☆最終予選の苦難とリカバリー。って言うか、下手するとワールドカップ出られない可能性もあったよね?☆
いやー、日本代表のワールドカップはベスト16で終わってしまいました。
しかし、大会期間中国民に勇気を与え、サッカーの魅力を教えてくれたサムライブルー。
そんなサッカー日本代表のカタールワールドカップ2022を振り返ります。
ワールドカップに出るにはもちろん予選があり、アジア地区の戦いを経て初めてワールドカップに出場する機会を得ることができます。
1次、2次予選を終えて、最終予選を突破した4ヶ国+1ヶ国(大陸間プレーオフ)の最大5ヶ国がアジアの代表としてワールドカップに出場する資格を手にすることができるのです。
今回は、日本、韓国、イラン、サウジアラビア、オーストラリア(ちょい前にオセアニアからアジア地域に変更)、カタール(開催国枠)の6ヶ国が出場。
うち3ヶ国がラウンド16に進出し、ラウンド8へ残ったチームは0でした。
まだまだアジアのサッカーは世界のトップとは差があるということですが、ラウンド16にアジアの国が3ヶ国も進出したのは初めての出来事で、少しずつ差は埋まってきているとも言えると思います。
98年のフランスワールドカップに初出場した日本は今でこそ当たり前のようにワールドカップに出場していますが、98年はギリギリの戦いで、何度も諦めそうになりながら、途中で代表監督も解任されてボロボロになりながら奇跡的に予選を突破したような状況でした。
94年のアメリカワールドカップには最終予選でいいところまでいきながら、ロスタイムの失点で出場権をあと一歩で逃してしまう「ドーハの悲劇」が起きました。
その時に代表チームのメンバーだったのが代表監督の森保一であり、今回の日本の躍進で、「ドーハの歓喜」に塗り替えることができました。
いやー、このあたりも物語を感じるエピソードですね~。
98ワールドカップで初出場をして、サクッと3連敗した日本は02ワールドカップは開催国枠で予選免除で出場し、初のベスト16。
以後の2006、2010、2014、2018、そして今回の2022と7大会連続でワールドカップ出場を果たしましたが、余裕で予選を突破してきたわけではなく、ちょいちょい危機的な状況に陥りながらなんだかんだで予選を突破してきたような感じでした。
ちなみに今回もあわや予選敗退、森保監督解任か?みたいな状況にまでいっていたのです。
おそらく歴代の日本代表監督の中で最も批判された監督が森保一でしょう。
時は2021年9月。
東京オリンピックで惜しくもメダルを逃した日本は間髪いれずにワールドカップを目指す戦いへと身を投じます。
そしてホームの第1戦。
いきなり格下のオマーン相手に0-1で負けて黒星スタート。
コスタリカ戦の負け以上の衝撃でしたね(^_^;)
ホームで、オマーンに負けるとか・・・。
そして、第2戦の中国戦でアウェイ(というか中立地のドーハ開催)の戦いで1-0の勝利をあげるも、第3戦はサウジアラビアにアウェイで0-1の負け。
3戦して、1勝2敗。
一気にクライシスに陥ります。
この時の柴崎岳のバックパスde敵へのスルーパスには愕然としました。
岳だけに。
ホームでのオーストラリア戦。
負けられない日本はイチかバチかのフォーメーションチェンジで4-3-3に。
田中碧、守田英正のセンターハーフ、遠藤のアンカーの中盤が機能して日本は息を吹き返し、田中のゴールでオーストラリアに2-1で勝利。
ここから破竹の6連勝。
そして、ハイライトはアウェイのオーストラリア戦。
勝てば日本がワールドカップ出場決定の試合で・・・。
あの男が・・・。
あの男が劇的な2ゴールを決めました。
その男の名は・・・。
三苫薫。
冷遇されていた三苫が圧倒的な結果を残して、自らの存在を森保監督の脳裏に刻みつけた瞬間でした。
6分ぐらいから観てみてください!!
