ヒロの本棚

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【映画・サッカー】『ボールを奪えパスを出せ/FCバルセロナ最強の証』~世界で最も強く美しいサッカーをしていたペップのバルセロナ~

☆サッカー史上最も美しいサッカーをしていたチーム☆

 

まぁ、この世の中にある全てのサッカーチームを。

しかも過去のチームまでも全てを観たことがあるわけではないのですが。

おそらくサッカー史上最強かつ最高に美しかったチームはペップが率いたFCバルセロナというチームであったのだと思います。

 

このドキュメンタリー映画はその最高だったペップバルサの始まりから終わりを、様々な角度で語り尽くしたドキュメンタリーになります。

2008-2009年シーズンから2011-2012年シーズンのわずか4年。

3度のリーグ優勝と2度のUEFAチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げたバルサ史上最強のチーム。

その強さの秘密に選手たちのインタビューをもとに迫るのがドキュメンタリー映画『ボールを奪えパスを出せ/FCバルセロナ最強の証』です。

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☆ペップことグアルディオラバルサの幸せなストーリー☆

 

ペップはバルサ生え抜きの選手・カンテラーノで、バルサにパスサッカーの哲学を植え付けたヨハン・クライフ監督が見出しデビューさせたピボーテでした。

彼はフィジカルこそ貧弱で運動量も多くはありませんでしたが、テクニックと戦術眼に長けており、中盤の底からチームをオーガナイズする役割では世界有数の名選手でした。

日本で言えば、遠藤保仁タイプの選手で彼のパスがチームにリズムをもたらしました。

 

インサイドキックで放たれたグラウンダーのボールがカクテル光線に照らされた鮮やかな緑色のピッチを滑らかに走り、あらかじめ定められていたかのような軌道で味方のもとに届く。

ただのグラウンダーのパスなのですが、その軌道の美しさ、スピードやスピンのかけぐあいの絶妙さに僕は虜になりました。

大学生の頃にひたすらペップのインサイドキックのパスが出したくてずっと友達と公園で練習していました。

 

そんなFCバルセロナのレジェンドであるペップが監督としてチームを率いる。

Bチームの監督だった彼がいきなりトップチームを率いるのはギャンブルにも思えましたが、結果はバルサの歴史上でも類を見ないほどの黄金期を築き、監督としてもレジェンドとしてクラブに名を刻むことになったのです。

いや、こんな出来すぎた話がありますか?

漫画以上の展開ですよね?

しかも敵役のレアル・マドリーにはかつてバルサの通訳だったジョゼ・モウリーニョがいて、エースにはクリスチアーノ・ロナウドがおりました。

この時のクラシコの緊張感は異次元で、お互いに欧州のトップクラスの存在がしのぎを削る至高のゲームでした。

その他、歴史に刻まれるドラマティックな瞬間がたくさんありました。


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☆ペップバルサの特異性☆

 

徹底したティキ・タカによる細かいパスワークと、偽9番で起用したメッシの覚醒。

パスワークをするためにDFラインにはテクニカルでパス出しが上手な選手が揃えられて、GKにまで起点になることが要求されました。

GKにまで足元の技術を求めるなんてクレイジーなようですが、現在でもテア・シュテーゲンなど足元の上手いGKを求める傾向がバルサにはあります。

 

ただのパスワークだけではなくて、ポジショニングや、狭いスペースでのパスの受け方、呼吸などバルサのサッカーはとてつもなく特異なものです。

実力があっても順応できずに去っていった選手も多く、逆にバルサで多くを成し遂げた選手もほかのクラブではその実力を十全に発揮することが難しいこともあります。

過去のデ・ラ・ペーニャやペップ、現在のメッシなどもそうでしょう。

バルサのサッカー哲学、戦術はあまりに独特なものであると言えるでしょう。

 

その中でもペップバルサは極度に戦術的で執拗なまでのパスワークから織り成される超攻撃的サッカーが、まるで前衛芸術のようにアバンギャルドで、これぞまさにバルセロナといった街の文化や風土を体現したようなサッカーであったと思います。

サルヴァトーレ・ダリの美術館があるバルセロナの街はスペインの首都マドリッドに比べて、開放的でとても先進的なイメージがあります。

日本で言えば、マドリッドが東京で、バルセロナが横浜といったところでしょうか?

いや、行ったことないので妄想なんですが(^_^;)

それでも、サッカー関連の書籍でヨーロッパには脳内でたくさん旅をしています。

もし海外に住むならスペインかイタリアだなーとか思ってますし、やっぱりバルセロナの街にあこがれがあります。

 

スペインの中央・マドリッドに対する歴史的反発はフランコ政権や民族のことにまで話が及び近年のカタルーニャ独立のことまで関連してきますが、やはりヨーロッパサッカーにおいて歴史とスポーツは深く結びついているのだなと感じます。

だいぶ話はズレましたが、世界的なビッグクラブでありながらバルサの最大の特異な点は生え抜きの選手を多く使うことであると思います。

ペップバルサにおいては最大スタメンの9人が生え抜きの選手ということがありました。

これはとても珍しく、それでいて強いというのは現代サッカーにおいてほとんど奇跡みたいな現象でした。

ペップは、ブスケツ、ペドロなど無名だったカンテラーノをデビューさせて一流の選手に育て上げて、メッシ、シャビ、イニエスタらの才能をさらに磨き上げました。

 

そんなバルサカンテラで当時奮闘していたのが我らが久保建英!!

現在のバルサホープであるアンス・ファティと共にプレイしていました。

FIFAの規定で揉めて15歳で退団の憂き目に遭いましたが、あのままカンテラにいたら今頃どうなっていたのか・・・。

妄想が尽きません。

大人の事情で夢を絶たれてもそこから這い上がって、スペインのもうひとつのビッググラブであるレアル・マドリーに入団する久保建英の実力と鬼メンタルにはもう敬服するばかりですが。

 

そんなわけで、だいぶマニアックなサッカードキュメンタリーDVDですが、バルサ好きなら必見ですよ!!

バルサのサッカーの真髄はやはり4番の選手だと僕は思っているので。

10番は誰が背負ってもいいけど、バルサの4番だけは本当はマシア出身の選手に背負ってほしいと思うのが全てのクレの願いなのではないでしょうか?

 

 

 

 

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