ヒロの本棚

本、映画、音楽、写真などについて書きます!!

村上 春樹について語ります~其の弐~

こんにちは☆

今日は休みで、掃除、洗濯等々家事を一通りしてからこのブログを書いてます。

ブログ始めて6日目ですが、改めて自分の文章力の無さを痛感しております(^_^;)

自分の文章には致命的に構成力が欠落しているように思います。

なんだか書いてるうちにワケがわからなくなってくる感じが。。

 

ツィッター、ブログで書評を書いている皆さんの文章力、作品に対しての深い洞察力には畏敬の念を抱きます。

自分がいかに直感的・表層的に読書していたかを思い知りました。

いや、まぁそれでもいいのかもしれませんがこういったブログを書いてると如実に現れますね(>_<)

 

 

さて、村上 春樹についての続きです。

前回、嵐の夜に燕の巣を取りに行くところまで・・・、ではなくて『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』まで書きました。

羊をめぐる冒険』のあとに『中国行きのスロウボート』、『カンガルー日和』、『蛍・納屋を焼く』の短編集も刊行されました。

 

 

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

 

 

hiro0706chang.hatenablog.com

 

 

 

 

 

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

 

 

 

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

 

 村上春樹の作家活動は、長い長編(上下巻のもの)、短めの長編(1冊のもの)、短編、エッセイ、紀行文・ノンフィクション、翻訳と幅広くいろんな仕事をすることで長い長編を書くエネルギーを蓄えて、そろそろというタイミングで長い長編を書くそうです。

 

最近は、ラジオ番組もやったりして話題になっていましたね。

長い長編を書くときには自分のタイミングがあるらしく、書き下ろしの仕事しか受けないとのことでした。

村上春樹の真骨頂といえば予想不能なストーリーで引き込んでいく長い長編作品だと思いますが、不思議でユーモアな話が多い短編も良いです!!

 また、短編集で長編の実験をしていることも多く、短編の『蛍』が元になって『ノルウェイの森』を書いたりしているそうです。

 

回転木馬のデッドヒート』、『パン屋再襲撃』の刊行を経て、1987年にノルウェイの森が発表されます。リアリズムの文体にリアリズムの物語を乗せた村上春樹の最大のベストセラー作品になり累計1000万部を超えました。

羊男もやみくろも出てこない100%リアリズムで、彼の作品の中では異色だと思います。

 

 

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

 
ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

 

 其の壱でも触れましたが、個人的に初めて読んだ村上春樹の作品で、思い入れがあります。喪失感を抱えながら、生と死の狭間を生きる主人公の心情が叙情的に描かれています。

単純に恋愛小説と呼ぶには入り組んだ物語ですが、学生闘争の時代を背景に直子と緑の2人の女性との関わりを通して主人公のワタナベが19歳という多感な時期を「くぐり抜けていく」物語だと思います。

村上春樹の作品でよく感じますが、物語を通して自己実現や成長を描くのではなく、「通り抜ける」ことで何かを失ったり、変化したり、何かを決定したりすることが描かれていると思います。

直子はキズキのいる「死の世界」を選び、ワタナベは直子とキズキのいる「死の世界」から緑がいる「生の世界」に戻ってくる。

なんとなく、伊弉諾と伊佐波の黄泉比良坂の話を思い出すのですが、この作品でも村上春樹の長編作品でよく描かれる「こちら側とあちら側」が描かれている思います。

 

ノルウェイの森が大ヒットして社会現象にまでなったらしいのですが、当時村上春樹はヨーロッパに住んでいて、狂乱に巻き込まれずに良かったみたいなことを言ってました(笑)

 

ノルウェイの森』からわずか1年で発表された次の長編が『ダンス・ダンス・ダンス』でした。

通常、長めの長編を発表した後はしばらく他の仕事に取り掛かるのですがこの時は短いスパンで長編を書いています。

 

 

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

 

 

 

ノルウェイの森』から一変、初期3部作の「僕」のその後を描いた作品で、ファンタジー全開の王道な春樹作品だと思います。初期の集大成とも言うべき作品で、北海道、東京、ハワイと舞台を変えながら個性的な登場人物がゾロゾロ出てきます。

 

 「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ何故踊るかなんて考えちゃいけない」

 

印象的なセリフが多い『ダンス・ダンス・ダンス』ですが、踊り続けなきゃいけないっていうこのセリフが特に印象に残りました。

 

様々な出会いがあり、「僕」は状況に流されるままに導かれるままに物語の核心に迫っていきます。

たくさんの人との別れがありましたが、最後は希望を感じさせるラストでした。 

 

 その後、短編集『TVピープル』を刊行し、1992年に『国境の南、太陽の西』を発表します。この作品もノルウェイの森と同じく100%リアリズムの作品で、この時期の春樹はファンタジー色の強い作品と、リアリズムの作品を交互に発表しています。

 

 

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

 

 子供の頃にずっと一緒にいて淡い恋心を抱いていた女の子と再会する話ですが、お互い大人になっていろんな経験もしていて、主人公は結婚もしていてみたいな話でした。

春樹自身も言っていましたが、1冊で終わる長編はあまりインパクトがない作品が多いですし、読者にも評判はイマイチのようですね。

良い作品ですが、物語の深い深い奥底まで読者を誘い込んでいくような魅力は残念ながら乏しいようです。

(あっ、でもスプートニク、田崎つくるとかも好きですが)

まぁ、他の長い長編がぶっ飛びすぎてるんだと思いますがねw

 

とりあえず其の弐は以上で続きます。

時系列順に作品を追っていく作業も発見があって楽しいですね。

なかなか短編作品には触れきれず歯がゆいですが(^_^;)

春樹の作品もそのうち個別に書評を書きたいです。