何とかワールドカップ出場を決めた日本でしたが、組み合わせ抽選会でスペインとドイツが同居する死の組に入っちゃって(๑≧౪≦)てへぺろ
サッカーファンが「オワタ」って思った瞬間でした。
しかし、ここから日本代表の物語は始まりました。
☆ワールドカップ開幕直前☆
森保監督の手腕を疑問視するサッカーファンは多く、解任を要求する声も多くあがっていました。
しかし、日本サッカー協会は森保監督に託し、多くのサッカーファンはグループステージ突破を諦めていました。
スペインとドイツに勝てるわけがない。
まぁ、僕もそう思っていましたが、それでも見届けようとは思っていました。
初戦のドイツ戦で引き分けに持ち込めればワンチャンあるかも!?などとも。
しかし、本番前にけが人続出(^_^;)
冨安、守田、久保、浅野、遠藤、板倉、三苫らが怪我で出場も危ぶまれる状況になってしまいました。
他国もいつもと違う冬開催のワールドカップで怪我人は多かったですが、日本は特に多かったですね(^_^;)
フォーメーションは4-3-3から、絶好調の鎌田をトップ下に配する4-2-3-1へ。
鎌田は最も好調な日本人選手で、ワールドカップで攻撃の中心を担うのは当然と思われていました。
今まで中軸だった1トップでポストプレイが持ち味の大迫をメンバーから外し、ショートカウンターとハイプレスを意識した人選で臨んだワールドカップ。
9月の親善試合のアメリカ戦でも好采配をみせていた森保監督が大舞台で見違えるような名将ぶりを見せつけチームをグループステージ突破に導くとは、この時ほとんどの人が思っていませんでした。
☆まさかのジャイアントキリングとベスト8への挑戦☆
初戦のドイツ戦。
もうボコボコにやられた前半。
後半もジェノサイドが続くと思われた試合に一石を投じたハーフタイムでの日本のシステム変更と、2枚替え。
今までの森保監督采配、日本代表のワールドカップでの戦いで見られなかったような劇的な切り替えで日本代表は0-1からの逆転し2-1で勝利します。
いや、もうあんな鮮やかな逆転勝利は記憶にないですし、ワールドカップ本番でのジャイアントキリングに日本中が湧きました。
ワールドカップ開幕前に全く注目されていなかったワールドカップ。
そんな日本に熱狂を生んだのは、自国の勝利でした。
いつでもそうですが、やっぱりスポーツは結果。
勝つことでしか、注目を集めることはできないと思います。
そういった意味で、初戦での超劇的な歴史的なジャイアントキリングはあっという間にこの国をサッカーの熱狂の渦へと巻き込みました。
いや、もうこんな幸福なことはありません。
そんなとてつもない歴史的にもターニングポイントになりうる1戦が、初めてみたサッカーの試合だったこの方はどんだけ(運を)持ってるのでしょうか!!
たまたま、初めて「ドラゴンボール」観たら、悟空がスーパーサイヤ人になった。
たまたま、拾った猫が実はイリオモテヤマネコ(天然記念物)だった。
たまたま、初めて「太陽にほえろ」観たら、「なんじゃこりゃー」してた。
ぐらいの強運の持ち主の名は、QUEENどころか「勝利の女神」のmiyakoさんです。
そして、コスタリカ戦ではターンオーバーも裏目に出てまさかの0-1敗戦。
もともと今大会のメンバー選考と戦術は格上相手のハイプレス&ショートカウンターが戦術の柱で、引いてくる相手にはあまり攻め手がない感じでした。
上田、相馬はそれほどの悪手ではなく、調子も良かったのですが・・・。
結果的には機能せず、戦犯の一人になってしまいました。
伊藤も直前のテストマッチなどではいい出来だったので、あれだけ批判されたのはなんだか悔しいですね。
良い選手なので、今後に期待したいです。
まぁ、アジア予選なんかで引いた格下相手に負けるのはわりとよくある光景なので、なんだかデジャヴでした(^_^;)
しかし、ワールドカップの舞台で相手が日本をリスペクトして自陣に引きこもるなんて展開はおそらく初めてだったと思いますし、アジアの格下相手にやらかすような試合をワールドカップの舞台で観たのはある意味での成長ではあったのでしょう。
そして、第3戦のスペイン戦。
2匹目のドジョウは柳の下におりました。
ドイツ戦のリプレイを見るような、耐える前半からの後半のシステムチェンジ&2枚替えの2-1の勝利。
「三苫の1ミリ」は物議を醸しましたが、VARでしっかりインプレー。
推しの久保建英が好プレーをみせながらも前半で替えられたのは残念でしたが、劇的な勝利とまさかのグループステージ1位突破に日本中が沸き返りました!!
そして、またも冴え渡る森保采配。
実は中身が入れ替わっているんじゃないかとかいうSF説も飛び出すほどの劇的な変化でしたね。
「転生したら森保だった」的な。
朝の4時からの試合に早起きして観た甲斐がありました。
正直負けると思っていましたが、まさかの大金星からのグループステージ突破はめちゃくちゃ嬉しかったですね!!
