ヒロの本棚

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【本】渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』~あなたが最も信頼する人を98%信じなさい。って残りの2%は?~

1、この本の概要

 

ノートルダム清心学園の理事長、渡辺 和子さんの著書。

渡辺さんは、敬虔なクリスチャンでシスターでもある。

2016年12月に亡くなった。

 

2012年に刊行され、TVなどで紹介され200万部近く売り上げるベストセラーとなる。

続編に『面倒だから、しよう』がある。

「人はどんな境遇でも輝ける」ことを実体験も交えつつ語る。

 

 


キリストの香り 5『置かれたところで咲く』

 

 

 

2、本の内容・目次

「咲くということは、仕方がないと飽きらめるのではなく、置かれたところを自分の居場所と理解すること」「置かれたところで自分らしく生きていれば、必ず見守ってくれる方がいる」などキリスト教のエッセンスを感じる前向きなメッセージを発信しています。

 

第1章 自分自身に語りかける

第2章 明日に向かって生きる

第3章 美しく老いる

第4章 愛するということ

 

置かれた場所で咲きなさい (幻冬舎文庫)

置かれた場所で咲きなさい (幻冬舎文庫)

 

 

 

3、この作品に対する思い入れ

 

「置かれた場所で咲く」というのが、とてもいい言葉だなと思って、この本を読みました。

自分のいる環境に不満を感じてより良い場所を探して動くのも一つの考え方ですが、僕はわりと今いる環境・境遇を受け入れて、そこに意味を見出していく生き方としています。

特にどっちがいい・悪いではなくて生き方の問題だと思っています。

 

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4、感想・書評

 

第1章 自分自身に語りかける

 

渡辺さんご自身が、岡山のノートルダム清心女子大学の学長に36歳で任命されて、右も左もわからず、生まれた土地を遠く離れて苦労した話をもとに「どんなところに置かれても花を咲かせる心を持ち続けよう」と書かれています。

 

例えば、ブラック企業に就職して病みそうになっているとか、学校でいじめられておかしくなりそうになってるなんて場合は、直ちに逃げたほうがいいに決まっています。

でも、そんな極端な場合を除いては、学校、職場、家族などいろんな環境があって不平不満を感じ、環境のせいにしてしまうことがあるかと思います。

 

だけど、周りは変わってくれないですし、もし周りを動かしたかったら、まずは自分が変わっていくしかないのだと思います。

「自分が積極的に動いて、初めて幸せを手に入れることができる」とも書かれていますが黙々と前向きに笑顔でやっていれば、報われる日がそのうち来ると僕は信じてます。

もし、報われなくてもそういう振る舞いをすることで、精神的に成長できると考えています。

 

短期的な小さい利益だけではなくて、その先の未来にある大きな利益をもたらす自己の成長を見据えて生き方を選ぶのが大事なのではないかと思いますし、そう心がければ少々の不公平や不利益は気にならないように思います。

 

第2章 明日に向かって生きる

「子供は親や教師の『いう通り』にならないが、『する通』りになる」ああ、これわかります。

良くない言動ほど真似するんですよね(^_^;)

長男が次男に対して怒る時とか、僕が感情的に長男を叱ってしまった時とそっくりで猛省したことがあります。

 

職場でのマネジメントでも同様で、管理者がどう行動しているかをスタッフの皆はよく見てますよね。

率先垂範という言葉がありますが、襟を正さねばと、常々思います。

 

 

 

第3章 美しく老いる

 

「毎日を『私の一番若い日』として輝いて生きる」自分はもう年を経て完成形だと思った瞬間から歩みが止まり、老いが加速するような気がします。

別に過度に若々しくあろうとし過ぎなくてもいいと思いますが、年を経ても常にチャレンジして日々を新鮮に感じながら生きていくことができれば輝いていくことができるのではないかと思います。

 

今の職場に転職した8年前に一緒に事業の立ち上げ(在宅の介護事業の立ち上げをしました)を担当・指導して頂いたのが、その職場のレジェントとも言うべき看護部長さんで当時65歳を過ぎていました。

しかし、常にフレッシュで前向きで笑顔を忘れず、常に感性豊かに、様々な分野を勉強されながら日々を送っていました。

 

当時、僕は仕事の面ではもうこれから無難にこなしながら生きて生きていきたいと思っていたのですが、僕のそんな怠慢にカウンターパンチを食らわすかのごとく刺激的な事件が多くあり、看護部長さんからもたくさんの刺激をもらいました。

 

松下幸之助さんが関わったPHPの本で「小さな人生論」という本がありますが、その本の中で、90歳を超えたお爺さんが手紙を書いて、その内容が紹介されていたのですが、「まだ自分は未熟で日々精進していかなければならない」と書き綴っていらっしゃいました。

御年90歳を超えても、まだ向上心を絶やさないとは・・・、と非常に胸が熱くなりました。

90歳が日々精進とか言っているのに、40歳にもなってない(当時)僕が現状に満足したらダメだろうと思いました。

 

そして・・・、そのお手紙を書かれた人の住所を見て愕然としました。

僕の出身地だったんです。

僕が住んでいた街は、人口は現在5~6万人の小さな街なんですよ。

本もそんなメジャーな本じゃないし、そんな状況で同郷の人の投稿を同郷の僕が読むって宝くじ並の確率ですよね。

 

もちろんただの偶然ですが、人生には稀にそんな運命すら感じてしまう偶然があるように思います。

老いても、チャレンジと変化に富んだ毎日を送っていきたいです。

 

 

第4章 愛するということ

 

この本を読んで僕が一番ハッとした言葉があります。

「信頼は98%。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておく」です。

 

 普通、クリスチャンの人なら100%信じなさいとかいいそうですよね?

でも、渡辺さんは言います「この世に完璧な人間などいない。心に2%のゆとりがあれば、相手の間違いを許すことができる」と。

そうです。

残りの2%は、相手がもし過ちを犯してしまった時のために取って置きなさいということなのです。

 

これには、なるほどと思いました。

不信ではなくて、ちょっとしたあそびというか余地というか。

ガチガチに信じてしまうことは裏切られた時に全部反動になって、憎しみに変わってしまいますよね。

でも、2%相手を信じない余地を作ることで過ちも許せてしまうのです。

 

ちょっと違うかもしれませんが、居合道の「残心」を思い出しました。

相手を斬って止めを刺したと思っても、もしかしたらまだ相手が生きていて自分に斬りかかってくるかもしれない。

だから刀を収める最後の瞬間までも、相手に対して少し注意を向けておく。

これが居合道の残心です。

hiro0706chang.hatenablog.com

 

妄信的に思い込むのではなく、心にゆとりを持つ。

そのことが、相手を赦す心の余裕になるのかもしれません。

 

 

 

5、終わりに

 

渡辺和子さんがこういう考え方にたどり着いたのは平穏な光の中にずっといたのではなく、自身のとても辛い体験をしながらもがいていたからです。

9歳の時に2.26事件で陸軍将校に反戦派として父親を目の前で蜂の巣にされて殺される体験をしたり、うつ病膠原病を患ったりと、試練が多い人生だったようです。

 

僕は、とても好きな作品ですが、こういったキリスト教的な考え方や、常に前向きな考え方を好きではない方もいらっしゃるかもしれませんね(^_^;)

もし、不快に思われたらすみません。

異論もあっていいと思います。

 

 

 

 

 

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