1、作品の概要
2018年にアメリカで製作された、草間彌生の半生と創作活動を追うドキュメンタリー映画。
2019年11月に日本で公開された。
2、あらすじ
草間彌生がどのような環境で絵を書く事を初めたのか?
そして、どのようなキッカケでアメリカで創作活動を始めたのかなど、その半生を追いながら創作の背景にあったものを丹念に探っていく。
そこには、家庭環境、自身の強迫神経症、多くの著名なアーティストとの交流があった。
映画『草間彌生∞INFINITY』予告 11月22日(金)公開
3、この作品に対する思い入れ
草間彌生の存在は、10年前ぐらいに直島に行った時に初めて知りました。
直島港に鎮座する水玉模様の南瓜。
ポップな色彩とデザインにノックアウトされて、ミニオブジェを買って帰ったのを覚えています。
それからも彼女の作品をよく目にして気になるアーティストの1人でした。
TSUTAYAのドキュメンタリーのコーナーでこの映画を見つけて即決でレンタルしてその日のうちに観ました。
1960~70年代のNYの貴重な映像なども観られてとても興味深い作品でした。
4、感想・書評
草間彌生が創作を始めた背景や、家庭環境なども知ることができてとても興味深かったです。
彼女の創作は決して両親から歓迎されたものではなくて、描いた絵も母親に破り捨てられていたなんて・・・。
そして両親の不和など複雑な家庭環境が草間の精神を蝕み、強迫神経症を患うこととなってしまいます。
元々、鋭敏な感性を持っていたのでしょうから、繊細な神経の持ち主ではあったのでしょう。
しかし、優れたアーティストは精神的な病を患っていることが多いですね。
神様は偉大な才能を贈る代わりに、見返りに病みやすい魂と心を授けるのでしょうか?
長野県にいた少女がバックアップもなく自分の絵を持って単身NYに乗り込み、次第にその地位を確固たるものにしていく過程は本当に驚きで、草間の情熱を自らの芸術への自信と確信を感じました。
彼女が活躍したNYのアートシーンはあのアンディ・ウォーホルなど著名なアーティストらもおり、草間は彼らと肩を並べてNYのアートシーンを盛り上げていました。
これは、すごいことですね!!
また、ボディペインティングや反戦運動などを裸同然の格好でゲリラ的に行ったり、ゲイの結婚を認めるなど過激な言動も話題になっていたようですね。
その後日本に戻り、逆境を乗り越えて世界的な評価を受けるに至った草間。
このドキュメンタリー映画を観て、彼女の作品や思想にとても強い興味を抱きました。
少し前に、道後温泉で旅館のデザインなんかもやってましたが、愛媛でも個展やってほしいですね~。
5、終わりに
草間彌生は、とてもエキセントリックな天才アーティストだと改めて思いました。
創作へのエネルギーもスゴイです。
アメリカに旅立つ前、絵を1000枚破棄したとか言ってましたが凄すぎます。
以前、愛媛であった『川端康成コレクションと東山魁夷展』で草間彌生の作品を見かけました。
なんと、かの文豪・川端康成も若き草間彌生の絵画作品を所持していたのですね!!
僕がその時見たのは『不知火』とうい作品でしたが、あの世とこの世の境目のような、母親の胎内の卵子のような不思議な作品でした。
これをキッカケに草間彌生の他の作品も観てみたいです♪