは、田村の妻・安奈(小泉今日子)のかつての恋人であった津山竜次(本木雅弘)だった。

そこには田村も含めた古い因縁があった。


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3、この作品に対する思い入れ、観たキッカケ

 

なんかの映画観に行った時に劇場でチラシを見て気になっていた映画でした。

本木雅弘こと、モックンは好きな俳優さんなんですよね。

すんごい前の映画『ラストソング』が好きだったんです。

ちなみに『北の国から』の純役の吉岡秀隆もモックンと共に主演を果たしました。

 

 

 

4、感想(ネタばれあり)

 

絵画の贋作ミステリーから、消えた天才画家の因縁へと繋がっていくストーリーはとても興味深いものでした。

ただの贋作ということだけではなくて、もしオリジナルより素晴らしいものになっていたら?

田村の展覧会で、贋作に市の予算を投じて大金で購入した漁村の作品を出品した村岡。

作者である田村自身が贋作であるということを見抜き、周囲の制止も振り切って作品が贋作であるということを発表し、そのことで村岡は追い詰められて自らの命を絶ってしまいます。

億単位の市の予算を投じて美術館に所蔵していた作品が、実は贋作だった・・・。

悪夢としか思えませんね・・・。

 

しかし、贋作だとわかっても漁村の絵が持つ素晴らしさに魅入られて、心惹かれてしまう村岡。

果たして美しいということは、作の真贋だけで問われていいものなのだろうか?

と、村岡は遺書でそう投げかけます。

目の前にあるものが美しかったのだとしたら、誰が描いたものだとかそういったことは関係あるのだろうか?

美とはいったい何なのだろうか?

これが映画の大きなテーマにもなっています。

田村も、その贋作の持つ素晴らしさに気づき、自分の描いた絵よりより素晴らしいものになっていることを認めていました。

 

そして、贋作を描いた画家・津山竜次は、田村と、彼の妻の安奈との深い因縁がありました。

問題を起こして画壇を追放された竜次は、ゴッホなどの贋作も描いてインターポールからも追われる身になる一方で、天才的な刺青の彫師でもありました。

不治の病に侵されながらも、自らの未完の大作『海の沈黙』を何枚も描き続ける竜次。

描いた絵を気に入らずに破り捨てるとか、自らの血をキャンバスにぶちまけるとかアーティストっぽくてかっけえっす。

モックンが演じたからこそ、竜次の存在がチープにならずに表現されていたように思いました。

白髪の老画家で、黒の衣装も似合っていてめちゃくちゃシブかったです。

さすが、元「シブがき隊」なだけある渋さでした。

 

彼の「海の沈黙」という作品への情熱の裏には、幼少期に生き別れてしまった両親との死別の場面の風景にありました。

漁師だった父と母が帰らなかった海。

赫燃えていた漁火。

その魂の欠損ともいうべき心象風景を一生追い続けた竜次。

近代文学の作家が、自らのトラウマとなっている事柄を、何度も物語の構図を変えながら描いている様にも似ているように感じました。

 

 

 

5、終わりに

 

起承転結がしっかりしていて、まとまっている映画でした。

竜次のマネージャーみたいな役割をしているスイケン役の中井貴一の演技もトリッキーで良かったですね~。

キョンキョンこと小泉今日子もだいぶおばさんになったな~とか思いながらも、深みのあるいい演技でした。

 

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