ただ0-3でボロ負けしてもちゃんと最後まで見届けようと思っていました。
そして、決勝トーナメント・ラウンド16での対戦相手は、グループFを2位通過のクロアチア。
対戦相手が全開のロシア大会で負けたベルギー相手になる可能性もありましたが、ベルギーはまさかの敗退となり、クロアチアがきました。
クロアチアは前回大会で準優勝したチーム。
モドリッチを中心にコバチッチ、ブロゾビッチの中盤がストロングポイントのチーム。
組織的で、全員で頑張るタイプのチームでした。
スペイン、ドイツよりは実力が劣るチームでベスト8への期待がかかった1戦でしたが、1-1の同点からのPK戦での敗北。
日本代表のワールドカップの冒険は終わりを告げました。
いやー、惜しかったですねぇ。
でも、今回は何だか全てを出し切ったような清々しさを感じましたし、今回もベスト8には行けなかったものの、今後に繋がる何かを得られたような気がしました。
☆2022日本代表の総括☆
今回の日本代表。
派手さはなくて、中田英寿、本田圭佑みたいなわかりやすいスターは不在だったものの、戦力的には歴代最強だったと思います。
特筆すべきは、2列目のアタッカーの質の高さと層の厚さ。
伊東、鎌田、久保、堂安、三苫、南野。
欧州のリーグで主力となっている選手がほとんどで、彼らのクオリティが今回の日本代表の最大の武器であり、5枚の交代枠と相まって日本代表を後半に変貌させる活力あるエンジンとなりました。
このセクションはタレント豊富で、今後も日本代表のストロングポイントになりそうですね。
そして、全体的な層の厚さ。
これまでの日本代表には替えのきかない選手が多く、突出した個人に頼る傾向が強く、一度認められれば調子が良かろうが悪かろうがずっと起用され続けるようなイメージがありました。
しかし、今回のワールドカップメンバーはコンディションが上がっている選手が優先的に起用されて、短期間で序列が入れ替わったりしたように思います。
南野が序列を下げて、鎌田が序列を上げたり。
まぁ、鎌田は本番では良くない出来でしたが(^_^;)
各ポジションで平均値が高いなという印象でした。
まぁ、裏を返せば突出したエースがいなかったとも言えますが・・・。
それと選手の対応力も上がってきて、臨機応変に判断する力が今までの代表と比べてついてきたように僕は思いました。
マリーシア(ずる賢さ)の部分や、ゲームマネジメントなど、以前より向上した部分がみられましたし、いきなりのシステムチェンジにも対応できる柔軟さも感じました。
ただ引いた相手とどう戦うかなど、監督の問題もあるかと思いますが、今後の課題ではあると思いますね。
しかし思えばワールドカップで出られるかどうかもわからないようなクライシスの中、歴代最低とこき下ろされまくっていた森保監督。
固定的な選手起用など、確かにワクワクできないサッカーをしていて、サッカーファンの期待値も低く、なんとか巻き返してワールドカップ出場を決めるも、スペイン、ドイツの死の組に入ってしまって・・・。
今回のワールドカップで日本代表がこれほど多くの喜びを与えてくれて、日本中を歓喜の渦に巻き込んでくれると思っていた人は多くはなかったと思います。
そんな状況でゲームを圧倒的に支配されながらも、スペイン、ドイツ相手に起こした2度のジャイアントキリング。
死の組を突破してベスト16に到達したことは、今後日本代表の自信として残り続けますし、最後まで諦めずに戦う支えになるのだと思います。
アンダー世代を合わせてたくさんの日本代表の戦い、敗北を目にしてきましたが、今回のワールドカップでの日本の戦いは次に繋がる実りのある結果だったと僕は総括します。
まぁ、異論は認めますが(^_^;)
何よりこれだけ感情を揺り動かす戦いをしてくれた今回のチームがとても好きですし、ここで終わってしまったのがやっぱり寂しいです。
でも、その悔しさを胸に強くなってきたサッカー日本代表。
吉田、長友、酒井らの選手は今回で代表引退すると思いますが、あとを託せる優秀な若手がたくさん出てきています。
高校卒業後にドイツのシュツットガルトに入団するチェイス・アンリ、ルーキーながら東京FCでスタメンの松木玖生、レアルマドリーの下部組織に在籍する中井卓大、ボルシアMGに高校卒業後に入団する福田師王、レッズのGK鈴木彩艶。
特に若い世代はGKが充実していて、このポジションは一気に面子が変わる可能性がありますね。
そして2年後に控えるパリ五輪。
実は久保建英もパリ世代で、+3人オーバーエイジを加える日本のメンバーは今度こそメダルを狙えるメンバーになると思います。
そして、今回の東京五輪メンバーがワールドカップのメンバー(久保建英、堂安律、板倉滉、冨安健洋、田中碧、前田大善など)に多数選ばれたように日本代表の戦力を大幅に押し上げるでしょう。
これかの世代は直接海外のチームからプロキャリアを始める有望な若手も増えて、対して日本でじっくりと足場を固める選手、大学で実戦経験を積んでブレイクする選手などより多様な経歴をもった逞しい選手たちが増えてくると思います。
三苫も大学経由ですし、Jで活躍していた谷口がワールドカップの舞台で充分やれることを示したのは大きかったと思います。
本当に日本代表のチームの層が厚くなっていますし、今回選外になったメンバーでもハイレベルな選手がたくさんいます。
次こそはベスト8の壁をきっと乗り越えてくれると僕は大きく期待しています。
でもどれだけボロ負けしても、日本代表のワールドカップでの戦いを目を背けずに最後まで見届けたいとも思います。
そんな大きな喪失や勝利への渇望が、きっと次なる歓喜への肥やしになると思うので。
とにかく今は日本代表の選手、森保監督、スタッフの皆さんにお疲れ様と、ありがとうを言いたいです。
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