1、作品の概要
ドラマ『地震のあとで』は2025年4月に放送されたドラマ。
全4回。
毎週土曜日22:00~22:45にNHKで放送された。
村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』が原作。
第4話は『続・かえるくん、東京を救う』で、短編小説『かえるくん、東京を救う』のその後の話を描いた。
映画『ドライブ・マイ・カー』の大江崇允が脚本を担当している。

2、あらすじ
大地震を引き起こすみみずくんと、壮絶な死闘の末に東京を救ったかえるくん(声・のん)と片桐(佐藤浩市)。
それから、30年後。
再び、東京に危機が訪れようとしていた。
みみずくんと、戦うべく片桐の前に現れたかえるくんだったが、片桐は30年前に戦った記憶を失っていた。
果たして、二人は東京を救うことができるのか?
3、感想(ネタバレあり)
4週に渡って放送されていたNHKドラマ『地震のあとで』もいよいよ最終話。
これまで村上春樹の短編小説集『神の子どもたちはみな踊る』の『UFOが釧路に降りる』『アイロンのある風景』『神の子どもたちはみな踊る』が放送されましたが、最終話の『続・かえるくん、東京を救う』は『かえるくん、東京を救う』の続編ということで、オリジナルの話でした。
前回の『神の子どもたちはみな踊る』でも書きましたが、原作の小説『神の子どもたちはみな踊る』が1995年1月の阪神淡路大震災のあと、3月の地下鉄サリン事件の間の2月に起こった6つの物語を描いたのですが、ドラマ『地震のあとで』の4つの物語をタテの時間軸で1995年~2025年に起こった出来事を描いています。
災厄と災厄の間を描いたドラマ『地震のあとで』ですが、個人的には時間軸を変更して描いているところがとても興味深かったです。
そして、最終回『続・かえるくん、東京を救う』ではまだ起こってない災害について言及されていて、これから起こる未知の災厄についての向き合いかたについても示唆されていたのが、僕としてはドラマ『地震のあとで』でいいなと思っていた部分でした。
原作と比してどうか?という問題はあるかと思いますし、ひとつの感じかたとして、4作を通じて感じたテーマ。
『神の子どもたちはみな踊る』のREMIXとして、災厄と災厄のあいだに起こった物語で、これからもずっと起こり得る悲劇に備えながら生きることを余儀なくされている、私たちに対してのメッセージのように感じました。
もしかしたら、それは村上春樹が『神の子どもたちはみな踊る』で語られていたメッセージとは異質のものであったかもしれませんが、ドラマREMIXヴァージョンとして僕は個人的に4話ともとても楽しめました。
あくまで個人的な感想ですが。
もちろん、原作に籠められた重要なエッセンスが見逃されていて、「そうじゃないんだよな・・・」っていう部分もあったかもしれませんが。
『続・かえるくん、東京を救う』では、30年後の出来事ということで現代の2025年の新宿が舞台になっています。
片桐は、ネカフェ住まいで、非正規雇用のガードマンっていういわゆる社会の底辺で生活しています。
いや、もう田舎に住んで生活保護申請したほうがいい生活できるよ、って思ってしまいました(;^ω^)
これでもかと言わんばかりに片桐の悲惨な現状が綴られていましたが、それでも新宿のゴミ拾いを続けているような、ささやかな社会奉仕を行っているような面も描写されていました。
なんとなく、映画『パーフェクトデイズ』の主人公の印象にも重なるような気もしました。
社会の底で、実は快適な社会が実現するのを支えている人々みたいな。
かえるくんとの再会ではやっぱりビックリして、2人で東京を救った30年前の記憶が失われている。
生きていくうえで辛い記憶を忘却しながら生きている片桐。
人間の「忘れる」という機能の大切さ。
片桐個人の銀行員としての仕事を通じて経験した辛い記憶と、災害に瀕して負ってしまった傷。
傷と忘却の呼応を感じました。
でも、痛いからといって忘れて風化させてしまっていいのでしょうか?
自己防衛のために忘れて傷を癒すことと、向き合って乗り越えていくこと。
その二つをどう適用していったらいいのかは、どちらも大事なことで答えはないように思います。
『続・かえるくん、東京を救う』を観て、そんなことを感じました。
↓ブログランキング参加中!!良かったらクリックよろしくお願いします!!